ロダーリのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
児童文学のような文体であり、非現実的なストーリーはまさに童話でありファンタジーである。ただその中にはさまざまな社会批判や人生の矛盾が描かれているのが面白い。
濃厚なアイロニーを通して描かれる短編小説集だ。ファンタジーのフレームに入っているので平気でリアルを超えることができる。たとえば猫になったり、魚になったり、神々や宇宙人と交流することも可能なのだ。
ただ、そういう不思議な世界を描いているように見えて、実は現実社会が抱えている様々な問題を描いているといえる。社会の描き方は微細さを追求するだけではなく、虚構を使ってその本質を照射する方法もあるということを再認識した。 -
Posted by ブクログ
御伽噺・イタリア風味。シュールリアリズム系の短編集かと思ったら、予想よりずっと優しい世界だった。根っからの悪人はほとんどいないし、多少意地悪な人間も死ぬことはなく災難に逢う程度。そして善人は必ずささやかな幸福を掴むことができる。ロダーリは確かに児童文学作家ではあったが、それ故に彼の作品はただの子供騙しでは終わらない。彼は戦前からファシズムを批判し、戦時中もレジスタンスとしての地下活動を続けてきた。自国が過ちを犯していると理解する、社会への優れた先見性を持つ作家だったのだ。そんな彼が書く、やさしくユーモアに溢れた文章の中に込められた現代社会への痛烈なアイロニーは、確かに現代を生きる私たちの胸にも
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Posted by ブクログ
感想は、「たのしい!おもしろい!変!」
そんな短編集です。
ユーモアがあって、ついにやにやしながら読んじゃう。
一気にだいすきな本になりました。
また数年後に読み返したい。
とにかく突拍子もない本なんです。
設定も、展開も、キャラクターが考えることも、台詞も。
予想もつかないことが起きる。
作者のロダーリは、とっても想像力豊かで、発想が自由で、人と違う視点から物事を見られる才能を持っていたんだなあと感じます。
何事も、決まった形に収まらない。
そんなところが夢があって、
わくわくして、
各所に散りばめられたユーモアに笑っちゃって、
でもぴりりと風刺も効いた本です。
とっても素敵。世界を -
Posted by ブクログ
こういう風刺がバッチリ効いたちょっぴり
刺激の強い作品は大好きです。
まさに大人のための童話。
本当に予想もつかないことがよく起こります。
表題作はまあありえないけれども
ある種の自由への渇望が
彼らを「猫」へと変化させてしまうのでしょうね。
だけれども幸いにも主人公の男には
「自由」を渇望することはしたけれども
頼ってくる人がありました。
そして…人のせいにする人を
徹底的にあざけっている作品もあります。
そして嫉妬心の浅ましさも同時にその作品は
伝えているのです。
つまり原因が分からないのなら
それなりに努力をしろ、ということかと。
こんな面白い作家がいたことに
驚きでした。