太田康介のレビュー一覧
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前作『のこされた動物たち 福島第一原発20キロ圏内の記録』の『その後』を追った写真集です。なんというのか…。被災地に残された動物たちのたどった過酷な運命をこうして突きつけられると気持ちが重くなります。
前著、『のこされた動物たち』の続編にあたる写真文集です。福島第一原発20キロ圏内で生き残っている犬や猫をはじめとする動物たちや、力尽きてしまった動物の最期。さらには『殺処分』という形で迎えた彼らの悲しい運命を写真と文でつづっていきます。
前作に引き続き、これを読んで初めて知るようなものばかりで、著者たちが保護しようにも野性の生活ですっかり人間たちに警戒心を持ってしまった犬や猫がなかなか保護できず、手遅れになってしまったり、誰もいなくなってしまった町の中に、放されたガチョウが一羽たたずんでいる写真や、やせ細ってへたばってしまう牛など、正直な話「うっ」となってしまうような写真も多く、本当に前作同様、最後まで読むのがつらい写真集でありました。
さらに、彼らを保護するボランティアに大きな『壁』となって立ちふさがったのは行政や、警戒区域などの指定によって検問が張られ、保護活動を自粛せざるを得ない状況があったことがつづられておりました。それでも、現地で生きる彼らには子供ができたりと、彼らなりの『営み』があったりと、そんなことを考えさせてくれるものでございました。手にとって一度読んでいただけたらと…。そんなことを願ってやみません。 -
Posted by ブクログ
本書は福島第一原発20キロ圏内で打ち棄てられ、助けを求める動物たちを、ボランティアのカメラマンが撮りためた3か月に及ぶ記録です。この写真集とルポを読んで、彼らもまた被害者であると痛感しました。
本書は「3・11」以降に福島第一原発20キロ圏内内で撮影された、動物たちの記録です。動物保護のボランティアをされている方が現地に入って3ヶ月間に渡って撮りためた記録です。正直な話、かなり悲惨な写真が含まれているので、そういうものを見るのはイヤだという方にはお勧めできないのですが、震災の片隅でこういうことが起こっているのだよと、そういうことを知りたい方にはぜひ手にとっていただけたらと思っております。
本文にいわく、
「私は、ごめんよ、ごめんよ、と謝りながら写真を撮りました。私にできることは、写真を撮り、今起こっている現実を多くの人に知ってもらうこと。それしかできないのです」
とのことで、やせ細った体を引きずりながら歩く犬や猫。家畜の厩舎では瀕死の状態になりながらすでに事切れてしまった仲間たちを隣に生きている牛や馬や豚。ノンフィクション作家の佐野眞一氏によると、家畜が全滅した厩舎はにおいやウジや成長したハエが充満して、この世のものとは思えない地獄絵図が展開されていたそうです。
激しい飢えや渇きに見舞われていた牛たちの中にはボランティアに解放された後、真っ先に水のあるよう水路へと赴き、そのまま落ちて上がれなくなっている写真や、沼で事切れている多くの牛たちの写真があって、これはもう、見ていて悲惨の一言に尽きるものでありました。巻末のほうにはここで掲載されている出会った動物たちの「その後」が記されております。すべてがすべて安心できるものではないのですが、あの苛酷な環境からは逃れることができたことだけはボランティアの方々の努力や有志の方々の努力によってなされたようで、そこにだけは、ほっと胸をなでおろしてしまいました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ衝撃的には前作の方が上。
でも。
あれから一年経とうとしている過程での惨状。
tvでは決して放映していない事実。
日本にある原発が全て停止した今、だからこそ考えなければいけないのではないだろうか?
こういう状況になったのは『誰の所為』ではなくて、個人で考えていくべき問題。
殺処分された家畜達。
彼等は訳も判らず殺されていく。
誰も居ない町中を闊歩するダチョウ。
頭蓋骨と背骨だけの犬。
猫と思われる前足だけの骨。
頑張ったけど、手遅れで横たわる犬や猫。
悔しくて、情けなくて。
海の向こうの某国では『福島はあの津波を防げたはずだ』といつだったか発表していた。
自国であったら、決して言えない。
自力で何かしたくても何も出来ない自分が悔しい。情けない。
国は何をしているのか。
誰かをあてにしているしていては遅すぎる。
原発反対ではなくて、賛成ではなくて。
教訓としなくてはいけない。
この本は、このまま継続して様子を伝えて欲しい。
心から切に願う。
このまま 風化 していかないようにする為にも。 -
Posted by ブクログ
この猫たちは 地域猫といって
お世話してくれてる人がいる猫たちです。
それにしても 本当に野良ちゃんたちの
暮らしは 厳しいですよね。
ただ 生きてるだけなのに。
人が勝手に 捨てたのに。
猫たちは 何も悪くないのに
いじめられたりするのは 嫌ですね。
そういう 猫たちの為に
自腹で 餌を用意してくれたり
本当に優しい おじさんたちがいてくれて嬉しいです。
最後は みんな ばらばらに なっちゃったけど
きっと幸せに暮らしたのだと思います。
ぽーちゃんよりも 先に飼い主さんの所の家族になったしろちゃん。
しろちゃんも 飼い主さんの所で 幸せになって
最後は 飼い主さんの腕の中で 旅立っていきました。
悲しいけど 短い猫生だったかもしれないけど
とっても 幸せだったと思います。
お空で飼い主さんや 仲間のにゃんこを見守ってるでしょうね。
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Posted by ブクログ
事故以来、避難区域になっている福島第一原発の20キロ圏内は人間こそいないものの、動物たちが生きている。ペットや家畜として人間とともに生きていた動物たちが残されている。飼っていた人、育てていた人は、一時のつもりで置いていったり、避難所へ連れて行けなかったりしたために残していったのかもしれないが、結果としてその後、家には満足に帰ることもできず、動物たちは過酷ななかで生き、そして命を落としていった動物たちも少なくない。収載されている写真は、身につまされるし、胸が痛くなる。目をそむけたくなるような惨状の写真もある。人が住んでいた痕跡があるからこそ、なおさら悲惨に映る。
鎖につながれたり、食べられるために生きることは決して幸せではないけれど、そうして生きていた動物たちにとって人間がいない、つまり世話をしてくれない状況では生きていけない。いくら動物とはいえ、自然に順応するにはそれなりの時間がいる。また、人がいなくなったこの地域でのびのび生きているかもしれないけれど薬殺に遭ったり、何より放射線被曝で苦しみながら生きていかなければならないのかもしれない。
いざとなったとき人間と動物とどちらを助けるか――そう問われれば人間のほうを助けると答えるだろうし、実際にもそう振る舞ってしまうだろうけど、人間か否かというだけどあまりにも痛みなく命を扱ってしまってはいないだろうか。人を信じて、身を委ねて生きていた動物たちに、あまりにも酷な生き方を強いていることにも思いを向けなければ。