小林快次のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前巻で取り上げられなかった、南半球のゴンドワナ大陸の恐竜たちを中心に掲載されています。最新の発掘・発見を元に再現された素晴らしいCG画像の数々が目に楽しいです。
本書後半で追求されるのは、「恐竜は隕石衝突で絶滅していなかった」という衝撃のテーマ。これは仮説ではなく実際に証拠も発見されていて、隕石衝突後に死滅したはずの植物の種が、衝突の500万年後の地層から発見されているーこれはつまり、隕石衝突後にも草食恐竜が食べられる植物が生き残って地表に生えていたということ。そして、食べ物があったということは、生き残った恐竜の生存率も高まる訳です。
さらに、隕石衝突が原因とされる(超高温で熱せられた石英が溶けている)問題の地層からさらに5〜20万年も後の地層から、死に絶えているはずの巨大恐竜の化石が出土。
また、隕石の衝突によって1500度(原爆の爆心地だと約3000度になるので、その半分ほどの熱量)で焼き尽くされたはずの地表も、実験の結果ムラがあったそうで、今の南極大陸やアルゼンチンの南端辺りは比較的無事だったという結果が出ているらしいです。
それらの結果を元に作られたCG映像の解説では、カピバラのような哺乳類と恐竜が一緒に共存している様子が描かれていて、ますます好奇心を掻き立てられます。
最近多くの大発見によって、どんどん書き換えられていく恐竜の世界。最新情報を知るのに最適の一冊でした。やはりこれも、NHKスペシャルの映像の方も是非見てみたくなります。今後の恐竜研究の展開に目が離せません! -
Posted by ブクログ
羽毛恐竜たちのCG再現画像のクオリティが素晴らしすぎて、ぼんやりと眺めているだけで楽しめました。
今や鳥類は恐竜の子孫であったということが確定した訳ですが、カラフルな羽根で身を飾り立てて求愛ダンスを舞い踊る恐竜たちの姿は、昔のトカゲチックで恐ろしげな恐竜の姿とは似ても似つかないイメージ転換で(もちろん羽毛のないイカつい恐竜もいた訳ですが)、とにかくフワフワモフモフしていて愛らしく、触り心地が良さそう。
エミューやドードー系列の巨大鳥の仲間のようにも見える、クチバシがあってカモノハシとラクダと恐竜の複合獣のような姿のデイノケイルスや、どう見てもファイナルファンタジーに出てくるチョコボにしか見えない恐竜アビミムス(チョコボは羽毛恐竜の先取りだったのかと感心)。
北極圏の過酷な環境で、羽根で卵を温め子育てをする父恐竜トロオドンの健気さ。水性恐竜の中でもお腹の中で子供を育てるモササウルスや首長竜も驚きですが、よくペットショップで見かけるマツカサトカゲも胎生だったことをここで初めて知りました。
これは是非とも、本編のNHKスペシャルの番組の方も見てみたくなります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまずインスタの読書記録から発見し、平成という時代に恐竜研究者として仕事できてる人がいた事に驚いて読みたくなり手に取った『ぼくは恐竜探検家!』。
こうして読んだ中で以下8点で楽しめました。
❶化石
⑴過去に「この場所には価値ある化石が見つからなかった」と判断された場所で思わぬ収穫があるというのはよくある話とのこと!『スー 史上最大のティラノサウルス発掘』(ピーター・ラーソン)でも書いてあった事を思い返し、どこにお宝眠ってるかわからないもんなんだな、といい意味でため息。
⑵レア化石の存在
新種はもちろん、噛み痕が残ったヤツはレア。
⑶北海道むかわ町が恐竜の町
化石スポットは福井県しか知らなかったのでビックリ。
⑷化石発掘のやり方
別の本で「化石が見つかっても、息を吹きかけただけで露出させるのはとうてい無理。ダイナマイトとか使うことがある」と言ってて、
かたや本書で「化石は一見頑丈に見えるけど実はメチャクチャもろいから慎重に取り出す必要あり」と言っている。
地面のかたさの問題なのか、その時のやり方なのかちゃんと読む必要がありそうだ。
❷目標を立てる事
「目標が曖昧だと無駄な行動になる。定まれば向かう方向が決まる」という事を読んだ時「ドキッッ」ってなった。
❸英語学習
まさかこの本で出てくると思ってなかったからビックリした。
英語を話せるようになるために必要なのは「単語」、「読み」、「会話」をマスターする事との事。
❹シンプルに伝える事
あーだーこーだといろんな物事を追加するとわかりづらくなるだちゅー事ね…。「むだに口数が増えれば、伝わりにくくなるのはあたりまえ。」ドキッッ。
❺勘
著者の行動に対して他の研究者は「なぜわざわざそんな事をするんだ?」と不思議にしたそうですが、「これはもう勘というしかない」の考えで動いて後に「ファルコンズ・アイ(ハヤブサの目)」と呼ばれる恐竜学者に。「すごい」の一言しか出ない。
❻クマ回避対策
登山をするために学んだ事がこの本にも書いてあってなんか嬉しかった。
ちなみに遭遇してしまった際の方法としては「背中を向けるな」「目を合わせるな」「少しずつ後ずさりして距離を取れ」。
「ゴォワ〜!!!」と大声威嚇はファブル佐藤ならではの技なのね……。
そして、キャンプ時対策では「食料を置く場所、調理する場所、寝床となるテント」をそれぞれ100m間隔で三角形のかたちに設置。食料を置く場所を風下にして距離をとっておけば、クマがそこへ近寄ってきても、その間に逃げられる」との事!トライアングル!
❼サングラス
陽射し対策のみならず、ハエによる卵飛ばしにも効果ありとの事。彼らは目に飛ばしてくるそうで、「目のなかからウジがわくのはおぞましい地獄絵図」という文章を読んだ時は寒気がした。
❽生物大量絶滅
最も速く生物が絶滅しているのは、なんと現代で犯人は"人間"。その理由は「環境破壊」と「温暖化」によるもの。フクザツ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
児童向けに書かれた本ですが、
非常に勉強になりました!
-
Posted by ブクログ
2022/07/08
恐竜の化石発掘に携わる教授が、世界中を飛び回って恐竜の化石を発掘するまでの発掘エピソードをまとめたお話。
確かに恐竜の化石の発掘とかって色々なところで見つかりはするけど、どうやって発掘とか調査とか進めていたのかなと気になっていたものが一気に分かるような内容となっています。
カナダや日本、ゴビ砂漠など色々なところに発掘しに行っている著者ですが、発掘調査はただ掘ればいい、ただ見つければいいというわけでは無いという発掘調査の複雑さがこの本を読むことで少し分かるような気がします。
発掘するにしても、どうやって発掘を進めていくのか、発掘しきれなかったときはどうするのかなど素人が大体抱いているであろう発掘に関する疑問はこの本を読むことで結構解決できるのでは無いでしょうか。
自分自身も鉱物や化石が好きでよく即売会にも参加したりしていましたが、著者はそうした化石の即売会に対して真っ向から反対されています。
その理由も読み進めていくと、発掘現場を第一線で見ている人だからこそ考えることなんだなと思わされました。
とても面白くエピソードをなぞる形で読み進めていくことができ、地学の勉強になること間違いなしだと思います。 -
Posted by ブクログ
単に時系列を追うだけでなく、プロジェクトに関わる各個人のバックボーンにまで踏み込んだスタイルを含め、一体の恐竜化石の発掘記というスケールには収まりきらない面白さを持つ一冊だった。
海棲爬虫類や翼竜は恐竜のカテゴリーには含まれないという薀蓄を始めとする、古生物や地学、化石発掘などに関する知識も分かりやすく平易に書かれているので、勉強しているという意識のないまま興味深く読むことができる。
出版前のチェックが少し足りなかったか、誤記や脱字、不自然な語句の繰り返しなどの不体裁もいくつか散見されるものの、そうした欠陥が内容にいささかの瑕疵も与えない、それだけの読み応えがある。