吉村龍一のレビュー一覧

  • 光る牙
    〇恐怖の山登り、表紙が読者に襲いかかる
    道庁森林事務所日高支所に所属する孝也は、大先輩の山崎と共にいつも活動している。行方不明者でカメラマンの渡辺やエゾシカがずたずたに「喰われている」のを見てヒグマ(羆)による食害事件だと気づいた二人は、他の面々と捜索を開始し羆を仕留めるも、カメラマンを食ったのは別...続きを読む
  • 焔火
    とにかく描写が素晴らしい
    見事に五感を使って読んだ
    というか鉄の人生を体感したよう。
    あまりといえばあまりにも壮絶な展開
    鉄も含め、登場人物のほとんどが
    ここまで貶められるのか
    もう勘弁してやって~!と
    懇願するように読んだ。

    子供や病人、身体の不自由な人間に対して
    すさまじい差別がある一方
    あや...続きを読む
  • 焔火
    主人公、鉄の過酷な運命にとにかく圧倒された。
    生まれ育った村での差別、いじめ、凄惨な仕打ち。
    人間が持っている闇の部分と憎しみが露にされた序盤、あまりのショックに読み続けられるか不安になったほど。

    村を出てからの鉄の生き方が力強い。
    日々仕事に打ち込むひたむきさと、重労働の後の達成感。
    仲間との連...続きを読む
  • 隠された牙 森林保護官 樋口孝也の事件簿
    短編6作収録
    北海道日高の森林保護官のお話
    いずれの物語も楽しめますがやっぱり羆絡みは
    別作品「光る牙」のこともあり気になりました
    続編もあるのかななんて思ったりします
  • 光る牙
    雪山の大変さと熊の恐怖でぐいぐい引き込まれました。前に似たような熊の話読んだんだけど、題名なんだったかな…?あれも面白かったなー
  • 光る牙
    登場する羆は少し現実離れしているような印象だが、とにかく引き込まれた!

    天気や山の風景、車や銃の感触など細かい描写が多くて、臨場感があったからかな。主人公と同じ目線になれて読み進めることができた。
    とくに追われながらの下山の際など、主人公の気持ちがこちらにも伝播してくるようで、まさに手に汗握る展開...続きを読む
  • 光る牙
    北海道・日高山脈。玄冬の山に単身分け入ったカメラマンが無惨な遺体となって発見される。息詰まるサスペンスさながらのプロローグ。やがて、これは殺人ではなく食害事件だと断定される。襲撃したのは冬眠しそこなった羆(ヒグマ)。その羆は駆除隊により仕留められ一件落着と思いきや、新たな羆による被害者が現れる。再び...続きを読む
  • 光る牙
    ラッシュフィルム観てるみたいな荒削りの小説だが、その荒削りさが気を吐く元気さを飾っていて、思ってたより面白い仕上がりになっている。これメッケもんやったかも。

    こないだ読んだ「約束の地」という小説に、設定も登場人物も展開も非常に似ているし、「約束の地」の方が読み応えも文章のこなれ方も上なんだけど、荒...続きを読む
  • 光る牙
    何気なくジャケ買いしたのだけれど、これが予想外に面白かった。そして、予想外に文章が巧みな作家さんだった。
    北海道日高山脈に出没した白い羆(ひぐま)と、それに対峙する森林保安員のお話なわけだが、単なるパニック物ではなく、決して犯してはいけない神聖な領域というものが確固として存在すること、それをないがし...続きを読む
  • 焔火
     本作は第6回小説現代長編新人賞受賞作であり、選考委員である花村萬月・角田光代という両作家のコメントが本の帯に印刷して巻かれている。さらに帯の正面に太文字で描かれたセンセーショナルな言葉『生きることは殺すこと』。

     そもそもが書店で手にとったのは、新作の『光る牙』。日高を舞台に羆との対決を描いた山...続きを読む
  • 焔火
    主人公の暗黒にさしつづける一筋の光、これこそがこの物語の救いであり、魅力である。そしてそれには最後まで読むものを引っ張る力があった。
    ただし、最後の一山の前フリが『放火』なのはかなり疑問。ここを流さず納得させて欲しかった。
  • 焔火
    畑で読み始めたら止まらなくなって一気読み。仕事にならなかった。

    帯のコピー「生きるとは殺すこと」というのは単純化しすぎだが、主人公が野生動物のように生き抜いていく物語に圧倒された。

    甘っちょろい今の日本人に、そして自分に、この生き様を叩きつけたい。ふわふわしたこと言ってんじゃねーぞと、思う。読み...続きを読む
  • 光る牙
    北海道の森林保護官が遭遇する巨大な羆。
    消息を絶ったカメラマンの捜索から始まり、羆は銃殺されるも、それでは終わらなかった。
    その羆よりも遥かに巨大な羆がいる。
    元自衛隊のベテラン山崎と新人の孝也の緊迫した山での状況と緊迫した羆との壮絶な闘いは手に汗握る迫力だった。

    2024.2.1
  • 光る牙
    読み進むほどにタカと一体化し、暗く静まり返った山の中で白羆に付け狙われる恐怖に心が凍りついていた。 吉村さんの自然描写や羆の獰猛さが活字の世界を映像に変えてくれる。 読み始めから日高山脈に踏み込み、たっぷりと吉村ワールドを楽しませていただいた。(^_^)v
  • 真夏のバディ
    二人の高校生が車で旅するお話
    二人はなにか気が合って仲良くなった
    二人の視点が交互に話は進む
    直次郎は塊太の特技に気づきそれを生かすイベントへ
    向かうことに
    内容はいいけれどちょっと物足りなく感じました
  • 光る牙
    初めての熊作品。読み始めてすぐにその場にいるかのような臨場感を味わえた。山の中の風、匂い、音、雨や雷などの自然と、人々の息づかいや羆の咆哮がリアルに体感出来ました。ストーリー自体は想像通り。しかしあの臨場感はすばらしい。

    説明
    内容紹介
    厳冬の北海道、消息を絶ったカメラマン捜索のため、若き森林保護...続きを読む
  • 真夏のバディ
    よくある凸凹コンビものだが、互いの足りないところを補い合いつつ深まる友情っていいなと思った。
    ただ最後が駆け足気味。
  • 光る牙
    まず北海道日高の雄大で幻想的な情景描写が素晴らしい。止め足、下り熊、背擦り、止め糞、上り熊等のクマ四十八手を駆使するバケモノ羆がベテランと若手の森林保護官2名と壮絶な死闘を繰り広げる。武器、車、道具の説明や運転テク含めたアクションの描写がマニアックで何だかとてもスタイリッシュ。途中、渋いベテラ...続きを読む
  • 光る牙
    一気読み
    ヒリヒリした緊張感が続く
    ただ細部が読み返してもイマイチ理解できず、すごくもったいない
    映像化したら怖いだろうなー
  • 焔火
    読み終えてとても疲れた。主人公の身の上に起こることが、激しすぎて素直に受入られない。再読はないでしょう。