全5巻を古本屋で買っていて、やっとコンプリートです。
矢沢あい作品は、「マリンブルーの風に抱かれて」から読んでいますが、この作品が一番好きです。
「ラストいい!」という意見が多いのですが、私ももれなくその一人です。「ラストがいい」と言うよりは、こういうラストもあるんだな…という感じです。
情熱的な恋愛を追いかけて、追いかけた結果、一番「一緒にいて安心する相手と結婚する」というのは、実はありがちなラブストーリーなんだと思います。「もう、俺にしておけ!」なんてドラマの様なセリフは必要ないんだなと実感しました。
紫は、ジョージという、本当に摩訶不思議で魅力的な男性との情熱的な恋愛の後、何人かの男の人と付き合ったらしく、その最終終着点として、高校(10年前)のクラスメイトであるヒロくんと結婚するわけですが、この「色々な人と付き合っている間」が語られていないので、最後の「幼馴染みに初恋の人を取られた悔しさを一生忘れない」と語っているヒロくんと、それを笑って聞ける紫との間柄がいまいちわかりませんでした。
余裕なのか、それとも、友達感覚の恋人なのか…さっぱりわかりません。
ファッション誌に掲載されたマンガなので、ページの都合もあったのがとても残念です。もっと書けただろうに。ただ、やっつけじゃないストーリーは好感が持てました。
主人公達が、どうしても18歳には見えなかったのですが、これが20代でも、17歳でも嫌だなと思いました。高校3年生という、親にしかれたレールからやっと飛び出そうとしている若者を描いた物語だからこそ、こうやってさらっと読めたのでしょう。
どっちの年齢でも、どろどろとしたものになっていたのではないでしょうか。
恋愛を軸に転がる物語のはずが、その要素を嫌らしく露出せずに、それぞれの青春ドラマを描いていたのが、奇才矢沢あいだなぁと思いました。