松浪和夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
松浪和夫『魔弾 警視庁特捜官』徳間文庫。
異色の警察小説。読み応えのある作品だった。まさかスティーヴン・ハンターのようなリアリティのあるスナイパー・アクションが描ける日本人作家がいるとは思わなかった。
新宿都庁前の公園で都の職員が遠距離からの狙撃により射殺される。猟犬と呼ばれるベテラン刑事の梶原が形振り構わぬ捜査を続ける中、機動隊随一の若き狙撃手・清水が捜査に加わる……
登場人物たちが抱える忌まわしき過去、二人の天才スナイパーの息をも尽かせぬ静かな闘い……
福島県出身の作家であったか。それで羽鳥湖が登場するのか。
本体価格800円
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Posted by ブクログ
ネタバレこの作品でスナイパーを扱う狙撃手(遠距離射撃)の、とてつもない技術の高さを知った。
知識がなくとも標的が遠ければ遠いほど、風や標的の動向などの障害が多く発生するため狙撃が困難になるのは分かるけど、地球の自転を考えるなんて…想像を絶する。
とても凄惨な事件にあった被害者が復讐するため、非常に心が痛かった。
犯人に出会うまでが長かったー。そして犯人が強敵過ぎて読むのしんどくなったけど、頑張った。
最後の終わり方はとても切なくて痛くて泣きそうになった。(カフェで読んでたから泣かなかったけど、家だったら泣いてた。)
築地市場がこれからどのように生まれ変わるのか気になる。私の地元なもんでw -
Posted by ブクログ
ネタバレかつて、東京で起きた殺人事件について、致命的な誤報を書いてしまい、今は福島の支局に飛ばされてしまっている新聞記者、木村。
ある日、同じ誤報を書いた責任を取り、社を去った先輩記者の瀬河と偶然再開する。
瀬河は、腎臓を病んでおり、透析を受ける生活を送っていたが、運良く腎臓移植手術を受けて、術後の経過も良く、受賞に回復しているはずだったが、なぜか容態が急変し、帰らぬ人となってしまう。
不審に感じた木村は、移植手術を受けたものに多くの死者が出ていることを掴むー
臓器移植をテーマにした、医療ミステリー。
脳死判定と臓器移植について、圧倒的なリアリティを持って描くストーリー展開は圧巻ですが…
そこに -
Posted by ブクログ
白昼、新宿都庁前で男が射殺される。捜査本部へ派遣されてきた機動隊随一の若き狙撃手により、ようやく発射現場の特定に至るも犯人の足取りは全く見つからない。
『猟犬』と呼ばれるベテラン刑事の『梶原』は狙撃手『清水』と組み、姿の見えない犯人を追う。
狙撃の腕前や身を隠す術などを追っていくのかと思っていたのだけれど、そちらはそういうことが出来る奴ということで片付いた。いわゆる凸凹コンビなのだろうけど、どちらも過去に曰く持ち。途中梶原が清水に対し撃てるかどうか疑念を抱く描写の繰り返しがくどいかなと感じた。
事件は豊洲移転の利権争いなど社会派テーマを絡めつつ、浮かび上がってきた動機は非常にやるせないもので