最近女性作家の作品を続けて読んでいたので、無性に男っぽい無骨な作品が読みたくなって手に取ったこの小説。
結論から言うといささか男度が高すぎた(笑)
吉村さんは二作目。
前回読んだ「光る牙」が手に汗握る怒涛の展開で非常に楽しく読めた作品だっただけに期待大。
今回の舞台は昭和初期の山間の東北の村が舞
...続きを読む台。
村八分の貧しい家庭に育った鉄が唯一心のよりどころとしているのが、やはり嫌われ者一家の娘、おミツ。
そのおミツが村の若者の手によって命を奪われる所から物語は大きく動き出す。
おミツの敵を討ち、村を離れる鉄。
その後の逃亡生活は過酷以外の何ものでもなく、行く先行く先で小さな幸せを見つけてもすぐにはかなくも散ってしまう。
鉄のその後の運命やいかに。
ロードムービーさながらの、ハラハラドキドキ感満載な物語。
悪くはないと思うけれど、繰り返される凄惨なシーンに気持ちが萎えてしまって、鉄の心情についていけなくなってしまった。
クライマックスが多すぎて、全体的に単調と言う感も否めないし・・・。
こう考えると、「光る牙」は同じようなハラハラドキドキ作品とは言え、断然完成度が高くなっているのが良く分かる。
この作品がデビュー作と言うのを考えれば、文句なしにすごい!
今後も追っていこうと思う。