ロダーリのレビュー一覧

  • 猫とともに去りぬ

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    はじめて名前を聞くイタリアの作家。
    シュールな作品集だが、イタロ・カルヴィーノよりも穏健的、かな?
    カルヴィーノの作品はずいぶん昔に読んだことがあるけど、忘れてしまったな。

    こういう作品こそ、作家の創造力がはっきり現れると思うのだが、なかなかそういうものにはお目にかかれない。

    好きな作品集だ。

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    2018年09月17日
  • 猫とともに去りぬ

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    ”12歳の~”から。ブラックユーモア短編集。あとがきで書かれていたけど、日本人で思い浮かぶのは星新一。かつて中学生時代、星新一作品にどハマリして片端から読み漁った経験ありだけど、正直、ロダーリ作品にはそんな魅力を感じないです。国民性の問題もあるし(訳者は文化背景的に分かりにくいのは端折ったって書いてるけど)、自分が年取ったせいもあるんだろうけど、本作に関しては、ページを繰る手が重かったです。という訳で、今の目線で星新一作品を読み直してみる必要ありです。

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    2018年04月25日
  • 猫とともに去りぬ

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    読みながら、あっちでくすくすこっちでくすくす。なんともいえないおかしみがあった。
    人がかんたんに猫になったり魚になったり、ピアノをかかえていたり、奇想中の奇想みたいな短編集なんだけど、思いのほか、つきはなされたような、ほうりだされるような感覚にはならず。なんとなくほっとする余韻にひたれるものが多かった気がする。

    こういう謎なお話って、ただ面白がって読むだけじゃだめなのかな? あまり意味とか考えずに。なんだかそのほうが面白いような気もするんだけど。

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    2016年01月20日
  • 猫とともに去りぬ

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     地に足の着いたファンタジー小品集。優しいローファンタジーではなく皮肉入りの!妙な!変な!世界にも人にも優しくない!(ブラック)ユーモア満載の!話ばかりですごく私得。魔法のバックミラーやシンデレラ宇宙ver.とだけ聞いたらガチファンタジーっぽいのに実際はそうでないんだから面白い。何となく短編モーパッサン+ハルムス(シュルレアリスム感)的に感じた。
     初読時は「ヴェネチアの水位上昇を懸念して魚になった家族の話」が印象的だったのだけれど、今回は「バイクと結婚したくて家出する男の話」と「釣りの下手な男が何とかして魚を釣ろうと奮闘する話」が気に入った。後者は特に、喜劇→悲劇の転換がすばらしく巧い。前者

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    2015年02月02日
  • 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳

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    それぞれに3つの結末が用意された20篇の童話集。ラストに作者オススメの結末も載せられており、最後にクイズの答えあわせをするような気分で読め凄く楽しい。私は悲観論者らしいことがわかった。なかなか素敵な本。2011/605

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    2013年11月03日
  • 猫とともに去りぬ

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    ファンタジーですが、こどものみならず大人も楽しめる内容。ウイットに富んだ小気味いい作品でした。映画『チェブラーシュカ』にツボった方は、この作品もおススメです。

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    2013年02月03日
  • 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳

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    20編のおとぎ話(というくくりでいいのかしら)に、それぞれ3つずつ違う結末が用意されているという仕掛けが面白い。味わいとしては星新一『未来いそっぷ』を彷彿とさせるものもあったり(あそこまで毒はないですが)、美しい童話として成立しているものもあったり。小さい子に読み聞かせて3つから選ばせたり、さらに自分で考えさせたりするのも面白そうだと思いました(実際に作者がラジオでやっていたようですが)。私がこの作品を知ったのは、ツイッター経由で、この話の作り方がラーメンズの小林さんと通じるものがある、という惹句を読んだからですが、それこそ「読書対決」を思い出しました。面白かった。

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    2012年07月16日
  • 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳

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    どんな物語も、「入り口」があって「出口」がある。
    グリム童話やピノッキオなど、あれ?これどこかで?というモチーフをロダーリがアレンジした入り口が用意され、その先の結末が3つ用意されている。

    始まり部分を読んで、自分だったらこの先をどう作るかな、と考えてみたり、用意された3つからどれが一番好きか、考えてみたり。
    巻末で、ロダーリ自身だったらこれにする、という回答とその根拠をあげる。
    ロダーリだったらどの結末にするのか、ということより、その根拠のほうが、なるほどこういう理由でこれを選ぶのか、と、面白い。

    何もないところにお話を作っていくのは、制限がなくて自由奔放のようでありながら、入った以上、

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    2011年10月21日
  • 猫とともに去りぬ

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    うーんシュール。解説を読むと、意図して社会の常識や陳腐化したルール、それらを押し付ける横暴を笑いのめす事を意図して居るのかと思わせられる。その意味で、星新一氏の作風に近いなと思える。

    表題作の他、ピアノ・ビルと消えたかかし、箱入りの世界、がお気に入り。

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    2025年07月21日
  • 猫とともに去りぬ

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    ネタバレ

     猫好きの友人に勧められたのと、タイトルがとても良かったので、読んでみようと思いました。
    私は、光文社の古典新訳文庫で読んだのですが、本書は16作品収録されている短編集です。

     不思議で奇想天外なファンタジー集だなという読後感です。
    表題の「猫とともに去りぬ」は大好きになりましたし、「ガリバルディ橋の釣り人」が私はお気に入りです。

     著者のロダーリは、イタリア人の児童文学作家・詩人・ジャーナリストで、教育者でもあります。
    第二次世界大戦の終戦を25歳で経験されているのですが、人類愛や反差別、自由を表現した作品を書いた人で、
    同じ1920年生まれに、アイザック・アシモフ、ボリス・ヴィアン、レ

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    2024年08月18日
  • 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳

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    用意された結末とちょっと違うのが思いつくと、少し嬉しい。その時の気分で道徳的にしたくなることもあればシニカルにしたくなることも。
    本編もそうだが、解説が面白い。本読みの強制、今になっても自分の子供がやらされている。課題図書も然り。愚の骨頂。

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    2024年07月24日
  • 猫とともに去りぬ

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    ファンタジー系小説が好きな人には楽しめる作品なのだと思う。ちょっぴり風刺も効いていていやらしくない感じが好感を持って読むことができる作品。
    個人的にあまり風刺小説やファンタジー小説は好きではないので星3つだけれど、これは好みの問題。光文社古典新訳文庫で同じ訳者の関口さんが訳されている作品もあるので、もう一冊読んでみようと思う。

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    2022年01月08日
  • 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳

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    物語が20個あり、それぞれ結末が三種類用意してある。いわゆる子供のファンタジー力を鍛えるためのテキスト集のような。構成は良いと思うが余りにコンパクトすぎて。もっと膨らませてくれようー。と思ったが、それは各自でやることになっている。なんだか、ツリーは用意したので、飾りはそれぞれ各自で作るんだよ、と言われたようでね、それをタノシイーと思うか、メンドクッセと思うか。ワシャー昔から七夕の飾り付けとか嫌いじゃった、そういや。や、普通に面白いよ。火星の幽霊の話とか好きだ。けど。

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    2020年12月26日
  • 猫とともに去りぬ

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    イタリアのファンタジー作家ロダーリの短編集。表題作「猫とともに去りぬ」はかつて人間だった猫たちの話。巻末の解説によると、もしおじいさんが猫になったら、という仮定を子供たちに提示して子供たちにやりとりさせて生まれた話だという。ラストも子供たちの意向を反映させている。子供向けの童話のような優しさと大人向けの風刺小説のような味わいを併せ持つ。とはいえ裏面に書かれているような社会への痛烈なアイロニーは全く感じられない。

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    2020年12月08日
  • 猫とともに去りぬ

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    話がある程度進んでから「じつは◯◯だったのだ」と明かされて「おいおい」。
    けれど「おいおい込みで受け入れてしまえばいいのだ」のわかったら、やたらおかしくなってきた。

    そっかそっか。
    そのままケタケタしたり、皮肉だか風刺だかにも気づけばそれはそれでニヤリとしたり。
    基本子ども、時々おとな。自然、そんな読み方となり、私にはそれがよかった。

    イタリアのユーモアあふれる一冊。
    絵本のページをめくるのに似た感覚も。

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    2018年09月23日
  • 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳

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    ゆっくりと丁寧に語りかける感じ。児童文学のテイスト。寓話的。それでいて結末が幾つかある。そうすると描かれていたことの意味合いに違いが生まれるなどを体感できる。自分なりにあれこれ考えられる余白と選択肢のある作品。

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    2017年12月18日
  • 猫とともに去りぬ

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    途中やや飽きるも面白く読んだ。
    イタリア人と働いてる時に読んでたら
    ロダーリについて話せたかな〜
    簡単に猫や魚になれるイタリア人、
    うらやましす‼︎

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    2016年10月14日
  • 猫とともに去りぬ

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    ようこそ、陽気で不思議なロダーリ・ワールドへ。

    ロダーリのファンタジーは懐かしい。小さい頃にきいたお話のようなイメージ。それでいて、痛烈な皮肉が効いている。何かがずれている登場人物と、何かがずれているような事件。それが楽しい。度々出てくるマンブレッティ社長が、典型的やな奴で、こういう人がいるのもファンタジーの醍醐味。

    「猫とともに去りぬ」家族に相手にされないから猫になる老人。そんな元人間の猫が起こす運動。猫になる、というのは人類共通の夢かもしれない。

    「ピサの斜塔をめぐるおかしな出来事」宇宙人が勝手に地球の名所をくじの商品にしているとか、まるで星新一にありそうな。機転のきく行商のおじさん

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    2015年03月17日
  • 羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳

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    さて、この話のオチ、あなたならどうする?

    短編集。でも、ちょっと面白いのは、それぞれ結末が3つ付いていること。読者が好きなのを選べる。もちろん、著者の選んだ結末も最後に書いてある。解説によれば、このそれぞれの物語の元になっているのは、ラジオ番組らしい。ロダーリと子どもたちがスタジオで、みんなで話し合いながら物語の結末を考える番組で、子どもたちの創造力を引き出す。物語自体は、童話や民話で聞いたことがあるような、もしくは星新一のショートショートみたいな感じ。教訓めいていたり、ナンセンスだったり。こういうのもありなんだ、と思える作品。

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    2014年09月23日
  • 猫とともに去りぬ

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    教訓話。風刺小説。なんて堅苦しく考えず、物語を楽しめば良いと思う。少々古臭いのは否めないけれど。「ピサの斜塔をめぐるおかしな出来事」なんてショートショートSFとしても十分に読めるし、「三人の女神が紡ぐのは、誰の糸?」は立派なリドル・ストーリィだし。不条理な展開もままあるけれど、訳文もとっても読みやすい。

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    2013年04月08日