阿古真理のレビュー一覧

  • 昭和の洋食 平成のカフェ飯 ──家庭料理の80年

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    ドラマの『寺内貫太郎一家』、『だいこんの花』、『金曜の妻たちへ?』、『百年の恋』、『すいか』
    マンガの『美味しんぼ』『イマジン』、『花のズホラ飯』
    エンタメ番組の『料理の鉄人』
    料理番組の『きょうの料理』、『太一×ケンタロウ 男子ごはん』
    雑誌の『主婦の友』、『オレンジページ』
    などなど…
    メディアに取り上げられる料理から当時の世相を垣間見ようという本。
    大家族での食卓から、本格的な外国料理が食卓にのぼり、グルメブームがやってきて、働く女性の増加から家事をしない主婦が許されるようになり、孤食が増えてくる…。

    人は何かを食べなければ生きてはいけない。けれど、生存のために食べるだけではなく、家庭料理を共に囲む日々がお互いの絆を育んでいく。
    「美味しいね」と一緒に楽しめる食卓は、確かにいいよなぁ。

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    2019年02月22日
  • 小林カツ代と栗原はるみ―料理研究家とその時代―

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    料理研究家の変遷と家庭料理の変遷をたどっている。読む前はタイトルどおりの二人だけを比較しているのかとそれを期待していたのだが、実際には1950年代あたりからの主だった料理研究家を網羅的に取り上げている。小林カツ代と栗原はるみだけでも一冊に足るお二方だと思うが、そうならなかったのは欲張りだけどそのぶん薄味になったようで残念。
    男性料理研究家の台頭として、ケンタローや栗原心平、コウケンテツなどにも触れているが、やはり彼らと女性の料理研究家には一線を引きたくなる。男性料理研究家って、そもそも「研究家」とするところがプロではないことの言い換えだと思われ、だからこそ家庭料理のプロといえるのだろうけど、やはり男性がプロデュースする料理って、誰かのためというより、自分のためとかわが道的な色が感じられてしまうということがひとつ。
    加えて、ケンタローや栗原心平には、結局「小林カツ代も栗原はるみも世襲なの……」という残念な思いを抱かせる。それも「家庭料理でありながら息子が継ぐのか」という残念な感じ。ジェンダーバイアスかかった見方かもしれないけど、そんな大層ぶらなくていいじゃないかというところに端を発する思い。芸能人の子息が芸能人になるようなイージー感を感じてしまう。
    わりと短絡的にまとめているようで疑念を抱く箇所がいくつか。何だか結論が拙速で本としての質を落としている感じがする。肝心の終章の締め方にしても「まず自分の手で自分を養うこと。誰かのためにつくるのは、その後でいい。愛情を込めようと必死にならなくても、自分が充足すれば人に与えることも容易になる。やる気があるときも面倒なときも、コンスタントに台所に立ち続ければ、愛情と腕前、求められる味はやがてついてくるだろう」(p.242)なんて述べてるんだけど、そもそも家庭料理ってことを考えると、この引用部分どうなんだろう。

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    2018年12月08日
  • 料理は女の義務ですか(新潮新書)

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    期待はずれ。星2、にしようか迷ったけど、ま、三でいいや。
    男が女とかではなく、そもそも人にとって社会に取って、食事とはどういう意味があってどれほどのインパクトかあったかを説く。いんじゃないか。
    ま、読みたいのはそういう話でもなかったし、文章が下手で読み辛かったのはあるけども、なるほどの視点は感じた。
    家庭における食事、料理、特に日本での展開なんかは面白かったな。エポックメイキングになる、どの本だとか、どの料理研究家のこのところってのは、新鮮な感じで良かった。
    が、俺が男だからか、なんかやっぱりクソ感感じた。
    最後、土井善晴の一汁一菜のススメの批判は、ゲロかったな。
    ご自身が先に提案していたのに土井先生が有名だったから話題になった。提案自体には共感するけども、今更つけもんはないし、母の愛情を料理に乗せろっていうかと。

    そんなこと言うてへんやん。

    むしろ、立派な料理することができなくて悩んでいる人に、こんな程度でいいんですよ、こう言うことでも、もし、悩んでいるんなら、十分に愛情って伝わりますから。

    そう言う本だったと思ったんだけど。

    ユングじゃないけど、理に硬い女子ってのは、面倒臭くなるもんかね。

    ま、そりゃ、恵まれた料理研究家と、毎日忙しくて、カップ麺用意するだけの家庭があることの違いもありますがね。

    あの本読んで涙が止まらなかったって言う声は、女性からじゃないのかね。

    あ、なんの本の評だっけ。

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    2018年02月04日
  • 料理は女の義務ですか(新潮新書)

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    新書ならではのタイトル詐欺? いや、でも結果オーライの料理の歴史。
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    料理は女の義務ですか。違うと思う。だがこのタイトルはもっと違うと思う。

    目次からいくつか抜き出してみる。

    スープの底力
    味噌汁の誕生
    世界の保存食
    趣味化した料理

    などなど。

    オチを言ってしまうと、日本で性別役割分業による効率化の時代は終わった、とされているから、タイトルに対する答えもノー、であろう。

    だが本書のほとんどは(まあ、歴史を知らずに未来を語れない、としても)、料理の歴史である。タイトルからすれば思わぬ誤算だが、僕自身はそっちのほうが好きであるから、これもまた思わぬ誤算なのだ。

    僕んちではすでに料理は女の義務でなくなっているが、それを次代に継承できるかというと、必ずしもそうとも言い切れない。世の中、という姑は、やはり依然、古風な女であれ、というプレッシャーをかけてくるのだ。そういう姑は、悲しいかな僕の中にもいる。それに抗っているのが楽しいのだ。

    料理は生きる権利でもある、としている。「健康で文化的な生活」には、それをする余裕を与えることも含まれるはずだ、と。そして、多忙故に料理をしない人を責めることもしない。ただ当人たちが「料理する権利を返せ」というべきだと。僕もそう思う。

    いい加減、存在しない幻想を人に押し付けるのはやめて、楽しみたい人は楽しめばいいではないか。

    ところで、女の義務、としていない世代として、切実でやむを得ず台所に立つシニア層と、家庭科教育を受け、自然に料理をする20〜30代、という人たちがいるようだ。僕はちょうどその中間層にいるのだけど、この世代の男は、単に厨房から遠ざけられていたから関心がないだけではないか、と。いったんハマると豊かな世界に目覚める、と。
    あはは、そうかもね。目覚めた者談。こんなに面白いことを誰かに独占させてたまるか。

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    2022年06月01日
  • 小林カツ代と栗原はるみ―料理研究家とその時代―

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    過去の料理研究家たちの系譜が、女性の生き方の変化と共に説明されている。
    全体としてはとてもよくまとめられているのだが、所々、著者の勇み足というか、思い込みのようなものが見受けられる。

    例えば以下の様な箇所。

    1.ケンタロウのから揚げのコツについて(124ページ)
    ”「鶏肉は一件ものすごく扱いやすそうなやさしい素材に見えるけれど、実は肉の中で最もといっていいぐらい火の通りが悪いのだ。優しい外見に惑わされると、外はいい色、中は生、というイタイ目にあう」
    鶏肉をキャラクターに見立てて解説している。コンピューターゲーム世代がおとなになったこの時期、若い世代にふえた言い回しだ。”

    このケンタロウの文章をどう読めば、鶏肉がキャラクターになるのか。しかも『若い世代にふえた言い回しだ。』とは?特に若い世代にふえた言い回しとは思えないのだが。

    2.栗ごはんについて(148ページ)
    ”<前略>、日本人のソウルフードである栗を使った「栗ごはん」なのである。”

    一体いつから、栗が日本人のソウルフードになったのだ?

    それにしても、なぜか栗のレシピが多い。

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    2017年09月27日
  • なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年

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    幕末辺りから日本でパン作りが始まり、実はそれなりの歴史をもった食べ物であると知る。そこから現在に至るまで日本のパン職人達が努力を重ねて改良してきた歴史を知るといつか日本の主食はパンになるんじゃないか、いや、それはないわ。
    ご飯かパンかと言えば圧倒的に前者な私でもこれ読むとフランスパン、そうハード系のパンが食べたくなる。バゲット、バタール、クーペ、カンパーニュ、ああ、皮の食感と香り、噛み締めるほど口の中に広がる淡い塩味、さらにそれぞれ個性のあるパンにマッチしたソースを付けて…ムハムハと…
    でもやっぱサンドウィッチだよな!
    いや寿司食いてえー!
    日本食万歳!!

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    2017年02月14日
  • なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年

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    某有名ホテル直営のフレンチレストランで、フランスから輸入した小麦で焼いたという説明を何度も聞き、日本のフランスパンも美味しいのにと思ったり、「俺の」が恵比寿に「俺のベーカリー&カフェ」ができたりしたので、ポチる。日本人は皮の柔らかいパンが好きだと。いつどこからそれが始まったのかの論など興味深い話題が多い。「パンと日本人の150年史」とあるように、日本にパンが上陸したころの話からホームベーカリーまでの歴史などもおもしろかった。

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    2016年11月09日
  • 小林カツ代と栗原はるみ―料理研究家とその時代―

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    斜め読みだが、料理の歴史がわかって良かった。小林カツ代の革命性に感動。ケンタロウが一番好き。回復して欲しい。

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    2016年06月15日
  • 昭和育ちのおいしい記憶

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    暮らしから食を語る一冊。自分自身と年齢が近いため、あるある!という面もあり、また生活史研究家という著者の特性が出ておもしろくもあったものの、エッセイとしては今ひとつスパイスが足りなかったかな。

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    2015年12月19日
  • 小林カツ代と栗原はるみ―料理研究家とその時代―

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    ある著名な料理研究家が生み出されるには、その時代々々の特別な背景(主婦が求める料理、需要)があることが分かった。主婦論としても面白かった。

    ●料理研究家を語ることは、時代を語ることである。彼女・彼たちが象徴している家庭の世界は,社会とは一見関係がないように思われるかもしれないが、家庭の現実も理想も時代の価値観とリンクしており、食卓にのぼるものは社会を反映する。それゆえ、本書は料理研究家の歴史であると同時に、暮らしの変化を描き出す現代史でもある。
    ●有元の幼少期は、町にも農村の面影が残り、自然に寄り添う暮らしが当たり前だった最後の時代だ。そして、両親の文化的、経済的豊かさを吸収したベースがあるからこそ、時代の先を行く提案ができた。流行を牽引する人の背景には必ず豊かさがある。
    ●料理研究家のスタイルを決める原点には、必ず育った環境がある。元奉公人に「忘れられない」と言われる母のそうめんは、つゆに使う出汁の「かつお節はぎゅっとしぼって」味を出すことがコツだった。カツ代レシピでかつお節の出汁を絞ることは定番である。
    ●1994年8月26日、小林カツ代は料理研究家として初めて『料理の鉄人』に出演した。じゃがいも料理がテーマの回で、小林はじゃがいもとエビの炊込みご飯、肉じゃがなど7品をつくり、鉄人の陳健一に見事勝利、一躍時の人となった。
    ●彼女が挑んだ常識は、料理メディアが主婦の教科書になった高度成長期に定着したものだ。明治生まれの江上トミや飯田深雪が現役で、大正生まれの城戸崎愛や入江麻木が活躍したころ。先行世代は、西洋から輸入した料理を翻訳して紹介した。しかし、昭和生まれの小林は、本格的な西洋料理も和食も食べて育った。文化的な蓄積があるからこそ、新しい発想を持ち込むことができたし、それゆえに批判もされたのである。
    ●それにしても、料理研究家の離婚は多い。売れっ子になる代償として、仕方ないことなのだろうか。それとも、家族に向けられていた愛情やつくられた料理が、他人に向かう不満が夫の中で大きくなるのだろうか。家庭料理はもともと家族と日々をわかち合う中にある。より多くの家族を幸せにしようと、その技術を公開することで足元の生活が揺らぐとすれば、皮肉な仕事だ。
    ●プロの世界で修行した善晴は、物事を突き詰めて考える性格もあり、外で食べる料理と家庭料理は何が違うか、おいしくつくるためには何が必要なのかを論理立ててわかりやすく仮設する。外食・中食といったプロの味を基準にする女性がふえた平成の事情を反映し、家庭料理ならではの魅力を伝えようと腐心する。

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    2015年12月06日
  • 小林カツ代と栗原はるみ―料理研究家とその時代―

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    人気の料理家さんたちの、そこに至るまでの背景が面白い。背景を知ると、もっとその料理家さんが好きになった。料理自体にも、より興味がわいた。もっともっといろんなレシピを知りたいし、作りたくなった。

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    2015年10月04日
  • 小林カツ代と栗原はるみ―料理研究家とその時代―

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     著名な日本の料理研究家を比較しながら、メニューや調理法と時代や社会の様相とを考察した本で、なかなかの力作である。
     主婦や料理研究家の誕生の説明から始まるが、それらはけっこう新しくて土井勝や江上トミからなので、本書はほとんど高度成長期以後の話しであり、昔話ではなく馴染みの人ばかりである。それも、読みやすくしている要素かもしれない。
     料理人あるいは時代によって作り方がどう変わってきたかをあるメニューで比較紹介しているが、さすがに料理に造詣があり、これらの違いが味や手間などで想像できる人でないとおもしろさは半減するだろう。作者のせいではないが残念である。
     日頃から料理する人、料理が好きな人にはおもしろく読めると思う。

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    2015年09月23日