わらいなくのレビュー一覧
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忍殺語と呼ばれるオリジナル・スラングを交えた文体が楽しい、爽快ニンジャ・アクションかと思いきや……サツバツ! 変な日本語と突飛なニンジャに笑っていられたのは最初の十ページだけだった。
舞台は磁気嵐により世界から孤立し、重金属酸性雨が降り注ぐジゴクめいたマッポーの近未来日本・ネオサイタマ。繰り広げられるイクサ、イッキ、センタ試験!
ネオサイタマでは貧富の差が拡大し、カチグミとマケグミが明確に分かれ、だがカチグミだろうとマケグミだろうと絶対的権力・ソウカイ・シンジケートの前では虫ケラのように殺される。
この作品は、どこにも希望のない世界で、自分らしくあろう、人生の目的を果たそうとする人々を描 -
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そして二冊目。というか、書店にこれしかなかったので、最初にこちらを購入したのですが。
他のレビューでも絶賛されている「スワン・ソング・サング・バイ・ア・フェイデッド・クロウ」、ヤモト=サンとシルバークロウのエピソードが普通に名作で泣いた。ネタ小説だと思って手にしていたので、背後からのアンブッシュにもほどがあったというね……。
ただ、個人的に一番気に入っているのは、初邦訳エピソードの「パンキチ・ハイウェイ・バーンナウ」。
ニンジャでもカラテカでもない(スゴイ級のハッカーは出てくるけれど)タダの人が、相手を思いやってそのために決死の行動に出る ーーー そのエイユウ的行為が報われることは -
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きっかけはツイッターのTLに流れてきたことだったか……。元々カンチガイ系ファンタジーや、「ぼくの考えたさいきょうの××」ネタが好きなので即フォロー。そして今に至る。
忍殺語と称される作中用語の出来があまりにもよいし、ネタやツボを心得ているので、最初は「天外魔境」シリーズのように「自称日本通のガイコクジンが書いたという設定」で執筆したものではないか……と思ったのだけど、それはさすがに私の邪推だったよう。
閑話休題。
用語・設定・作中用語の言い回しから、どうしてもネタ小説、イロモノ扱いされることが多いけれどもどうしてどうして。こうした書籍のかたちできちんと(と、言っても時系列を無視して -
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ニンジャが出て殺す!
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Twitterで大好評連載中のサイバーパンクニンジャ小説『ニンジャスレイヤー』待望の第2巻!
1巻に引き続き、既存のアトモスフィアを維持しながらに、さらにマッポーのニンジャ世界観に磨きをかけている。
重篤なニンジャヘッズにはもちろん、ニュービー・ニンジャヘッズにも解りやすいような奥ゆかしい配慮が要所要所になされていて、読めば読むほどニンジャスレイヤーの世界に引き込まれる。
ニンジャを殺すニンジャ、「ニンジャスレイヤー」となった主人公フジキド・ケンジ。現れるニンジャを殺すうちに、ネオサイタマを影で操る存在が徐々に明らかになって行く。人々から無慈悲 -
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ネタバレ映画化もされたアラン・ムーアの「ウォッチメン」や、有名作家たちが短編で歴史をつむいだスーパーヒーローモザイクノベル「ワイルドカード」への日本からの回答かもしれません。
そんな思いを抱くほど、オープニングはまぎれもなく「ウォッチメン」。
説明無くスーパーヒーローやミュータントが実在する世界でサラッと始まり、
タイトルでもある「キーマン」を名乗る無敵のスーパーヒーローがいきなり殺されると言うキャッチーさ。
これは、その1コマあたりの情報量からコマ凝視を強いられる「ウォッチメン」が、日本のマンガのコマからコマへ流れる感覚で再現されていくのかの思いきや、
ヒーローの存在には魔術が関わってくるという -
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ネタバレコミックリュウ新連載勢で好きな漫画のうちのひとつ。
アメコミタッチな戦闘シーン、演出と日本漫画ちっくなキャラという面白い描き方をしてるぞ!
こういう特徴もってる漫画家って言ったら王ドロボウの熊倉裕一先生、ジャバウォッキーなどの久正人先生ですなぁ。
この漫画ではヒーローというのが存在してるんだけど、それはなんというかKEYMANを語る上でのひとつの目眩ましであった。1話目であんなに強い奴が速攻死ぬというミステリ方面に進むのが(;゚д゚)ゴクリ…って感じで面白かったですね。
まぁあとはこれからKEYMANがどんどんでてきて価値が下落するんだろうけどwいったいどうんな能力やなんやかんやで盛り上 -
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サイバーパンク・ニンジャ小説『ニンジャスレイヤー』第1部ネオサイタマ炎上の1巻です。
マルノウチ・スゴイタカイビルにて妻子の命を奪われたフジキド・ケンジですが、ナラク・ニンジャのソウルを宿すニンジャスレイヤーとなり復讐を誓います。
多くの登場人物がいる割に時系列順ではありませんが、目茶苦茶な世界観によりそんなことは全く問題になりません。
ネオサイタマで暗躍するソウカイヤ・シンジケート、バイオスモトリやクローンヤクザなどを秘密裏に開発するヨロシサン製薬、その他訳の分からない組織との熾烈な争いが描かれます。
1巻目ですが“アイエエエ!ニンジャ?ニンジャナンデ!?”などの多くのパワーワードが収録され -
独特のタッチ
日本ではあまりみない、アメコミ風の画風。
評価が高かったので全巻まとめ買いして開いた瞬間驚いた。
こういう話で、こういうタッチなのか・・・と。
エロさもそこそこ通勤満員電車で隣の女性にしかめっ面されない程度だし。
バッチグー(死語か) -
Posted by ブクログ
ネタバレ『ニンジャスレイヤー』シリーズ『ネオサイタマ炎上』編第3巻。
今巻は、エピソード「ストレンジャー・ストレンジャー・ザン・フィクション」にて、怨敵ラオモト・カンに協力者ナンシー=サンを攫われ幕を閉じる。エピソードの時系列が「ランダムにカットアップ」されているとはいえ、物語の終結が見えてきた印象。
「ヨイデハ・ナイカ・パッション重点」「あの男は天狗ではなく、ヤクザでもなく、ヤクザ天狗であった」など、独特の言語センスには今回も笑わされる。
コミカルな台詞回しや、漫画的なバトルシーンの裏側に、傷つきながら生きる市井の人々の姿が映る描写も、相変わらずハードボイルドで決まっている。