加藤嘉一のレビュー一覧
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筆者は高校を卒業してすぐに中国へ渡り、北京大学に在籍しながら中国メディアでコメンテーターとして活躍している。本書では日中の歴史観の捉え方や政治の違いについても言及されている。本書で1番気になった問題提起は「日本は本当に自由なのか、中国は本当に不自由なのか」である。改めて考えてみると、日本には言論の自由が確保されていながらも閉塞感が漂っている。筆者はこれは日本独特の暗黙の了解、つまりは空気を読むという文化に起因していると説いている。
今後日中の関係はますます重要になってくるため相互理解は欠かせない。しかしながら、両国民同士のお互いの信頼関係はまだまだ紆余曲折している。そんな中、年も1つしか変わらない筆者が中国で奮闘していることに敬服すると共に刺激を受けた本であった。 -
Posted by ブクログ
【ポイント】
28/公共の秩序というものが存在しないというより、人々がそれを重んじていない。
だから秩序が生まれない。(遠慮のない中国人)
31/公共の場での道徳教育は、子供に対して、ことの是非をわからせる最も 効果的な方法(日本)
32/日本人は、公共の場で礼儀正しい自分を演じ、周囲の人に対して細かく 気を払う。
公共の利益と良好な秩序を何よりも優先している。
敗戦後は特に、周りに遠慮する、気を遣う、空気を読むという習慣の形 成に力を注いできた。
それは、国民一人ひとりが個人の自由と引き換えに形作ってきた妥協の産 物かもしれない。
37/公共の場は、社会のメンバー全員が共有するもの。みな平等に空間を享 受する。だから、
どんな行動をしても問題にならない。(中国)
38/中国人にとって公共の場とは弱肉強食・ゼロサムの舞台。
自分のほしいものを、手段を選ばず手に入れようとしなければ、バカを見る。
だから、中国人は公共の場で何一つはばからず、自らの利益を最優先する。
39/日本人は、無意識に公共のルールがあたまの中にあり、それを守るのが 当たり前になっている。
40/日本人の公共の場とは、お互いが譲歩し、妥協することで良好な秩序が 維持できる空間。
国民は、「秩序ある状態こそが、社会全体の利益に合致する。」と考え、 行動する。
日本人は、「世間様」から排除されるという局面を最も嫌うから、公共の 場で注意深く振舞う。
67/日本には「謝って済むなら警察はいらない」。軽々しく謝るのではな く、自分を律することで、
問題の本質を見つけ、解決方法を探すべきの意味。
68/この理屈を中国人に理解して欲しいと願っているが、中国の友人から「ごめん」と何回聞いても
何一つ改善されたことがない。
74/中国の若者「八十後」は、人としての修養過程をおろそかにすることと 引き換えに、勉強漬け
の日々で大学入試資格を得ようとしている。
結果、情緒的にも幼く、わがまま・幼稚で、他人と協力することをしらない。
123/西側諸国には「キリスト教」、日本には「世間さま」という社会に安定 と秩序をもたらす価値体系が
あるが中国にはない。これらを構築しなければならないことは認識している。
社会秩序の安定やマナーは日常的マターであり、行政力の強制で行うもの ではない。
131/若者の愛国意識の形成
?言語(抑揚・スローガン)?学校・社会教育 ?社会環境(チベット、五輪)
141/中国の若者特にエリートは、愛国主義と欧米崇拝を困惑しつつ同時に抱いている。
日本の若者、エリートは愛国主義も欧米崇拝も持っていない。
146/多くの日本人は、日本が第二次世界大戦で中国に負けたと思っていない。
アメリカに負けたのだと思っている。日本は降伏し負けを認めたが、日本 国民は戦争の加害者であると同時に被害者でもあると・・。
149/中日戦争は中国人の中では重要な位置を占めるが、日本人の認識では、 アメリカとの戦争が悲惨だったこともあり、日中戦争の占める位置はそれ ほど重要ではない。
←これが日中戦争をめぐる認識ギャップの根源
150/日本人は、中国人が日中戦争で受けた被害の深さを理解するよう努め、 中国人は、日本人の
第二次世界大戦観が複雑なものだということを理解するように努めること
151/今日直面しているのは「歴史問題」ではなく、「歴史認識問題」、歴史 的事件をどう認識するかの問題。
153/当時、中国のリーダーは戦争を指揮した一部の軍国主義者と一般国民を 「区別」することで自国民を納得させ、賠償を放棄し、国交正常化にこぎ つけた。中国のリーダもリスクをしょっていた。
154/中国は自国の歴史に関して、多様な価値観を一切認めていない。
159/日中の歴史認識問題の解決には、日本人が戦前の歴史をどのように認識 するかと同時に、中国人がどのように戦後の日本を認識するかがかぎになる。
170/自由と民主主義を制度として担保しているのに、これほどデモや集会が おこらないのは日本。国民は満足していないのに、アクションをおこさな い国民性、自由への鈍感を指摘。
185/日本社会の規則は国民の間の「暗黙の了解」で成り立っている。
187/中国には「いじめ」という文化はない。★中国社会は嫉妬文化でなりた っていないから。
189/中国では「出る杭は打たれない」。常に前だけをみて、根回し、告げ口 なく、アグレッシブに走り続ける人間だけが評価される。攻撃最大の防御 が中国。
198/中国人は★段取りというプロセスを知らない。物事を事前に決めない。 どうせ決めてもすぐに変わる
201/今の中国にとっては、安定が特別に重要。 経済成長が安定をもたらし ていると国民は思っている。
205/米国の対中輸出は資本投資、しかし、日本は中国社会の安定が日本経済 の未来と中国の雇用問題に密接に関わっている。
277/日本では、ブログアクセスが1000回で多いが、中国では普通に10万から50万回という
322/中国には、年功序列とか終身雇用という文化はない。
弱肉強食の現場において求められるのは、周りの空気を蹴散らすスピード 感と批判や圧力に動じない気合がだった。 -
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自分にとって中国は唯一海外での駐在生活をしたことがある国で、そういう意味でも特別な国のひとつです。
不幸な出来事もあり、必ずしも満足できる日々ではありませんでしたが、あれから数年経って中国ビジネスから離れた今でも未だに自分を魅了し続け、気になって仕方ない存在です。
そんなわけで、中国関連の情報収集は訪問や書籍を通じて続けているのですが、現在中国で最も有名な日本人と言われる加藤嘉一氏による著作に勝るものはそうありません。
自分の広報経験から言っても、マスコミの報道は初めに結論ありきの裏付け取材が基本だと思いますし、物事のある一面は言い当てているかもしれないですが、それ以上ではない。
その点、加藤氏は共産党の要人から大学や企業の首脳、さらには学生から街角のおばちゃんまで幅広いネットワークを通じて情報収集や議論を行い、考察と発信を続けている方なので、視点の幅広さと奥深さが全く違うわけです。
そんな加藤氏が、高校卒業後に単身で北京大学に留学し、苦労を重ねながら現在の地位に至るまでの経験を通じて語る「日本人が中国とうまく付き合うための56のテーゼ」が面白くないはずがないですよね。
中国ビジネスに関わる方から、留学を考えている学生の方まで、ぜひ手にとっていただきたい一冊です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ博報堂で若者研究を専門に行っている原田氏と中国で日本人オピニオンリーダー的存在の加藤氏の対談本。
80後と90後での考え方・ファッション・人生観・ブランドに対する考え方の違いについては詳しく書かれています。
また、421構造(80後の前半の世代の多くが夫婦二人が一人の子供を育てながら、それぞれの両親の面倒を見ないといけない状況)や、2010年に起きた李剛事件(結局懲役6年)、入試における少数民族に対する優遇(加分)制度、映画「狙った恋の落とし方」に見られる海草族など、通訳の大切さ(できればハーフを採用すべき等)、中堅大学卒業者採用のメリット、薬を買うためのローンがあること、メンツを重んじ、割り勘をしない文化など、知らないこと、納得、同感できるところも多かった本です。
一方で、著者の現場主義の持論などが重複していてるところや、日本や世界に対する考え方も一面的な部分のみを捉えている箇所が少なからずある印象を持ちました。