西田幾多郎のレビュー一覧

  • 善の研究
    状態の良い古本で探しているうちに後回しになってきた岩波文庫-青の一冊。
    いやこれはもっと早く読むべきだった!新品で買ってもよかったくらい。
    読みやすい、おもしろい。読んでいて頭と心が喜んでいるのがわかる。
    一つひとつの章が長くないので休憩時間にキリ良く読み切れる。
    難解なのではないかと敬遠している方...続きを読む
  • 善の研究
    約2ヶ月掛けて本編を読み終えた。
    途中で挫折しかけつつも、読むとハッとしたり力が湧いてきたりと、なんだか旅をしているような読書だなと思いながら来た。体験の連続のようだった。

    "純粋経験"の第1編は、難解ではあったけど予習の甲斐もあってスラスラっと。
    (講談社現代新書100や100分de名著テキスト...続きを読む
  • 善の研究
    何度も読みたい本。
    意志も感覚も同じ純粋経験の枠組みの中に位置しており、全てはその程度の問題という考え方。

    そしてその根本には個人それぞれが持つ性分があり、善とはその能力を最大化することであると。

    そこを見つめ続けることが人生を生きるということなんだと思う。難しいが。いつか心からこのことがわかる...続きを読む
  • 善の研究
    難しい。読破したとは思えない。
    それでも、自分の世界観をガラリと変えた一冊。

    特に、「善」「悪」をという言葉を捉え直す彼の考え方は、今の思考に大変マッチしました。

    善を人間の本来の性質と定義するところから、悪とはなにかを改めて知ることができます。

    ルールを破ること、誰かに不正を働くことではなく...続きを読む
  • 善の研究
    明治44年に出版された本。日本人に哲学はできないと言われていた時代に著された本格的で体系的な哲学書。理解が容易な訳ではないが、実在、倫理、意志などを一つ一つ解きほぐす論理展開が明快で読みやすい。『善の研究』よりも相応しいタイトルはあったのではとも思うのだけど、このタイトルだったからこそ広く、長く読ま...続きを読む
  • 善の研究
    我々は何を為すべきか、いずこに安心すべきかの問題を論ずる前に、まず天地人生の真相はいかなるものであるか、真の実在とはいかなるものであるかを明らかにせねばならぬ。

    今もし真の実在を理解し、天地人生の真面目を知ろうと思うたならば、疑いうるだけ疑って、全ての人工的仮定を去り、疑うにももはや疑いようのない...続きを読む
  • 善の研究
    "いわゆる心というのは単に内なるものではなく、いわば内の内なるものであり、同様に物というのは単に外なるものではなく、いわば内の外なるものである。すなわち、物は心の外に超越したものではなく、心の内に超越したものである。"
    内の内なるもの、内の外なるもの(内に超越したもの)とある。
    心で普通に捉えるもの...続きを読む
  • 善の研究
    この人の本は大学にいるうちに読んでおきたかった。キーワードは「主客合一」。この観点から、認識論、実在論、倫理(善とは何か)、そして神について語っていく。もっとも、あまり初心者向けではない。 内容の解説は他の人にお任せするとして、個人的に気に入ったのは、論理の流れが非常に把握しやすいところ。各章がA→...続きを読む
  • 善の研究
    難しい本という先入観があったが、読んでみると「純粋経験」の概念と既存の認識論・道徳論・宗教論を丁寧につきあわせながら説明がなされており、けっこうわかりやすい。西洋・東洋の思想史のおおまかな流れをつかんでいれば、おもしろく読めると思う。基本はヘーゲルの思想に近い気がするが、ヘーゲルが主体としての「絶対...続きを読む
  • 善の研究
    知識・研究として読むのではなく、自分のなかの善とは何かということを、己に照らし合わせながら読むと楽しい。
  • 善の研究
    さすがの密度。読み慣れないので骨が折れるが、一章一章で他の本なら一冊分くらいの内容がある。日本最初の哲学書が分別の還元なのも面白い。
  • 善の研究
    初読のときはまったくわかんなかった。思うところがあって、また引っ張り出してきて、後半部のみを再読したんだけど、すっごくクリアに頭に入ってきた。目的をもった読書だったからかな?それともちょっと賢くなったからかな?カッコワライ!
  • 善の研究
    哲学における根本問題を純粋経験によって解決しようという、西洋思想に囚われぬ初にして至高の日本哲学書「善の研究」を、注釈とわかりやすい解説を添えてわかりやすく噛み砕いた一冊。原著を買って、章の一つの節を読むのに数時間唸りながら読んでいた最中に発売されて…もう少し待てばよかった。。。注釈は言わずもがな、...続きを読む
  • 善の研究
    主観と客観は同じであるという主客合一の考え方、なかなか難解である
    ただ、個人性の実現、個と全体がつながる利他や社会性の倫理観や二元論を嫌う考え方は、この対立が増す現代にこそ学ぶべき示唆があるように思えた
  • 善の研究
    本著は西田幾多郎によって著された哲学書である。そして日本人によって著された最初の独創的な哲学体系だとされる。

    その思想は純粋経験の立場をとり、これによって知識、道徳、宗教といった一切を基礎付けようと試みる。つまりあらゆる思想を排除した単なる経験の状態のみでこれらを徹底的に説明しようとする。
    さらに...続きを読む
  • 善の研究
    人が対象を「~である」と認識したとき、それはもう純粋な経験とはいえない。純粋な経験とは「~である」という判断以前の意識状態をいう。色を見たり、音を聞いたりするとき、その色や音が何であるか判断する前の意識。▼主体と客体は分かれていない。音楽を聴いているとき、自分と音楽が一つに溶け合っているような感覚。...続きを読む
  • 善の研究
    読んでるうちに、この書のタイトルが善の研究であることに僕も疑問が湧いた。純粋経験や統一作用という言葉の比重が明らかに大きく、感覚的にはそこを根拠にした実在論の展開をしている様に思えてならなかったからである。西田幾多郎は生きている存在としての人間に焦点を当てたかったのだろうか。ただ、第3編の善について...続きを読む
  • 善の研究
    真の実在を把握するには疑いうるものを全て疑う必要がある。デカルトの方法的懐疑。

    しかし帰結は我思うゆえに我ありでなく

    意識は必ず誰かの意識でなければならぬというのは単に意識には必ず統一がなければならぬの意にすぎない。もしこれ以上に所有者がなければならぬとの考えならばそは明らかに独断。

    意識に先...続きを読む
  • 善の研究
    西洋人の形成力は、理論一つにしても、まるでそれぞれのものに実体があるかのような精巧さがある一方、多面性に欠ける。一面的な効用を主張するあまり、本質の性質に欠落が生じる。やがて見落としてきたものたちが問題となって噴出する。

    我々は意思に従うよりも原理・法則に則る方がより大きな自由を得られる。

    この...続きを読む
  • 善の研究
    金沢に越してきたので読んでみた。純粋経験の概念は興味深い。門外漢としては非常に新鮮だった。最終章の愛と知についての話もわりと好きだった。