竹内健のレビュー一覧
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僕は理系と文系の中間の勉強をしているが、この本はエンジニアで、MBAもとっている人が書いていてとても興味深かった。エンジニアが企業の研究者として地道に研究することや、学会で発表するなど、仕事の一端を知れてよかった。大学と企業でも研究内容や仕事の仕方に違いが意外とあるんだなと思った。
これからの世界では、一つの専門分野で生きてくことは難しくて、常に勉強して高めていく必要があることや、柔軟にしなやかに対応する力が必要だと改めてわかった。厳しい環境で若いうちは働くことも大切と言っていたので、そういう視点でも就活したいなと思った。コンサルティングをする人はアメリカでは理系の学部卒も多くて、それも戦略的 -
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【感想兼備忘録】
大手メーカーに勤めるエンジニアの身として、これからの電機業界(というか職種)を考えたときに、このままでいいのかと焦燥に駆られる中で手に取った1冊。
内容としては、著者の東芝、MBA、大学教授の経験をもとに如何に業界の変化に対応するか、そうすることが大事かの考え方が書かれている。
特に、日本の大手企業に多いボトムアップは事業範囲が多岐に渡る場合、俯瞰して事業全体を見渡せる経営者の視点が欠けていることがままあり、各部門をある程度は束ねて会社全体を最適化出来るリーダーシップが必要だ、という点に納得した。
私も自分の専門だけに閉じこもるのではなく、この技術が何に使われるのか、どう -
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フラッシュメモリ開発に携わった元エンジニアが、理系も文系力を身に着けなければいけないと警笛を鳴らす。同様の話を聞くのは初めてではないものの、自身の経験からくる話は、エンジニアとしてのキャリアについて、いっそうの危機感をもつのに十分な生々しさを持っていた。この一点だけでも読む価値はある。
専門性が高いエンジニアという職業は、応用が利かないため転職が難しい。まさに、自分も感じているところであり、終身雇用神話が崩れてきている昨今において、無視できない事実である。読んでいてはっとしたのは、会社側は専門性を高めることを期待しているということである。いいように使われるのではなく、自分のキャリアを見据えて仕 -
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東芝でフラッシュメモリの開発に携わり、今は東大でフラッシュメモリ、次世代メモリの研究に従事する著者による説得力十分の一冊。
いちばん印象的なのは、著者のバランス感覚。技術者でMBAを取得し、今はMOT(Management of Technology)に取り組むことからは技術と経営のバランスが、東芝から東大に転進した経歴からは産学のバランスが、それぞれ感じられる。このバランス感覚から出される提言は、経営者や技術者にはもちろん、そのどちらでもないワタシのようなビジネスパーソンにもビンビン響く。
それから、もうひとつ。著者と同様、かつて電機メーカに身を置いた者としては、日本の電機メーカにはぜひとも -
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東芝でフラッシュメモリの開発に携わり、その後大学に転じた竹内健さんの著作。元の所属である東芝の現在の状況を見ると、『10年後、生き残る理系の条件』というタイトルは重くなる。竹内さん自身辞めるときに東芝の凋落を予想していたわけではない。激しい変化を予想できないということを前提にして、リスクを分散しなくてはならないと説く。つまりは、「生き残る」ためには、所属する組織ではなく、個人で生き残るだけの力と決断力を身に付けるべきだということだ。またそれに加えて、変化することを恐れるべきではないと。変化をチャンスと捉える心構えこそが大事なのではないだろうか。
著者とほぼ同年代の理系なので、冒頭に紹介される -
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エンジニアは専門性が高く、社内で頑張れば頑張るほど会社に過剰適応してしまう。社内価値を高める事と労働市場での人材価値を高めるのは全くベクトルが違う。じゃあどうすれば良いかという本。
※エンジニアは会社の中で頑張れば頑張るほど世の中が見えなくなる。
→客観的視点を持つ(自分の強みを抽象化する)
→履歴書を書く、人材派遣に登録する
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※理系力×文系力
→SNSで情報発信する
→マネタライズ視点、経営視点を持つ
※英語が出来るようになる事
→英語ができないと日本の労働市場にロックされてしまう。
著者特有の視点
※コミュニケーション能力アップ、課題解決能力アップの罠
→基礎教育なしで問題は解決出 -
Posted by ブクログ
東大教授による自らの経歴に基づいた仕事に対する考え方を述べた本。著者は、東大卒業後、バブル絶頂期に東芝に入社し半導体、特にフラッシュメモリーの開発に携わり世界の最前線を走った後、スタンフォードでMBA取得、東芝でプロジェクトリーダーを務めて退社、東大准教授として活躍中という、特異な経歴を持つ。スタンフォードMBAをベースに、大企業と東大研究室の特徴を習熟した知識は卓越しており、日本のビジネス界全体をよく見渡せている人だと思う。著者の述べる問題点と解決策は興味深く、非常に説得力がある。興味深い記述を記す。
「原則となる理論を理解すればするほど、頭は常識で塗り固められ、飛躍した発想が生まれにくく -
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ネタバレ転職を何回も勧められちゃった。
・変わることこそ自分の強み
・エルピーダとは逆に国が中途半端に支援を続けたばかりに組織改革が進まず、大量の人員削減や工場閉鎖が続いてジリ貧になった会社が多い
⇒会社の凋落と共に個人の価値が下がる前に飛び出す勇気を持つ!(ドキっ!)
・現場のエンジニアが行っている技術判断がビジネスでも大きな戦略分岐点になること有
⇒フラッシュメモリは完璧を目指すのでは無く、壊れることを前提にしたシステム。
壊れることを前提にして、誤り訂正符号を持たせたことで安価で大容量を実現することができビジネスで大成功を収めた。
⇒エンジニアもマネタイズの視点を持ち、ソフトとハードの両輪 -
Posted by ブクログ
東大から東芝に進み、MBA留学そして東大の研究室へ。走りながら考え、時には考えずに跳んだ竹内氏の話は技術の話じゃなくてマネジメントの話だなと思ってたら一番最後の締めでMOT(技術経営)に力を入れていると出て来て納得でした。
竹内氏が東芝に入社を決めるのに大きな影響があったのは会社見学で会った当時研究所長でフラッシュメモリを開発した舛岡氏、「次はいよいよフラッシュメモリ」「オレがそれをやる」。この勢いに惹かれて入社を決めた所当時フラッシュメモリの開発は社内のお荷物で事業撤退一歩手前。最初の半年は不良品や競合品の写真を撮り続けるのみでようやく半導体の設計の仕事についても先輩二人と3人だけのセクシ