いくえみ綾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「学外・学内問わずモテる美少女」という設定のカンナ(後から知った)。
カンナの、ぼーっとしたふわふわ女の子らしい雰囲気が好き。カンナ自身は特別に好きではないけど。
あと、「ちやほやしてくれる自分を取り巻く外の明るい世界。でも、それについていけなくてどこか冷めている(あるいは気付いていない・無自覚な)本人の暗くて深い静かな内面」の対比というか、心理描写がうまく描かれていて彼女に感情移入できる。他人の目にはおっとりとしていて優しい人柄に映っているかもしれないけど、実際はあまり優しくも愛情深くもないところとかね(だからといって、そこまで毒づいているわけでも根性が曲がっているわけでもない。この絶妙なキャラクター設定は素晴らしく、他に類を見ない)。
ただ、男性の登場人物は冷徹で冷酷でなんでかしらないけどとにかく無愛想なキャラクターが多い。作者の好みのタイプでしょうか?私は男キャラクターに魅力を感じないどころか、むしろ苦手。朝美も少し怖いし、その中だからこそ、より一層カンナのほんわかさが引き立っていたのもあると思う。
総じて、出てくるキャラクターはみんなところどころ毒を持っていて、人間のそういう残酷さって現実世界ではみんな隠して生活しているでしょ。でも、漫画とか映画はその部分を表現するので嫌でも触れてしまう。読んでいる中でたまに不快な気持ちにさせられる時もあるけど、でも現実の人間ってそんなものだよね、と納得せざるをえなかったり。良くも悪くも人間臭い描写が心に突き刺さる部分もあって、少女漫画だけれど綺麗な側面なかりじゃないです。むしろ、人間の持つ嫌な部分がはっきりと、そしてリアルに表現されているところも少なくない。
だけど、そのカンナも、男性みんながみんな彼女のことを好きというわけでもなく、カンナには興味がなかったり無愛想だったりする男も身近にいたりするところがとてもリアルで、この現実感が潔く柔くの醍醐味だと思った。
そのような意味で、成人向けの内容だと思う。
なのに、巻が進むにつれてどんどん非現実的な複雑な展開になっていったので途中で読む気が失せた。
また、連載なんだけど短編型ストーリーなので、どんどんと主人公が変わっていく。時間軸がバラバラで混乱してわけわからなくなってしまうので、全巻を一気に読まないと楽しめない漫画だった。
1~2巻(かな?)辺りの、カンナ視点のハルタ・朝美・あともう一人の男子4人を中心とした人間関係のストーリーが一番、面白くてロマンチックで切なくてとっつきやすい。 -
Posted by ブクログ
今年もいくえみ綾の刊行物がたくさん発行されました。このペースでこのクオリティ…どれも素晴らしかった。みなさま少女漫画はいくえみ綾から始めようね。
最新作のプリンシパルも三巻目です。
概要は「親の再婚により一つ屋根の下で暮らすことになるヒロインと男の子」というなんともわかりやすい「ママレードボーイ」形式なんだけど「ハイハイこうなるんでしょ?」と思っていると「そうはならない」。
「え!まさかそこが両想いなんですか…」これでは完全にヒロインが蚊帳の外になるけど、この後いったいどうなるんだろうね?続巻待つ…!
人も展開も捻れていて、予想もタイミングも裏切ってくる、少女漫画的なご都合主義な展開がない。だけどトキメク!だけど切ない!思わぬ地味なシーンで胸を打たれて涙する!
それが、いくえみ綾の漫画です。
ほんと「ちはやふる」とかどうでもいい。 -
Posted by ブクログ
児童向けバージョンですが、
大人でもすいすい読めました♪
林真理子さんもこういうお話を書かれるんですね。
時代を超えた女の子同士の友情が、
とても爽やかに描かれています。
主人公・理沙が肥満児で登校拒否していたり、
とある理由で100円ショップに行ったりと、
随所で今時らしい描写が。
それらが余計に、
雪子の生きている戦時中という悲惨で過酷な時代を際立たせます。
雪子との交流によって過去の戦争中の出来事を、
だんだんと身近に感じはじめる理沙に、
私も共感し泣きそうになりました。
子供、大人問わず、ぜひ読んでもらいたい作品です!
いくえみ綾さんのイラストもステキです。