獸木野生のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
全3 既刊2 カーターの妹とジェームズの婚約話。
ジェームズの母親の回想。彼女は誰かに強姦され、全身麻痺のままジェームズを産んだ。
「こうなる前の人生のことを繰り返し考えるの。無意味に思っていた毎日のことを。もしかしたら幸せで素晴らしい日々だったかも知れないのに私はそれを感じなかった。いつも何かが違うように思っていたの。間違った場所に生まれてきたような。」
「何て愚かだったのかしら。もっと人生を味わい楽しめたかもしれないのにそうしなかった。どこかにもっとすばらしい世界があるとおもっていたのよ。自分が愛され、理解されるような。自分が不幸だと思っていたなんて何て馬鹿なのかしら。」
―――
「彼女が泣くのを見たのはそれが初めてだった」
と彼女を愛した画家は語る。
-
Posted by ブクログ
全12 環境問題。ちょっと冗長かな。恋愛問題。共鳴関係。アンディの自立。ジェームズの寿命も語られます。
一押しは環境問題に関わるソア(いつも元気なゲイですが、車椅子生活、半身不随。盲目です)が、現像室にこもって自分を抱きしめてなくところ。フリスという自分の固まっていないぐれた青年(彼もゲイ)が、現像室の扉を開けます。
「どうしたんだ、こんなに真暗にして」
ソアは自らを抱きしめるようにして泣いています。
「ソア……どうしたんだ?」
「なんでもない。何でもないんだ」
「何でもないわけないだろ――いったい何があったんだ?――ついさっきまで普通にしていたのに」
「…ほんとに何でもないんだ。ただ時々気分が悪くなるんだよ。少しそっとしといてくれ。すぐよくなるから。すぐみんなのところへ戻るから」
「――ほっとけねえよ」
「フリス誰もぼくのことは救えない。ぼくが何とかするから……本の少しの間だけひとりにしてくれ」
外に出たフリスは天を仰いでいいます。
「俺はこええよ。目が見えなかったら生きていけねえ。何も見えなくてどこにも好きには行けねえんだ。俺ならしんじまう」
-
Posted by ブクログ
全4
殺人鬼エティアス・サロニーの回想
「おまえはその中にあるものを見ることはできない。人はみな残忍な行い醜きもの―――己が弱さ己が罪から目をそらす。そうしたところで誰がその者を責めようか?生きるために仕方なくすることだ。おまえもまた万人と同じく目をそらし砕け散ることだろう。その扉を開かばおまえは生きて帰ることはできない。――二度と」
ジェームズは扉を開けた。
「指が三本しかない。始末しよう」
「この子は体が赤むけだ。どうせすぐに死んでしまう」
「この子らを外に出すな。われわれは清らかで正しくあらねばならない。このような奇怪なものは存在してはならない」
「早く殺して!この子を殺して!あんな気味の悪いものがわたしのお腹にいるなんて!」
「バラバラにして引きずり出そう」
エティアスの幻想
「目をそらせ 目をそらせ ブライアン。
この光景をまっすぐに見据えることのできる者はこの世にいない。どこにも――ただのひとりも」
ジェームズが直視すると、エティアスは赤ん坊になります。
「…どうして…」
「…どうしてお母さん…?」
「ぼくはまだ何も悪いことはしていない。だってまだ生まれてもいないんだ…」
ジェームズは赤ん坊のエティアスを抱きしめます。
「どうか殺さないで。ぼくは悪いことはしない。悪い気持ちも持たない。けっして。」
子どもの姿のエティアスが母親に呼びかけます。
「お母さんどうして? どうしてぼくを怖がるの? ぼくはみにくい? ぼくは悪い子?」
「お母さん好き。愛してる。愛してる。抱いて ぼくを抱いてお母さん」
「――坊や」
「お母さん好き…愛してる」
「――坊や」
母親は泣きながらエティアスを抱き寄せます。
「ごめんなさい坊や。ごめんなさい」
大人の姿のエティアスが蹲って泣いています。
…そしてこの巻のラストで今後の展開がすべて語られます。 -
Posted by ブクログ
パーム5 あるはずのない海?─THE SEA SHOULDN'T EXIST─ 伸たまき 新書館ウィングスコミックス ISBN
4403610951 500円(税込) 1986年2月25日初版
【ストーリー】
ビアトリス救出に向かうジェームス。オーガス家に集うそれぞれが危険に赴くジェームスを送り出す時に本心からの言葉を彼に送る・・・。刺客の話の結末までと、カーターの過去とジャネットの帰還までを描く。パームシリーズ内「あるはずのない海」は?をもって完結。
【感想】
カーターのジャネットへの気持ちには本当に心を動かされます。最高に映画チックな演出に読んでいて興奮が抑えきれません。間合い、会話のテンポ、いずれも他に類を見ないセンスです。 -
Posted by ブクログ
パーム26 愛でなく??─Not Love, But AFFECTION─(「愛でなく」完結巻) 獸木野生(旧・伸たまき) 新書館ウィングスコミックス ISBN4403616143
520円(税別)2000年12月10日初版
【ストーリー】
環境会議最終日。ケントを奪還したが、違う犬だと主張するジェームス。フォアウッドに判断が委ねられるが・・・。オワキング代表としてシドが壇上に上がる。色々なカップルがまとまっていく中シドとジェームスに別れの時が・・・・。王様からジェームスへの啓示が。オーガス家に犬がいっぱい増えました。巻末に本編終了後のおまけショートエピソード収録。
【感想】
おまけショートかなり好きです。作中ではアンジェラがケントに見せた愛情が良かったし、今まで以上にアンジェラが好きになりました。色々まとまっていく賑やかで楽しい巻でした。本シリーズ「愛でなく」はとても長くて驚きました。ローマ数字の数え方がパッと見分からず苦しみました(笑)最後の巻だけPN変わってるのも驚きました・・・・「来月の新刊リスト」に載ってた名前「獸木野生」を見て「はぁ?何これ?間違えるにもほどがある」と親切のつもりで「伸たまき」に訂正したけれど届いてΣ(゚Д゚;エーッ! です(以後、新しいPNで「午前の光」が刊行されています)。みんなが一回り成長した本編でした(特にアンディのキャラが変わった)。環境問題・人生・愛についても読む前と読んだあとでは意識の仕方が変わりました。あとジェームスについても・・・・初めてジェームスの恋愛が・・・。 -
Posted by ブクログ
パーム25 愛でなく??─Not Love, But AFFECTION─ 伸たまき 新書館ウィングスコミックス ISBN4403615759
530円(税別)2000年3月10日初版
【ストーリー】
巻頭に「お見合いクラブ診断表風キャラクター紹介」収録。生活力や子煩悩度などが分かります。
ジェームスが黒い男と戦う。ライオンに襲われるフォアウッド、カーター、ジェームス、ローズ。ジェームスは負傷したが、ライオンと男は還っていった。
【感想】
ケントを救うため必死で働きかけるアンジェラに泣けた。飼い主を庇って命を落とした犬を見つめるフォアウッドが印象的。 -
Posted by ブクログ
パーム24 愛でなく?─Not Love, But AFFECTION─ 伸たまき 新書館ウィングスコミックス ISBN4403615309
505円(税別)1999年2月10日初版
【ストーリー】
ジョゼから逃れるため躍起になるフロイドだがすっかり彼女に捕まってしまっている。ジェームスとシドの食事とその後の展開。ひとり暗闇に閉じ篭ってしまうソア。フリスは彼の姿に胸が苦しくなる・・・・。一皮向けたシドの大変身。ジョゼに己の内面を見られるフォアウッド。ぶちきれてカメラの前で取り返しのつかない愚かな発言をし世間から非難を集める。オーガス家に企みをもって訪れたフォアウッドはケントに噛まれ、ケントは保健所にやられてしまう・・・・。参加者入り口に黒い男が現れ消える。
【感想】
シドとジェームスのやり取りが良かったーー・・・。変貌したシドも(・∀・)コケティッシュ!!目が見えず、車椅子のソアが現像室に篭もるシーンは泣けました・・・・。その後のジェームスとフリスの会話がすごくいい。 -
Posted by ブクログ
パーム23 愛でなく?─Not Love, But AFFECTION─ 伸たまき 新書館ウィングスコミックス ISBN4403614914
505円(税別)1998年3月10日初版
【ストーリー】
巻頭に「恋のアストロジー」収録。各キャラの正統的星占いによる恋愛観を分析。
夜になりシャカ王到着。市警・FBI・CIAとカーター・ジェームスの凌ぎ合い。CIAを言い含めて会場警備の増強の運びへ。クワサラ問題が解決した。周りの歓喜をよそにジェームスは先を見越している・・・。アイリーンのケリーへの意思表示。ジョゼの予見による提案でジェームスとシドをレストランで食事させようと周りが後押しする。
【感想】
ジェームスの地下鉄での話がすごくいいです。胸を打ちました・・・。シドとジェームスの煮え切らなさには本当に気を揉んだ・・・。 -
Posted by ブクログ
パーム21 愛でなく?─Not Love, But AFFECTION─ 伸たまき 新書館ウィングスコミックス ISBN4403614213
520円(税込)1996年7月25日初版
【ストーリー】
環境問題への勉強を進める上で自分の専門分野に対してさえも認識の甘さをジェームスにより思い知らされたシド、アイリーン、カーター。ソアと引き合わされたフリス。会場の実務的な準備も着々と進められるが、アンディはヘビを目撃する。ライオンといいコブラといい何かの妨害工作なのか?会議の初日。シドが一石を投じたことで、ジェームスがメディアに追いかけられることに。自分を見つめなおしまた歩き出すためにアパートへ戻るシド。
【感想】
怒ったカーターの本気が素敵・・・。ジョゼとフロイドが案外ナイスカップルなのがいい感じ。ジェームスに突き放されるシドがなんとも切ない・・・・。最後の方のジョゼとカーターの二人の語らいが何だか心に染みます。 -
Posted by ブクログ
パーム20 愛でなく?─Not Love, But AFFECTION─ 伸たまき 新書館ウィングスコミックス ISBN4403613977
520円(税込)1995年10月5日初版
【ストーリー】
巻頭に「研究!恋のテクニック」収録。各キャラの決め台詞や好きシチュなどが分かります。
シド、アイリーン、カーターは環境問題について勉強を進める。アンディがオクヨルンを誘った初デートは何故かダブルデートに。デートはいい雰囲気に終わったのだが・・・・。ビアトリスとフロイドの最後のディナー。夫ハーディがオーガス家に乗り込む。人前では苦しんでいることを表に出さずひとり自暴自棄になっていたフリスを救出に向かうジェームス。
【感想】
ビアトリスとフロイドの悲恋が悲しかった。ハーディ可愛い・・・・。アンディ達のデートすごく感じ良かったんだけどな・・・・。アンディはまだまだ我がままなお子様です。ジェームスとカーターをあの晩送ったタクの運ちゃんキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!!! -
Posted by ブクログ
パーム19 愛でなく?─Not Love, But AFFECTION─ 伸たまき 新書館ウィングスコミックス ISBN4403613829
520円(税込)1995年3月20日初版
【ストーリー】
巻頭に「ザ・コネクション」収録。キャラ同士の相性などが語られてます。
黒いライオンに不吉な啓示を受けたププ博士はオワキンクに戻ってしまった。シドは果たして代役を引き受けるのか・・・・。温室で暮らし始めたジェームスとジョゼ。シドもオーガス家に住むことになったが・・・・。環境問題について自主的に学び始めたカーターとシド。
【感想】
ビアトリスがよそよそしい態度を取るカーターを責めるシーンが人間的で良かった。人前で性に関するある種の単語を口に出せないで苦しむカーターが可愛い。 -
Posted by ブクログ
パーム17 愛でなく?─Not Love, But AFFECTION─ 伸たまき 新書館ウィングスコミックス ISBN4403613349
520円(税込)1993年12月10日初版
【ストーリー】
巻頭にキャラクター別恋愛診断付き(作中の爆弾発言付き)。フロイドとビアトリスの燃える想いを描く。アンディのモヤモヤ最高潮。ジェームスを冷たく突き放すが・・・。カーターとジェームスのあの夜の真相が大体明らかに。ジェームスとシンクロするミステリアスな女性ジョゼが登場。話のラストで暴走したアンディはフリスに飛んでもないお願いをするが・・・。
【感想】
ジェームスが倒れてからの後半の回想などのイメージシーンに泣けた。昔は大して感慨もなく一読していたけれど、今になって読むと胸を打つ表現が多い。昔はひたすらジェームスとカーターの距離が近付けとばかり祈っていたのでジョゼやシドの存在は微妙だったけれど、今から思うといい話だ・・・。 -
Posted by ブクログ
パーム16 愛でなく?─Not Love, But AFFECTION─ 伸たまき 新書館ウィングスコミックス ISBN4403613039
490円(税込)1993年3月25日初版
【ストーリー】
自分の夢のためロスを離れる決意をしジェームスを諦めきっているシド。父は娘の態度に業を煮やし、彼女に彼のもとを訪ねさせる為、オーガス家にしばらく滞在することに。
一方、「一晩で他人の家庭を壊せる男って最高だと思わない?」と目を輝かせてビアトリスが語る。またぞろいつもの病気かと思いきや彼女もお相手もどちらも本気。
オクヨルンもププ博士とともにオーガス家に身を寄せることに。同じ家の者とは知らずジェームスにもアンディにも好意を寄せていた彼女は二人の関係を見たままに解釈し衝撃を受ける。ビアトリスはフロイドに再会するが・・・・。巻頭に誕生日で計算する前世と現世のパーソナリティーをキャラに照らして解説する「ライフ・ナンバーを探せ!!」オマケ収録。
【感想】
恋愛騒動が賑やかな本編。個人的にはカーターとジェームスの危険度が増してきて嬉しかった巻(笑)ジェームスとアンディは自然体過ぎて特に萌えないんですがジェームスのカーターへのセクハラはかなりツボですね(・∀・)モエッ
オマケは私はジェームスタイプでした( ´_ゝ`) -
Posted by ブクログ
パーム14 オールスター★プロジェクト? 伸たまき 新書館ウィングスコミックス ISBN4403612636
500円(税込)1991年9月10日初版
【ストーリー】
死神そのものだったサロニーの影にいまなお脅かされ日増しにプレッシャーが大きくなっていくサーリング。彼の心の安寧はジェームスらサロニーを知る者を消し去ることでしか得られないのだ。ジェームスは拘留され、カーター達は隠密裏にマティックを速やかに逃亡させる手助けをしながらジェームスを取り戻すことも考えたい。逃亡したジェームス並びにジェームスを追い詰めるための証人であるマティックを再び捕らえようと追いついたCIA陣営。鍵を握るのはフロイド警部の腹一つ。
最後にこの物語の登場人物の辿る人生の道行きが語られるが、今はまだその中間である。
コン・ゲームとCIAのサーリングの陰謀とフロイド警部の立場を決めた『オールスター★プロジェクト』完結。
【感想】
ジェームスが熱に浮かされている時に見た夢がこわい。そして強い。悲しくて綺麗で残酷で優しい。鮮明な印象が残るシーンだった。幼いサロニーには泣けた・・・・。ジェームスの歩いてきた人生ゆえに追ってくる者達との対決を描いた本編とその導入部にあたる前作の『星の歴史』は、シリーズに欠かせないエピソードだったと思う。一般の漫画が持つ「こうならなきゃ。こうなって欲しい。こういう見通しだ。こうなったら終わりだ。」というイメージがこの作品に限って全然該当しないのは、「漫画としてのストーリー」と同時に「人間同士のつながり」を深く広く独創的に魅せる作品だからだろうか。この先も彼らの人生があるがままに見られたらファンとしてそれに勝る幸せはない。