松下祥子のレビュー一覧
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ネタバレミス・マープルシリーズ。
しかし今回の主役は、なんと言ってもスーパー家政婦ルーシー・アイルズバロウ。彼女の完璧なまでの仕事っぷりには感心するばかり。頭脳明晰、料理の腕、きめ細やかな洞察力、気の配り方、人当たりの良さ、そしてミス・マープルに引けを取らない好奇心。全てにおいて魅力的で、新たにルーシー・シリーズも創作してほしいと思った。
ロンドン発の列車の窓から偶然目撃した殺人事件。男が女を絞め殺す、まさにその瞬間を目撃した老婆ミセス・マギリカディは慌てて友人ミス・マープルの元に駆け込むことから物語は始まった。
けれど悲しいかなミス・マープルは体調が思わしくなく、スーパー家政婦ルーシーに事件の捜査を委ねる、というもの。けれど現場での捜査は委ねても、ミス・マープルの推理は全く衰えていない。いかに体力が衰えようとも不可解な事件に対する好奇心はなくなりはしないのだ。
「真の淑女たるものは衝撃を受けたり驚いたりしない」母や祖母から叩き込まれた教訓通り、常に冷静で何事にも動じず、必要とあらば平然と嘘もつく。
「老婦人を決してあなどるな。老婦人というのはしばしば、こうだったかもしれないこと、こうだったに違いないこと、それに実際こうだったということまで教えてくれるものだ」
今回も様々な経験から事件の真相を暴いたミス・マープル。今回も真犯人を当てられなかった私はまだまだ経験値が足りないらしい。 -
Posted by ブクログ
ミセス・マギリカディは、ロンドン発の列車の窓から、並走する列車の客席で男が女を絞殺する現場を目撃する。
友人のミス・マープルに相談し警察に相談するも、翌日になっても死体すら見つからない。
そこでミス・マープルは、有能で知られる家政婦のルーシーを雇い、件の列車の沿線にある邸宅に潜入させ、死体を捜索する。
ほんの僅かの間並走する列車の中で行われた殺人、見つからない死体、沿線の邸宅に目をつけるミス・マープルの推理力、マープルの手足となって活躍する自立した女性ルーシー、被害者の足跡を辿るためフランスに乗り込むスコットランドヤードのクラドック、そして個性豊かなクラッケンソープの一族。
「老いを感じる」と言いながらも、序盤からかなり能動的にミス・マープルが活躍する。死んだ女性の正体にも捻りがあって最後まで真相がわからないところも巧妙。 -
Posted by ブクログ
走る列車の中から、併走する列車の中で起きている殺人を目撃するという発端がとにかく魅力的で、目撃者が若くはない女性であるというあたりが、クリスティっぽい感じで嬉しくなる。誰からも信じてもらえない中、名探偵ミス・マープルだけが信じてくれる、というあたりも「きたきた」という感じでわくわくした。
個人的には少し残念だったが、一族を巡る殺人事件にするすると物語は収束していき、逆にいつもの殺人事件の捜査になっていく。マープルの登場も少なくなるし、登場する人たちの「顔と名前」がなかなか上手く一致しなくて少々辛かった。そういう中で、ある種の安楽椅子探偵であるマープルの手足となる「プロ家政婦」の活躍がすてきで、物語に花を添えていてくれた。彼女を追いかけていくのは楽しかった。
話がどんどん広がってき意外な展開もみられて、後半はとても盛り上がっていく。どのように収拾をつけるのだろうと思っていたら、それなりに意外でもあり納得もできる結末だった。マープルのいたずら心も楽しいし、登場人物の未来を想像されるラストも気持ちがよかった。
最初は楽しく、途中やや退屈で、後半からラストにかけて気持ちよく盛り上がる。悪くはないが、そんなに大傑作という気はしなかった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレミセス・マギリカディは列車の中から、並んで走る別の列車の中で起こっている殺人事件を目撃するが、鉄道当局も警察も本気にしてくれず、列車内でも線路のまわりでも遺体が発見されない。マギリカディをよく知るミス・マープルだけが話を信じ、遺体があるかもしれない場所を推測し、土地の所有者のところへ優秀なフリーランスの家政婦ルーシー・アイルズバロウを送りこむ。
このルーシーが頭もきれて手際が良く、料理も上手で、どこの家でもずっといてほしいと思われるような人物。そして家に溶け込み、その家に住む人や家族のことなどをよく観察する。
列車のシーンは最初の目撃の場面だけで、ほぼルーシーの働くクラッケンソープ家での話になる。ミス・マープルはこの家が事件に関わっていることを確信しているのだが、真相が明らかになるのは本当に最後の方。人間、欲が出過ぎるとどんなことだってするというのが悲しい。
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Posted by ブクログ
この本の前に読んだクリスティのミステリが、事件発生まで大分時間があったのに対して、今回は初っぱなで事件が起きているので『おーっ』とか思った。
トリックが解き明かされるのは割と淡々としている印象で、人間関係をそれなりにねちこく展開している感じでした。犯人はコイツかなーと思ったら、案の定ちがっていて私は本当に探偵に向かないとか思ってしまうし、作家にとっては良い読者だよね。などと思った。
ミスマープルのシリーズは意外と読んでなくて、この本を読んでも半分いってない。ミス・マープルは、若い頃に読んだ時は『実際いたらやなばーさんだろうな』と思っていた。今もそう思っているけれど、なんだか憎めないというか、こういうばーさんになれたら楽しいだろうなと感じている。少しずつ、他の作品も読んでみたい。