大森裕子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
少年と猫が過ごした家という小さな世界。
成長とともに時間は変わり、やがて少年の世界は広がり二人の関係も変わる。
そばにいることが少なくなった少年に猫は「おれのことは わすれていいから」と言う。
少し突き放した様な潔さも感じるこの言葉の裏側には寂しさより勝る優しさと、次のステージへ行く青年となった少年へ贈る最高の言葉なのだなと思う。
人やペットとの別れは、形は違えど誰の人生にも訪れるもの。
私はこれまで、別れのときは「わすれないでいてほしい」と願う気持ちばかりだったけれど、この絵本に出会って、「わすれていいから」という真逆の言葉が、相手への花向けとしてどれほどあたたかく、力強いかに気づかされた。
一時的な別れ、永遠の別れ、あらゆる別れと
あらゆる関係に当てはまるお話だなと思う。
絵本ながら大人が心を深く揺さぶられ、「わすれていいから」と言う言葉を何日も考えてしまう一冊でもありました。 -
Posted by ブクログ
再読。成長していく男の子と猫との日常が猫目線で描かれている。読む前は、最後に飼い猫が死んでしまう物語かなと思っていたが...。
先月末、元気だった愛犬が脳腫瘍のために急死した...。病気がわかってからあっという間に歩けなくなり、入院してあっという間に虹の橋のたもとへと旅立っていってしまった...。
たとえ亡くなった愛犬が私の悲しむ様子を見て「わすれていいから」と心にもないことを言ったとしても、忘れることができるわけはない。それだけの絆とたくさんの思い出があるんだから。
この猫も男の子の成長をずっと優しく見守ってきたのだから、「わすれないでほしい」という気持ちは強いと思う。その言葉の代わりに「わすれていいから」という言葉をはなむけの言葉として男の子に送っているのがとても切なく思えた。私がこの猫だったら「わすれていいから」という言葉は怖くてなかなか言えないんじゃないかな。この猫がとても大人に思える。
最後のページの
げんきでな。
おれのことは わすれていいから。
という猫の言葉がいつまでも心に残る...。