さかもと未明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
よくぞここまで赤裸々に語ってくれたものだ。壮絶の一言に尽きるドキュメントである。
発達障害という病気の全体像を知れるような本ではないが、その実状がどのようなものかをまざまざと見せつける、非常に意義深い一冊だった。表現が悪いが、テストケースとして見ることが出来るだろう。
その凄惨な人生にはただただ胸を痛めた。関わったすべての人を良く言う作者の心境には、本当に胸が痛む。そこにある自罰が透けて見えるのだ。
自身、見に覚えがあるというか、身につまされるところが少なくなくて、勉強になるところが少なくなかった。
そうした個人的な感想を除いても、良い一冊だった。新書らしい薄さはなく、濃密である。こうした論評はそぐわないだろうが、文句なしに星五つである。 -
Posted by ブクログ
あのコメンテーターのさかもと未明か~くらいのレベルで読み始めた本だったが、我々アラフォー独女は必見だと思う。
彼女ほど仕事に成功したわけではないけど、稼ぐことが成功と思って来た私も今、燃え尽き症候群。
女は男並みに稼ぐことが幸せではないと今更ながら教えてもらった感じ。
未明さん同様、私も女の旬を見誤った一人。
もっと早くこの本に出会いたかった。
でも一段落したからこそ、この本の言ってることが理解できるのかも。
今、出会えたからよかったのかな?
・若い時は年配の人とばかり遊び、同年代の男子が誘うディズニーランドなんて子供っぽくてチープに見えたけど、今は逆に行きたい。
・おんな業を極めると宿命的に結婚が縁遠くなる。夜の仕事や女を売りにした仕事の時給が高いのは、結婚したり子供を産むのに使う時間が消費されてる対価。取り戻すことができない時間だからこそ高い。
・主婦って自由がない。独身をやっかむ。やっかむなら結婚しなければいいのにね。
・現代の女の子は大変。男と肩を並べていい学校に入るように勉強をし、いい職業に就けるように身を粉にして就職活動。やっとの思いで仕事に慣れてきた頃に「結婚は?」と周りに言われる。
10代のころは「恋愛なんてまだ早い」「門限は10時」と携帯をチェックされたりと親たちが恋愛を妨害していたのに、30過ぎると「彼氏もいないのか」となじられる。ある年齢を過ぎると女子は方向性を変えるように求められ、混乱することになる。
・私に子供が生まれたらキャリアが止まってしまう。「一生懸命育てても不良になったらどうするの?」「教育費で生活苦になってまで育てる価値はあるの?」
・女子が就職するとき、「どこの業種でいくら稼げるか」「長く働けるか」などと考えるが、それ以上に大切な結婚や出産の兼ね合いがある。女性としてどう生きるかを見極めることの方が大切。でないと夢中で仕事をしているうちに結婚や出産のチャンスを逃してしまう。
・こんなにまじめに働いているのだから、当然自分ないずれ真面目な男性に選ばれて結婚をし、彼の協力を得て家庭と仕事を両立して・・・と思ってきました。「もっと成功して広い世界に出れば、私を理解してくれる人に出会えるかも」と頑張りましたが、キャリアアップのたびに縁遠くなる。
・「自由にさせてくれる男」なんていない。
・たぶん私の中に漫画家としてのキャリアを積みたい自分と、女性としての花道を行きたい両方の自分がいて、どちらも諦めることができなかった。
・実際、いつも孤独で自分の足場が定まらない気持ちでいた。居場所を求めてまた新しい職場に身を投じ、また混乱し、さらに孤独になるのでした。
・シングルベットに二人で眠り、二人の為にお互いが倹約をして、思いやり合戦のように優しくし合いました。
・家庭と仕事の両立は無理。子供という弱くてケアが必要な存在をどうやって育てていくのか。できるのは、一部の能力と協力者とお金、保証のしっかりした仕事、健康に恵まれている人だけ。大抵は無理して女性は夫に不満を持ち続ける。逆に家庭を優先する人は社会から必要とされなくなる。大抵の企業は男性でさえ、ボロボロになるまで働かねばならない。女性は人生の早い時期に自分が家庭か仕事かのどちらに足場を置いて生きるのかを選ばないといけないのだ。
・そこにあるのは解放ではなく、不自由さ。どんどん足枷がついてくる。
・「愛」さえ諦めれば、キャリアは順風漫帆。そのころは楽しかった。まだ若かったし、いつか本当の恋に出会えると思っていた。
・生き物としてのピークは男と女とは違う。男はしり上がりに徐々にピークを迎えるけど、女は若い時のみ。「女バブル」の時期は短い。
・人に理解されたかったらまずは服装から。キャリアで成功したければビシッとした隙のない服装をし、結婚したければ胸がはだけてない愛され服を着ること。どういう仕事をしたいか、どういう人と縁を作りたいかで選ぶべき服が違う。
・キャリアアップすれば出会いが増える。そしていつか私を愛してくれる、私よりも強くて稼げる男に出会えるとどこかでそう思っていた。
・テレビの1回の出演は10数万円。
・和服は魔除け
・「男は裏切るけど、キャリアは裏切らない」と男性を信じられず、自分を委ねられず生きてきたけど、病気になったら仕事も終わり。有名にならなくても、お金が無くても、支え合う仲間が居れば、生きていける。
・優しい気持ちに出会えたのは、キャリアや収入を失った本当に普通の生活からだった。
・キャリアは自分の能力を使って稼ぐことが出来、年を取ることもプラスにできる仕事を。
・愛だけが人生を作ってくれ、あとはおまけ。 -
ネタバレ 購入済み
発達障害者としてのさかもと未明
カードで買い物しまくっても、ぜんぜん全く羨ましくは感じない。
あぁ、この人はたまたまお金があったから借金ダルマにならなかっただけで、目先だけの贅沢な暮らしからは何も生まれないのだと感じるから。
それに私自身、軽度のADHDっぽくって、小島慶子さんにすごく親近感がある人間なんだけれども、小島さんやさかもとさんみたいに自力でお金を稼いで暮らしている発達障害の方を羨ましいなんて一片も思わない。ただただ、凄いなって思うだけ。発達の苦しみの中で自活の道を開けた人たちを尊敬する。
この本に対しては
発達障害者の実体験を描いたものとしては、少々古めで、知識的な面では今現在の認識などからは少しズレていると感じる。少し前までは世の中の認識はこんな感じだったんだなぁということは知れる。
よってこの本をチョイスする上で、軽く発達障害について知りたいと感じている人の、初めて見る本としてはオススメ度★2くらい。初めて読むならもう少し現状に近いものがいいかと。
より詳しく知りたい人には★3。
個々人の実体験を読みたい人には★4
さかもとさんのファンなどで、彼女のことをより知りたい人には★5
そんな感じです。 -
Posted by ブクログ
第1章 まさか自分が
第2章 そう、あなたは発達障害です
第3章 壊れていく家族
第4章 お母さんも発達障害だったかもしれない
第5章 抑うつ状態との闘い
第6章 発達障害は治せる
第7章 思春期の危機
第8章 薬物療法の新たな可能性
第9章 私の居場所はどこにある
第10章 発達障害でも幸福になれる社会
終章 ほんとうの家族を探して
おわりに
長年自分を取り巻く人間関係や心身の問題に悩んできたさかもと未明さんは、40歳近くなって初めて自分が発達障害を抱えていたことを知る。さかもとさんは、ADHDとアスペルガー障害を併せ持っていた。
本書では発達障害当事者であるさかもとさんのエピソードが奇数章に、医者の星野仁彦先生による解説が偶数章に、交互に章立てされている。まず事例を読み、そして次の章の解説で理解を深められるようになっている。ちなみに、星野先生自身もADHDという発達障害を持って生まれ、機能不全家庭で育った「当事者」である。
暴言や精神症状に関する生々しい表現が多いため、精神的に不安定な人が読むのはかなりしんどいかもしれない。良くも悪くも、様々な感情を掻き立てられる。
親子で発達障害を抱えてしまうと、普通の生活を送ることがいかに困難になるかがよくわかる。子供が発達障害で社会生活がうまくいかずに困っていても、親も発達障害を抱えているからその気持ちが理解できない。
それでも子供は「親はきっとわかってくれるだろう」と信じて疑わない。その一方で親は、子供の問題行動の原因がよくわからず、つい怒鳴ったりしてしまう。そんなすれ違いを幾度も繰り返して、やがて家族は崩壊していく。
さかもとさんの母親は「普通から外れてはならない」という恥じらいから、専門家にうまく助けを求めることができなかった。だから自分や子供が発達障害であることに気付かない。夫が酒を飲んで暴れているけれど、仕事はちゃんとしているから、依存症でないと考えてしまう。
きちんと精神科を受診し、専門的な治療を受ければ良くなっていたはずだ。にもかかわらず、「『精神科』に通うことを恥と思う感覚が、家族のさまざまな問題を取り返しのつかない状態にまで悪化させてしまった」(p272-273)のだ。
終章にて、さかもとさんは以下のように述べている。
「たまたま発達障害のデパートとも呼べる人生と家族だったから、それをみんなに伝えて、社会がよくなるための本をかけたらいい。お父さんとお母さんは嫌がるだろうけど、そういうことをだれかがしないと、同じような問題で悩む家族は減っていかない。」(p273-274)
本書によって、1つでも多くの家族が救われることを祈る。 -
Posted by ブクログ
漫画家、ライターとして著名なさかもと氏が、雑誌の企画で精神科医と対談受けたこをきっかけに診断を受け、自身が発達障害、アスペルガーに該当することを知る。星野医師とのやりとりを通じ、それまでの生きづらさの原因を知った著者は大きな救いを得る。
対談相手の星野医師は「発達障害は脳の機能障害である」との観点から薬物療法を有効とする立場をとっておられます。本書での語りによると、65年生まれのさかもと氏の場合は母親に精神科への抵抗があり、満足なカウンセリングも受けさせてもらえなかったそうですが、現代においては早期の治療でかなり改善が見込まれるのだとか。
さかもと氏の回想と星野医師の見立てが交互に語られるスタイル。機能不全家庭育ったさかもと氏、変わった子として周囲に敬遠された子ども時代の内面の動きが実に興味深いところです。星野医師が「脳の報酬系が弱かった」と見るところ。
◯そもそも、どうして「ゲーム」のような遊びをしなくてはならないのかがわからない。何か報酬があるわけでもないのに、なぜみんなが夢中になれるのか。みんなにとっては「遊び」自体が「楽しい」ことなのだと、私には理解できなかったのだ。私には「遊び」は時間の無為な浪費に思えた。母親の言葉で理解できたのは「体をつくるため」「みんなと仲良くするルールを学ぶため」というものだけ。
でも、私はスポーツ選手になりたいわけではないし、体がとくに丈夫である必要性を感じなかった。母親が言う「丈夫ならできるいろんなこと」、つまり旅行だとか、運動だとか、そういったことに興味がなかったし、友達をたくさんつくることが必要だとも思わなかった。 -
Posted by ブクログ
この人の家族はダメすぎて、仕事はまじめだけど酒乱の父、発達障害の母、弟も妹も、どこかおもしろくて笑ってしまう。
両親との関係がうまくいかずケンカばかりしてるんだけど、やっぱり本人も父親みたいに酒乱になったり、母親みたいに発達障害になっていて、遺伝というか、みんな同類なカンジがする。
それでも、未明という人は、一生懸命がんばって、漫画家になったり、論客になったり、歌手になったり、いろんなことにチャレンジして、おもしろい。
でも、やっぱりムリがきて、酒乱になったり、ウツになったり、膠原病になったりして、しんどそう。
父も母も、まじめだし、子供のために精神科医にもつれていってるのに、発達障害であることが発見されなかったというのは驚く。
星野は治療薬コンサータ(成分名メチルフェニデート)を大プッシュしてる。
コンサータは中枢神経系を活性化する。
副作用としては、不眠、食欲不振。チック症状、神経過敏、頭痛、ごくれまに痙攣。
双極性障害を誘発する可能性がある、とのこと。これは恐い。
精神科医は「アメリカでは」とか「欧米の臨床医の間では」とかが多いね。
「DSM-Ⅴによれば」とか。
この本読むまで、さかもと未明って知らなかったけど、こういう人がいて、病気なんだけどがんばってる姿をみると、励まされるよ。
気分が上向いてきた。 -
Posted by ブクログ
レディコミ作家で、派手な格好をして、テレビでコメンテーターをしていたキツめの感じの女性、さかもと未明さんを覚えている。正直、以前はあまり好きではなかった。本書は、そんな彼女が実は発達障害を抱え、アルコール依存症の父親、そしておそらくはアスペルガーで欝気味の母親という両親、いわゆる「機能不全家族」で育ち、大変に生き難い人生を歩んできたその回想と、現在の主治医である星野仁彦氏による所見という構成になっている。
歯に衣着せぬキツイ言葉はテレビでは面白がられても、本人の実生活では自他共に傷つける刃にしかならなかっただろう。それら生きていくのに不利な特性が彼女の障害によるものだと、理解していた人は本人も含めてほとんどいない(しかも最も無理解だったのが実の両親だ)。適切な治療と環境、社会に適応するための訓練、それをすれば彼女はもっと早く自分の人生を生きる事ができたのに、と、胸が痛くなる。本当に、本当に、大変だったと思う。
さかもと未明さんの生育環境は自分とも重なるところがあり、テレビで見るよりは身近な人に感じた。彼女は自分と同じような生き難さを抱えている人の為に、自分の家族のような負のスパイラルを少しでも減らしたいとの思いでこの本を書いたという。その気持ちを私もつないでいけたらと思う。