岸田るり子のレビュー一覧
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初・岸田るり子。
良かったです、すごく・・・面白かった!!
構成がとても良いし、ストーリーもキャラクターも良い。
上質なミステリーだと思いました。
後半、「え、このスピードでこの残ページ数で、謎解き全部出来るのか・・・?」と不安になってしまったんですが、そこからの風呂敷の畳み方が上手!
この分量ですっきりまとまった。
「出口のない部屋」のシンプルな不思議さと、キャラクターの内面描写のリアリティが、絶妙な加減でひとつになっているのがすごい。
止まらなくて一気に読んでしまったし、そんなに長くないのにたくさんの経験をするような感覚があって、そして最後まで読んだあとまた最初に戻って読みたくなる。
ちょ -
Posted by ブクログ
久しぶりの岸田るり子さん。
本屋さんで見つけて、わーいるり子さんだと手に取ると、ナニコレ漫画なのという表紙。最近こういう漫画みたいな表紙が増えてきたけれど、わたしは購買意欲がとんでもなく減退する。やめていただきたい。
散々悩み、るり子さんじゃなければ書棚に戻したけれど購入。
色覚障害のある賢い美少年菊巳が事件に巻き込まれる。
失踪した妻子の行方を探す男性から依頼を受ける探偵麻理美と健一。
こういう設定で始まる物語。早い段階で麻理美たちの探す妻子とは、菊巳と母親ということはわかる。
異なる場所で異なる人物によって繰り広げられる物語が、最後に繋がるというのはよくある形であるが、どう繋がるのかが -
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宗一の前に現れた一二三は一体何者なのか?
そこが気になって、一気読みでした。
ただ、どうも宗一の言動に乗り切れず・・・
一二三が現れてから後、それまで付き合っていた女性に対して
冷たすぎるでしょ!
そして一二三に惑わされすぎ。13年前なのに引きずりすぎ。
ストーカーすぎ(笑)
まぁ宗一が一二三の事を調べない事には話が進まないのですが。
それにしてもちょっと色々気になってしまいました(^_^;)
ストーリーは色々気になる謎があって、ぐいぐい読ませるのですが最後がちょっと「う~ん・・・」って感じでした。
結局そうなるの?って感じでしたね~。
ネタバレになるのであまり書けませんが、最後の向井さん -
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ネタバレとある部屋に迷い込んで出られなくなった3人が、こんな事態に陥った理由を探るためそれぞれが抱えた問題を思い起こしていくホラーテイストのミステリ作品。
大学講師、若手小説家、開業医の妻。
3人がどうして閉じ込められたのか、どうやって抜け出すのかというテーマではないのが新しい。
まったく接点のないと思われた3人が終盤、ある一点で繋がっていくのが鮮やかである。
殺人トリックの点はうまくいきすぎな感もあったものの、全体としての破綻なく綺麗に物事が流れていてうまいなと思う。
トリックとレトリックに誤魔化しがないしきちんと伏線を引いているのでちゃんと読めば引っかかったところが解消され、謎解きの -
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おー。
期待せずに読んだせいなのか、満足の一冊!
すっかり主人公の男性の気持ちになって読み、
登場人物・江真に同情し、読み終わって、
一二三の気持ちにしっかりと同調できて感動できた。
よく出来ていると思う。
一人称で述べられている事実と三人称で語られる状況は、
読み直しても破綻していないし、江真に対する向井さんの態度も、
宗一に対する一二三の驚きや「本当に覚えていないの」という台詞も、
すべてがフェアだ。
ただ、最後の部分が若干納得行かない。
自身に保険金をかけ、それで5億になるのかな?とも思ったが、
自殺で保険金は下りないのでは。。
と、すればこの死の意味は?
なんとか自分を納得さ -
Posted by ブクログ
なかなかの仕掛けだった。
恋愛を何度繰り返しても本気になれない宗一。
それには若かりし日に3ヶ月だけ同棲をした恋人一二三の存在があった。
同僚の結婚式に出席した宗一は、13年前に突如として宗一の前から姿を消した一二三と再会することになる。
しかし彼女は13年の年月を感じぬほどに、いや…まったくの別人のように若々しく美しかった。
同姓同名?
そんな疑問は隣に寄り添う少女によって瞬時に払拭される。緑色の目の少女。それは間違いなく一二三の娘。緑色の瞳、そんな偶然があるはずもない。
整形?いや別人?では娘は?
興味深い始まりである。
有り得なさそうで、ありそうな…。
そうそう上手く行くことではないけ