うーん、評価が難しい本だなぁ。
著者が言いたいことには概ね賛成だけど、本の質としては難しい。
タイトルはいわゆる「釣り」で、キャッチーなものをトップに持って来て多くの人に買わせ、最終的に自分の主張に持って行くスタイル。
ああ、こういうやり方もありなのか、と思った。
でも、肝心の「宝くじで1億円当てた人の末路」が、実際に当てた人にインタビューするのではなく、経済専門家でもないよくわからない会社の取締役に聞くっていうのがね……。やっぱり納得いかないかな。
あとは「ワイシャツの下に何を着るか」の人、そりゃ、自分はオサレの最先端イタリアで修行してきたってのはあるんだろうけど、高温多湿の日本で半袖シャツを断罪し、シャツの下に何も来ないのを推奨するのはそりゃ炎上するでしょ。
それに、日本のリーマンすべてが会社で国際的なものに関わるわけでもないしさ。これは女の私でもリーマンに同情するわ。
むしろ、「そういう大事な時のために、いい感じの置きシャツや置きスーツしといたらどうですか?」みたいな論調にすればいいのに……。
これも一種のマウンティングなのかな?と思った。オサレマウンティング。
今、ヨーロッパも人が死ぬほどの高温になってるわけだけど、それでも同じことが言えるかな?
他は結構面白かったんだけどね。
大島てるも、キラキラネームも、賃貸派も、子供を作らなかったも。
著者の主張は「同調圧力をぶっとばせ」に集約されて、そこは非常に同意できるのだが、各章における結論の持って行き方が強引すぎるかな。
「え?それ、関係なくね?」っていう方向に持って行きすぎ。
あと、わかりやすく書いているつもりかもしれないけれど、頭の悪そうな文章が散見されるのが残念。
慶應出てるのになぁ……。
同調圧力に負けるな!というテーマはすごくいいと思うのだけど、この文章で皆が納得するのだろうか、とは思っちゃう。
もったいないなぁ。
この著者に関しては、これ以上知る気は起きなかったけれど、それぞれの専門家については興味が湧いたかな。
そもそも、こんな本1冊で物事の全てがわかるわけではないので、深く突っ込もうと思ったらいろいろな情報を集めないといけないですね。
一生賃貸で本当に大丈夫?みたいな話は、一人の意見だけじゃなく、いろいろな方面から情報を集めて最終的に決めることになるでしょうね。
この本が、そういうことを考えるきっかけになったと思えば、「買って損した〜〜〜」と思っている人も少しは気が晴れるかも。
まぁでも私は、宝くじで1億円当てたいですけどね。