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Posted by ブクログ
〇恐怖の山登り、表紙が読者に襲いかかる
道庁森林事務所日高支所に所属する孝也は、大先輩の山崎と共にいつも活動している。行方不明者でカメラマンの渡辺やエゾシカがずたずたに「喰われている」のを見てヒグマ(羆)による食害事件だと気づいた二人は、他の面々と捜索を開始し羆を仕留めるも、カメラマンを食ったのは別のもっと大きい個体ではないかと疑いを持つ。そして後日山で羆に遭遇したという道議から、それを裏付ける証言を得るが…
次々と見つかる死体や襲われる人々。大きさしかわからない、得体のしれない相手に立ち向かおうとする恐怖感はビシバシと伝わってくる。自分たちは生きて帰れるだろうか。いくら山を知っているとは言え、冬山では羆の方が一枚も二枚もきっと上手だ。
そんな孝也の心配は、現実のものとなる。
ラストは畳みかけるように、山崎との別れ。そして、白羆との邂逅。
表紙にあるような羆が襲ってくると考えると、とても正気ではいられない。誰もがこの小説から逃げ出したくなるが、主人公たちの行く末を見届けたくなり、イッキ読みだろう!
Posted by ブクログ
登場する羆は少し現実離れしているような印象だが、とにかく引き込まれた!
天気や山の風景、車や銃の感触など細かい描写が多くて、臨場感があったからかな。主人公と同じ目線になれて読み進めることができた。
とくに追われながらの下山の際など、主人公の気持ちがこちらにも伝播してくるようで、まさに手に汗握る展開だった。
読みやすい一冊なので、小説は苦手という方にも読んでもらえるかなと思う。
あと、著者は山というか自然が好きなんだなと強く感じた。括り罠の件からは警鐘を鳴らしてるように思うし、白い個体は山の総意のように描いているし、山に携行する装備についても抜かりはない。
もとが自衛官というのもあるかもしれないが、好きじゃないと書けないような気がする。
私も山登りをするので、そういった点でもとても楽しめた一冊!
Posted by ブクログ
北海道・日高山脈。玄冬の山に単身分け入ったカメラマンが無惨な遺体となって発見される。息詰まるサスペンスさながらのプロローグ。やがて、これは殺人ではなく食害事件だと断定される。襲撃したのは冬眠しそこなった羆(ヒグマ)。その羆は駆除隊により仕留められ一件落着と思いきや、新たな羆による被害者が現れる。再び山へと向かい、最強の野生動物「羆」との壮絶な死闘を描く・・・。
短いセンテンス、効果的な体言止めがスピード感あふれる文体を生み、濃厚な自然を活写していく。山、雪、雨、生きとし生けるものへの畏怖の念を感じずにはいられない一気読み必至の冒険小説。
先日「羆嵐<吉村昭著>」読んで以降、羆、狼・・・、獰猛かつ孤高の動物が主役の冒険小説に興味が向かっている。
Posted by ブクログ
何気なくジャケ買いしたのだけれど、これが予想外に面白かった。そして、予想外に文章が巧みな作家さんだった。
北海道日高山脈に出没した白い羆(ひぐま)と、それに対峙する森林保安員のお話なわけだが、単なるパニック物ではなく、決して犯してはいけない神聖な領域というものが確固として存在すること、それをないがしろにする人間たちの驕りと愚かさ、を見事に描き出している。
張り詰めた緊張感、ノンストップの緊迫感、見えない相手の圧迫感、羆の怒りと悲しみ。
細かな描写で多少わかりづらい箇所はあるものの、始まりから終わりまで、圧倒的なディテールの細かさで物語りは裏打ちされる。
ぐいぐい引き込まれた。傑作だと思います。
Posted by ブクログ
まず北海道日高の雄大で幻想的な情景描写が素晴らしい。止め足、下り熊、背擦り、止め糞、上り熊等のクマ四十八手を駆使するバケモノ羆がベテランと若手の森林保護官2名と壮絶な死闘を繰り広げる。武器、車、道具の説明や運転テク含めたアクションの描写がマニアックで何だかとてもスタイリッシュ。途中、渋いベテラン保護官が相棒の若手をタカと呼び出した辺りから、もう2人共グラサンを掛けた『あのコンビ』にしか見えなくなってしまった。『あんけーないね』と言いたいとこだが思ったものはしょうがない。ラストは有りがちな展開で終焉するが全体的に読み易く楽しめた。
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