あらすじ
白昼、新宿都庁前で殺人が発生。被害者は頸部のほとんどが損傷、無惨な姿と化していた。殺しの手口を遠距離からの狙撃と断じた警察は、半径四百メートル圏内にあるはずの現場を捜索。が、まったく痕跡が得られない。想定外の事態に焦る捜査本部に派遣されてきたのは、機動隊随一の若き狙撃手清水。猟犬と呼ばれるベテラン刑事の梶原と組み、防犯カメラにさえ姿を現さない犯人の逮捕に奔る。
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Posted by ブクログ
松浪和夫『魔弾 警視庁特捜官』徳間文庫。
異色の警察小説。読み応えのある作品だった。まさかスティーヴン・ハンターのようなリアリティのあるスナイパー・アクションが描ける日本人作家がいるとは思わなかった。
新宿都庁前の公園で都の職員が遠距離からの狙撃により射殺される。猟犬と呼ばれるベテラン刑事の梶原が形振り構わぬ捜査を続ける中、機動隊随一の若き狙撃手・清水が捜査に加わる……
登場人物たちが抱える忌まわしき過去、二人の天才スナイパーの息をも尽かせぬ静かな闘い……
福島県出身の作家であったか。それで羽鳥湖が登場するのか。
本体価格800円
★★★★★
Posted by ブクログ
前半は噛み合わないコンビと対立ばかりの身内に全く手がかりのない事件。話の流れがゆっくりなのかと思ったが、事件や現場の描写が細かく丁寧に書かれているおかげでドラマを見ている気分に。
ハイレベルな狙撃手同士の戦いは読んでいてハラハラが止まらない。登場人物全員に自分の考えや意志があり、複雑な過去や関係が。
本の続きを勝手に想像した時、清水のこれからが非常に楽しみになる。
Posted by ブクログ
この作品でスナイパーを扱う狙撃手(遠距離射撃)の、とてつもない技術の高さを知った。
知識がなくとも標的が遠ければ遠いほど、風や標的の動向などの障害が多く発生するため狙撃が困難になるのは分かるけど、地球の自転を考えるなんて…想像を絶する。
とても凄惨な事件にあった被害者が復讐するため、非常に心が痛かった。
犯人に出会うまでが長かったー。そして犯人が強敵過ぎて読むのしんどくなったけど、頑張った。
最後の終わり方はとても切なくて痛くて泣きそうになった。(カフェで読んでたから泣かなかったけど、家だったら泣いてた。)
築地市場がこれからどのように生まれ変わるのか気になる。私の地元なもんでw
Posted by ブクログ
殺人事件を追う捜査一課のデカ・梶原。機動隊のナンバーワン狙撃手・清水。二人が組んで連続殺人事件を解決する。警察物の中ではやや異色か。スナイパーの凄さを感じた。
Posted by ブクログ
白昼、新宿都庁前で男が射殺される。捜査本部へ派遣されてきた機動隊随一の若き狙撃手により、ようやく発射現場の特定に至るも犯人の足取りは全く見つからない。
『猟犬』と呼ばれるベテラン刑事の『梶原』は狙撃手『清水』と組み、姿の見えない犯人を追う。
狙撃の腕前や身を隠す術などを追っていくのかと思っていたのだけれど、そちらはそういうことが出来る奴ということで片付いた。いわゆる凸凹コンビなのだろうけど、どちらも過去に曰く持ち。途中梶原が清水に対し撃てるかどうか疑念を抱く描写の繰り返しがくどいかなと感じた。
事件は豊洲移転の利権争いなど社会派テーマを絡めつつ、浮かび上がってきた動機は非常にやるせないもので・・・誰も救われないであろう結末に心が痛む。