志村五郎のレビュー一覧

  • 数学の好きな人のために ──続・数学をいかに使うか

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    数学において、二つの分類がある。それは、「はじまりの数学」と「おわりの数学」である。志村五郎さんは完全に「はじまりの数学」が好きであるようである。有限単純群の分類やパンルヴェ方程式の分類やエキゾチック球面の分類などは、それから先が続かない、応用されない、という意味であまりよろしくないようなのである。私のように鑑賞するだけなら、どちらも美しく感じるのだが、現場の数学屋として頑張っている人間から見る風景は、また違ったように見えるのであろう。

    蛇足だが、哲学でも、「はじまりの哲学」と「おわりの哲学」がある。前者は永井均・青山拓央路線であり、後者はヘーゲル・ハイデガー路線である。

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    2019年04月19日
  • 数学の好きな人のために ──続・数学をいかに使うか

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    教科書や大衆向けの数学本では知ることのできない、数学の分野同士のつながりや応用を知ることができる本だと思います。

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    2014年11月08日
  • 数学をいかに使うか

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    Hermite行列、四元数、楕円関数、Lebesgue積分など、数学科の人間以外はあまり学ばないことや、講義では省略されがちなことを中心に話を展開していく。Riemann積分が可能となる条件のような、あまり細かい議論を証明することに時間を使わず、使える数学を広く知っておくべきだという考えの元に、代数・解析を広く取り扱う。

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    2014年11月08日
  • 数学をいかに教えるか

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    Wikipediaによると、志村五郎さんは昨年89才でお亡くなりになったとのこと。付録2には何度か闘病生活もされたとのことが書かれていて、なおさら、ショックを隠し切れない。

    最初の方はエッセイ風で軽く読めた。後半、数学の内容が専門的になると、読むのに苦労したが、興味深く読めた。ζ関数についても書かれていた。

    数学は自由にやっていくものであるというメッセージが印象に残った。誰かに言われてするものでもないし、今の流行にあわせてするものでもないことである。

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    2020年03月14日
  • 鳥のように

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    数学の先生の、フェルマーの最終定理とかになんか言ってる先生の、プリンストン大学へ関係してゐる先生の、数学者の、あっちの先達は偉いけど~、とかも言ってゐる先生の、自伝といふかエッセイ。
     丸山眞男先生に対して、漢詩関係の、ソレを勉強してる人的に普通のタームをぶつけてみたら黙ってたとか、春秋に関して知らないっぽいとか、ボロクソ。
     丸山先生は、朝鮮戦争についてさう言ふ観点だったのか―
     1950年代に数学の先生方関係で天皇制がどういふ見方をされたか、書いてあって面白い。
     リーダビリティが結構なので、さくさく読める。

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    2019年05月29日
  • 数学をいかに使うか

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    格調高い本である。数学をいかに使うか、と書いてあるが、物理や工学に応用するというよりは、新しい数学のために使うときに必要なこと、あるいは不要なことを示している。

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    2019年04月14日
  • 数学をいかに使うか

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    とても難しい本だった。数学を応用すると思っていたが、そうではなく、数学のために使えるかどうかという話になっていた。でも、多少の予備知識があったので、何とか理解はできたと思う。

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    2011年10月12日
  • 数学をいかに使うか

    aaa

    購入済み

    マイナス評価は鵜呑みにせずに

    純粋な数学の説明については役に立ちました。志村先生はかなり狭量な方のようで、自分自身の数学的業績をあげるのに有効な価値観をもっておられる感じがします。ですので、志村先生が本書などで、数学書や他者について非難されていても、それは志村先生の意見であって、一般的には正しいかどうかは分かりません。志村先生が何か非難されていてもスルーするか、第三者的に眺めるのが賢明なようです。

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    2025年02月05日
  • 記憶の切繪図 ──七十五年の回想

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     "〈数学者〉の回想"だからではなく、維新から戦前の"東京"に関する回顧があるから、読むことにしたもの。

     著者が幼い頃住んだ旧牛込区若松町周辺は土地勘もあるので、著者の回想に出てくる場所は何となく懐かしい。
     著者は1930年(昭和5年)生まれ。戦前の中流家庭に生まれ育った訳だが、学校の授業や先生の教育方法、学友との交際などが具体的に描かれる。また空襲で多数の焼死体を見るなど死と隣り合わせの時代であったが、そんな中で映画館で映画を見た記憶などが語られる。

     戦後、一高、東大で、本格的に数学を学べると期待した著者であったが、その期待は裏切られる。その

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    2021年10月03日
  • 数学をいかに教えるか

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    小学校の算数教育における掛け算の順序をめぐるコメントで有名になった一冊。ほんと数学的には3x5も5x3も正しいのに。

    著者は1930年生まれ。非常に頑固な文体で、さまざまな人物・世相をぶったぎり。共感するかどうかは別にして痛快。

    外来語のカタカタ表記にも厳しいが、これはあまり賛同できず。カタカナはもう別の言葉としてとらえてしまえば良いのでは。例えばTicketを明治時代?にはテケツと表記したと思うが、音声上はチケットよりもテケツの方が圧倒的に正しいが、今の世の中、テケツと書かれても困るし。

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    2017年08月11日