大江英樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最近出版された本を読んでみました。なんと、「年金は保険である」「経済発展が重要」と言うあたりは5年前に書かれた「年金問題は嘘ばかり」(高橋洋一)と全く同じで、新しいところはなかったです。よく年金の不安をあおる話題に人口減少を言う方がいます。1970年は65歳以上1人に対して65歳未満が13.1人いましたが、2040年には1.8人になってしまう、ってやつで私も見たことがあります。これに対して、「年金問題は嘘ばかり」では頭数で割っても意味がない、保険収入で見るべきだってもっともな意見。確かに1970年と2040年ではそもそもの1人当たりの収入も違っていますから、保険料も違っているでしょう。そのためにも今後とも経済成長が必要ってことでしたが、この本ではもう少し働き方の変化を言っています。
少子高齢化でも働く方が多くなっているということです。昔は定年55歳でしたが、今は65歳でも働いている方がいます。事実私も年金受給者になっていますが、年金も払っています。非就業者と就業者の割合で見ると1人の非就業者を何人の就業者で見ているかと言うと、1970年は1.05人でしたが2040年は0.96人。ほとんど変化なくて、2020年よりも増加する予想です。ただ、個人的には、非就業者と就業者と言うくくりは少々乱暴で、詳細が書いてないのでわかりませんが(意識的に書いていないかも)、私は年金をもらっているけど就業者でしょうし、赤ちゃんは非就業者でしょう、また就業者の中にも扶養の範囲内で働いて厚生年金は扶養扱いの方もいるでしょう。年齢だけで数字を挙げるのもミスリードの要因ですが、この頭数だけで安心だというには少々データ不足の点も(視点的には面白かったです)
いずれにしても、年金の不安をあおるデータにしても安心というデータにしても、切り口次第。100年安心発言もありましたが、制度は安心でも、政治と行政には不安って言う気持ちが、うまく年金と言う身近な話題にすり替わっている可能性も大いにあるなあって言うのが印象でした。 -
Posted by ブクログ
証券会社での仕事の経験があり、経済コラムニストである著者が証券投資において常識とされていることについて正しい認識と投資における心構えについて書いた一冊。
本書を読んで投資について自分の思っていたことが誤解であるという気付きを得る部分が多くありました。
投資と投機、長期投資、分散投資や積立投資など世間で得だと言われている投資法についてどういった場合に効果を発揮するのかという正しい知識を身につけることができました。
また、投資信託や債券、保険といった金融商品についての思い込みについても正しい知識を得ることができました。
そんな本書の中でもターゲットイヤーやテーマ型投信に潜む危険性や株式の価値の本当の意味や外貨と外国資産の違い、日本と米国での配当に関する税制の違い、iDeCoの選び方などは印象に残り勉強になりました。
また、巻末には参考図書なども掲載されておりそちらも興味が湧きました。
本書全体を通して人に頼らず自分で勉強することと自分の頭で考えて判断することの2つが投資する上で一番大切なことであるということを感じました。
余裕資金で長い目で勉強しながら相場と付き合っていくことが投資で勝つために大切な心構えであるとも感じ、証券投資に対する考え方が変わった一冊でした。 -
Posted by ブクログ
本書が主張する5つのしなくていいこととは、
1.お金の心配
2.再雇用で働くこと
3.夫婦での旅行
4.地域コミュニティデビュー
5.趣味デビュー
1については、一時話題になった「老後2000万円問題」は誤解に基づくもので、年金制度も絶対破綻しないことから、支給される年金に合わせた生活をすればよい、という主張。
2については、再雇用は責任、権限および報酬が縮小され、最長でも65で強制終了になってしまうので、それだったら早めに起業した方が良い、という主張。
3については、定年後に今更妻を大切になどと言っても、相手も迷惑なので、お互いに適度な距離を保った旅行なコミュニケーションの構築で十分、という主張。
4については、今までの会社という縦社会をホームとしてきた人が、地域コミュニティというフラットなアウェイ組織へ入ってもお互い苦労するだけで、かつもめた際も地元であるだけに逃げられないことからも、無理して入る必要はない、という主張。
5については、定年後に何か急に趣味を始めても金と時間の無駄になることが多いので、無理して始める必要なし。定年後に趣味に集中したいということであれば、定年前から始めておいて、定年後に本格的に集中した方が良い、という主張。
上記5つは、本書内では派生する話題も含め、さらに著者の実体験を含む事例やデータを挙げて、詳述されている。
定年間際の人はもちろんだが、定年が視野に入ってくる50歳くらいのサラリーマンは読んでおいて損はない本だと感じた。 -
Posted by ブクログ
ここ数年で法律が整備されたこともあり、私が社会人になった頃には当たり前だった定年60歳も変わってきています。ですが、少なくとも7年位前までは現在勤務する会社でも、定年後は静かに暮らすという先輩を見てきた私にとっては、最近の変化には驚いています。
60歳を過ぎてからどう過ごすかという指南本は多く出ていて何冊か読んできましたが、共通しているのは「働き続けなさい、年金はできる限り後で受け取る」というものが殆どでした。
この本に惹かれたのは、60歳まで40年近く頑張ってきたのだから、60歳以降の定年以降は、再雇用・再就職ありきではなく、もう少し肩の力を抜いて、自分の好きなように、注意点として、他の人(特に伴侶)に迷惑をかけない生き方を目指しては、という提案がなされていたからです。
私も60歳の誕生日を迎えるまで、あと3年と少し、自分のやりたいこと、やりたかったことを見つめ直し、それを実現するために、現在の生活スタイルのどの部分を変更すべきか考えてみる良いきっかけを与えてくれた本となりました。
以下は気になったポイントです。
・年金の大きな改定が行われたのは2004年、それまではお年寄りに払う年金額が固定、それに応じて現役世代の負担を決めていたが、それ以降はまず現役世代の負担を決めて、それに合わせてお年寄りが受け取る年金額を調整するという形になった、これにより社会全体で全世代的に痛みを分かち合う仕組みになった(p21)これから20年間ぐらいが財政的に厳しい時期になるが、強い味方もある、それが「年金積立金」2019年末で200兆円あり、これは4.9年分に相当する、米:3年分、欧州:数ヶ月分と比べて多い(p22)
・老後に2000万円必要という話があるが、20年間の保険料(年間40万円支払っていれば800万円)を止めれば、その4割はカバーできる(p43)保険に入る必要のある3条件とは、1)滅多に起こらない、2)もし起こったら自分で賄えない、3)いつ起きるかわからない(p49)
・現役時代の働き方ではく、月に5万円でも10万円でも稼げれば良いと考えることが大事(p54)楽しいと思える仕事をする、その理由は、好きなことをやっているというよりも自分に決定権があることが大事(p62)
・定年起業でやってはいけないこと、1)人に勧められてなんとなく起業、2)起業にお金をかけすぎる、3)規模の拡大と借り入れをする(p86)
・趣味というものは、毎日忙しく仕事をしている中で週末とか休暇の間にやるから楽しいことのであって、毎日趣味三昧になったらそれは趣味とは言えない(p89)
・自分で仕事を始めると、全てを自分で考え、自分で判断していかなければならない、それまで優秀だったサラリーマンだった人ほど、こうしたことが苦手だったりする(p97)
・妻が夫に願うのは「放っておいてほしい」ということ、上品に言えば「私の世界を尊重してほしい」ということ(p108)夫婦で共通の趣味を持つということが大事なのではなく、楽しい生活を送るために、どうするのが一番いいかを考えることが大事である(p115)
・女性は「解決策を求めようとしている」のではなく、「困った問題に直面しているということに共感して欲しい」のである。「ああ、そうか、それは大変だね、でもよく頑張っているね」という声かけが大事である(p118)
・定年になった夫は、名もなき家事(後片付け、食器洗い、掃除のチリ捨て、掃除機の掃除など)こそやるべきである(p125)歳をとって起きる三大不安は、健康・お金・孤独、である。最も大事なのは「健康」であり、次は「孤独」である(p136)
・人生を25年ずつ4つの時期に分けると、0−24歳:学生期、25ー49歳:家住期、50−74歳:林住期、それ以降が遊住期、人生で最も充実しているのは、25−49歳であるが、人生のゴールデンエイジは、50歳から始まる「林住期」である(p137)
・気持ちはともかく生活様式は、やはり変えた方が良い。具体的には、それまで「時間をお金で買う」生活から、「時間でお金を買う」へ変化させる。具体的には、少々時間がかかっても、何でも自分でやってみること(p182)
・定年退職後は、遊びの年間計画書を作成する、計画を立てたらそれは達成しなければならない、というサラリーマン脳から抜け出すようにする(p198)これを作成すると、流されない生活を送れるようになる。(p199)
・定年を前にしたら「成仏すべし」つまり、いつまでも会社人生にこだわらないで、新しい人生に向かうということ(p203)健康面では、早く寝る、食べ過ぎないように気をつける、ちょっとした運動(エスカレータの代わりに階段を利用する)をする(p210)
・60歳を過ぎたら、貯金よりも「貯人=人との繋がりを大事にする」そのためには、「貯信=信用を貯める」こと、信用されるには、「ギブファースト」の気持ちが大事(p215)貯蓄よりも、減蓄=お金に限らず、自分が身につけてきたもの、蓄えてきたものを人生の後半で少しずつ処分する、ということも大事(p218)
・寿命中位数(50%の人が生存している年齢)で考えると、現在は男性:84歳、女性:90歳、今の50歳の男女が今の平均年齢に達する頃には、男性:90、女性:97歳となっているだろう(p236)
・今まで自分は大した仕事なんてしてこなかった、と考えることはとても大切である。定年後に自立することが最も大事、普段はゴロゴロしていても良いが、自分が家に居ることで家族に負担がかかっていないかどうかを考えるべき。自分が家に居るのであれば、料理でも洗濯でも掃除でも何でも良いので妻の負担を減らすことを考えるべき(p247)
2021年1月17日作成