戸羽太のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
津波による被害。それは原発だけではない。
そんな当たり前のことを忘れていた。
陸前高田市長が書いた被災地の本(2011/8/25)。
短くて、すぐ読める。でも、内容は濃い。想いがつまっている。
市長の外部への想いは「陸前高田市を忘れないで欲しい。」
市民への想いは「市民を元気にしたい。」
と言うことだ。
一番印象的な話は、一本だけ残った松のことだ。
市長はこの松をシンボルにすることは乗り気ではなかったが、
たくさんの人たちが協力して、松の木をシンボルに、そして枯らさないために頑張った。
この本を読むと市長だけが頑張っているようにも思えるが、そこで暮らす市民も頑張っている。自分たちで「ふるさ -
Posted by ブクログ
東日本大震災で被害を受けた岩手県陸前高田市市長の思いが詰まった一冊。
陸前高田市の現在の状況、風化させてはいけない復興への思い、国の動きの遅さ、将来の都市計画について市長の思いを感じる。
自らも妻をなくした被災者でありながら市長という立場を貫き陣頭指揮をとっていたことを読み、涙しました。
今後の復興計画がいろいろなところから提案されていて、高層ビルを立てる案に対して、それは復興していく中で、県外に移住した人たちが戻ってきたときに「ふるさと」と感じられる街なのだろうかと提言。
田舎には田舎の良さがある。
復興したあともとの街の面影も残っていないのはどうだろう。
今、県外や世界からの支援を -
Posted by ブクログ
とかく自治体の首長の著作は、行政論や地域計画論に関するものの方が多い。しかし、この作品は、行政の首長の立場と、一被災者の立場、両方からの思いが詰まっている。胸がつまるような思いを感じながら、あっという間に読みきった。
震災当日、家族の安否確認をとりながら、被災状況の確認、帰宅困難者対策にあたったのを思い出す。ワタシは家族を守れるのか。添い遂げることを誓った妻を守れるのか。それを考えざるをえない。
今、各被災自治体では、復興計画の策定真っ只中だ。「災害に強いまちづくり」はどこでもキーワードだが、今まで培ってきた営みや文化の継承もしっかりと考えていかないといけないだろう。そして、未来の絵は住民