松下祥子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ミセス・マギリカディは、ロンドン発の列車の窓から、並走する列車の客席で男が女を絞殺する現場を目撃する。
友人のミス・マープルに相談し警察に相談するも、翌日になっても死体すら見つからない。
そこでミス・マープルは、有能で知られる家政婦のルーシーを雇い、件の列車の沿線にある邸宅に潜入させ、死体を捜索する。
ほんの僅かの間並走する列車の中で行われた殺人、見つからない死体、沿線の邸宅に目をつけるミス・マープルの推理力、マープルの手足となって活躍する自立した女性ルーシー、被害者の足跡を辿るためフランスに乗り込むスコットランドヤードのクラドック、そして個性豊かなクラッケンソープの一族。
「老いを感じる」と -
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレミセス・マギリカディは列車の中から、並んで走る別の列車の中で起こっている殺人事件を目撃するが、鉄道当局も警察も本気にしてくれず、列車内でも線路のまわりでも遺体が発見されない。マギリカディをよく知るミス・マープルだけが話を信じ、遺体があるかもしれない場所を推測し、土地の所有者のところへ優秀なフリーランスの家政婦ルーシー・アイルズバロウを送りこむ。
このルーシーが頭もきれて手際が良く、料理も上手で、どこの家でもずっといてほしいと思われるような人物。そして家に溶け込み、その家に住む人や家族のことなどをよく観察する。
列車のシーンは最初の目撃の場面だけで、ほぼルーシーの働くクラッケンソープ家での話 -
-
Posted by ブクログ
この本の前に読んだクリスティのミステリが、事件発生まで大分時間があったのに対して、今回は初っぱなで事件が起きているので『おーっ』とか思った。
トリックが解き明かされるのは割と淡々としている印象で、人間関係をそれなりにねちこく展開している感じでした。犯人はコイツかなーと思ったら、案の定ちがっていて私は本当に探偵に向かないとか思ってしまうし、作家にとっては良い読者だよね。などと思った。
ミスマープルのシリーズは意外と読んでなくて、この本を読んでも半分いってない。ミス・マープルは、若い頃に読んだ時は『実際いたらやなばーさんだろうな』と思っていた。今もそう思っているけれど、なんだか憎めないというか、こ -
-
-
-
Posted by ブクログ
犯人が他者に知られてはいけない事は数あれど、殺人の瞬間なんて目撃された日にはその時点でミステリはお終いとなる筈
けど、犯人は目撃されたと知らないし、目撃者の言葉を信じる者はかのミス・マープルだけ
本作はそのような導入を持つ作品だね
そもそも列車に乗っていたら別の列車で行われた殺人の瞬間を目撃してしまうなんてかなりドラマティック
これで被害者の死体がすぐに発見されれば、非日常に一歩だけ迷い込んでしまった身震いする逸話で終わるのだろうけど、生憎と死体は発見されず
だから目撃者のミセス・マギリカディは義憤に駆られるし、マープルも死体探しに本気になる
ただ、マープルは行動力が有るわけではないから実 -
Posted by ブクログ
あ、鉄道そんなに絡まないんだ。
パディントン発4時50分の列車に乗ったら
並走する車両で女性が絞殺されるのを見ちゃった!
という知人のために
マープルさんが安楽椅子探偵する話。
車内には死体がなかったことから
カーブを曲がる地点で遺棄した可能性に思い当たり
そこの土地にある屋敷へ
家事代行のルーシーを潜り込ませる。
おお〜、なんかどっちも
現代の推理小説でも使ってそうなネタだ。
このルーシーがまたかっこいい。
スーパー家政婦です。
屋敷に遊びに来ていた殺人事件に興味津々の
少年たちとのやりとりがナイス。
怪しいと思った人物が
順に殺されてしまう王道?展開で
最後までルーシーが毒牙にかかんな -