【感想・ネタバレ】のこされた動物たち――福島第一原発20キロ圏内の記録のレビュー

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Posted by ブクログ

原発がどういうものかということを
動物たちがその命をもって教えてくれているのだと思った。

この動物たちのメッセージを
著者は、写真と文とで私たちに伝えてくれているのだ。

人という、このいいかげんな生き物に、
親愛の情を示し、一度(ひとたび)信頼したら、
その信頼ををつらぬく動物たちを、裏切ってはいけない。

一人でも多くの日本に住む人に、
一人でも多くの原発の地元住民のひとたちに
目を通してほしい本だ。

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2012年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

報道カメラマンの太田さんが撮った福島の動物達の写真。

写真集・・・といっても悲しい写真です。
見ているそばから。
ページをめくりながら 泣きます。涙が止まらないんです。

動物達の『何故?』が。
厩舎、牛舎、豚舎、犬や猫のどうして?
彼等に理解出来るはずはないだろう。
人だって『対岸の火事』として受け止めている人が多いから。
理解出来てない人も居るんだから。

事実として受け止めなければいけない。
後世に残さなければいけない。
確かにTV的にはNGなのだろうけど、現実を現実として受け入れないと。
頑張っている人に、『頑張れ』とは言えない私。
それでも『生きろ』と言いたい。
それは生きとし生けるもの全てに対して。

震災から3ヶ月後でこの惨状。
とんでもない数値のSv/hの中、彼等は生きてる。
何も出来ない歯痒さを感じながら読み終える。
lastに保護された犬や猫の行く先が綴られて少しホッとした。

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2012年04月09日

Posted by ブクログ

ひたすら胸が痛い。

福島第一原発の20km圏内に残された動物達。
そこには目を背けたくなるような、まるで地獄絵図のような光景が広がっていた。
身を寄せ合うようにして一塊になって息絶えている豚や、衰弱してもう立つことさえ出来ない牛たちの姿は、ただただ哀れで辛い。

なんでこんな事になってしまったんだろうと、読みながら涙が出た。
原発の影響で突然人の姿が街から消え、何が何だかわからないままに餓死していく動物達。
それでも、生き残った者達は大好きな飼い主の帰りを信じて待っている。

いつまでも飼い主の家から離れない無垢な犬の瞳を見ると、なんかもう言葉が出なくなってしまう。

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2012年03月22日

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福島第一原発20km圏内に取り残され、様々な苦労をしている犬・猫等の愛玩動物、家畜の様子を、震災後3ヶ月間にわたり、写真と文章に記録したもの。飼い主に見捨てられたにもかかわらず、家の前で主人が戻ってくるのを、飢えと闘いつつ、寂しげな表情でひたすら待ち続ける姿は健気だ。

野生動物と異なり愛玩動物は、人間との相互関係の中で生活するものであり、その生存に関わる最大の要素は、飼い主の資質や責任感、次いで、飼い主による十分な保護が叶わなくなった場合における公的・社会的支援の成熟度である。平時から年間30万匹の犬猫が殺処分される日本では、未曾有の大震災の前に、為す術もなく、ただひたすら動物たちを見殺しにせざるを得なかった。本書は、そうした事実を、目を覆いたくなるような写真とともに、我々に残酷に突きつけてくる。

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2012年02月15日

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頭ではわかっていたけど、こんなことになっているなんて…。

「かわいそう」一言では済ませられないのはわかっています。
優先順位をつけるのは必要だと思うし、ある意味仕方がないと言えるのかもしれません。
でもこの写真を見て、そういう事を抜きに心が痛みました。
やっぱりこういう現実を突き付けられた時、人は頭ではなく心で感じるんだと思いました。

正直見るに堪えない写真ばかりでした。
でも見るべきだと思う。
人の想像力ってやっぱり限界があるんだよね。
幸せに暮らさせてもらっている人間として、しっかり見るべきだと思う。

でも見るだけ、知るだけでは足りないと思う。
この想いは行動しないと伝わらない。

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2011年11月20日

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衝撃を受けた。いかに人間が自分勝手か思い知らされる。目を覆いたくなるけど、ちゃんと向き合わなければいけない現実。

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2011年11月19日

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読みたい読みたくないはフィクション。
読まなきゃいけないがノンフィクション。
だから読んで欲しい、一冊です。


私たちは生きて生きて、一緒に生きなくちゃいけないね。

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2011年11月12日

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胸が詰まる写真。残された動物の気持ち、置いていかざるを得なかった飼い主の気持ちを考えるとき、ここに至たる状況を作り出した人間を責めても、飼い主を責めることなんてできはしない。太田氏の厳しくも優しい視線の文章に少し癒される気がした。語り継ぎたい本である。

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2011年11月10日

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泣きながら本のページをめくりました。
原発事故のせいで、その場に残された動物たち。
そして、自分たちの飼い主が帰ってくるのを待ち続ける犬や猫。
すでに命を落としてしまった動物たちもたくさんいます。
原発事故さえなければ、あんな姿で命を落とすことはなかっただろうし、美しい福島の土の上を元気に走ったりしていたことでしょう。

人間はなんとか避難できていますが、でも動物たちは残して行かざるをえない状況にあります。
そして、そんな動物たちのことを思い、ボランティアで保護活動している方がおられ、中には、毎週東京から福島に来て、保護活動をしている人もおられるとか。そして、その方はそのためにお金を使いすぎ、週末はアルバイトをしてお金を貯めていると。

民間人がそこまでしているのです。
この原発事故を引き起こした人たちは、一体何をしているのか、とそんな思いもでてきました。

出来ることは限られていても、出来ることを少しずつ行動にうつしたいという著者の太田さん。私に出来ることは何だろうかと考えさせられました。

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2011年10月21日

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のこされた動物の様子をみて、
この動物たちの飼い主の気持ちを考えたら涙でた。
まだ、ペットは保護も可能だけど、
牛や馬の目を背けたくなる死の姿。
震災の影響は、想像できなかったところまで及んでいて、あまりにも大きすぎる。

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2011年10月04日

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胸が締め付けられる…ペットや家畜と括られる、ヒトではない命が、ヒトの都合で消えていく…訳も分からず途切れる命と、その現実を諦めざる得ない飼い主の悔しさを思うと、ほんとうに「チクショー、ゴメンナサイ」としか言えない。あたかも事故が収束したかのように、大手メディアはもう何も伝えなくなってきている今だからこそ、もう一度考えなければならない…使いこなせず、管理もできず、消し去ることも出来ない…そんなエネルギーをまだ必要だと言うのか?

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2011年09月26日

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「予測できなかった」

なんて

誰がこの子たちに言えるんだろう



ごめんね

私の生きてきた場所で
ずっとずっと苦しんでた皆のこと

知ってすらいなかったよ


ごめんね

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2011年09月26日

Posted by ブクログ

私の高校時代を過ごした南相馬市の動物たちが写っていると聞いて読んだ本。
もしも、震災をどこか他人事だと感じている人も、ページをめくって欲しい。映画じゃなくて、残酷な、目を覆いたくなるような原発事故の現実が、写真に収められている。

知り合いの22歳の女のこは、戦争映画やこういう生々しい映像は苦手だと言う。見たくない、と。


強要は出来ないし、見るのも見ないのも、個人の自由。

それでも、自分のことだけじゃなく、自分の周りの世界にも目を向けて欲しい。たとえ自分に直接関係がなくても。
自分がよければいい、そういうエゴの時代に起きた震災を、目を背けずに自分や周りのことを考えるキッカケにして欲しい。

他人事、そう思っていると、次は自分も経験する。人生は帳尻がつくように出来ている。

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2011年09月02日

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ネタバレ

人に飼育されていた馬や牛のその後の姿、
ペットだった猫、犬たちの様子に胸を締め付けられました。
衝撃的な写真もあれば、切ない写真、つらい写真も。

残していかなくてはならなかった飼い主さんたちの気持ちも思うと、
本当に言葉になりません。

起きてしまったことは仕方がないけれど、
できるだけ早いレスキューと、
今後、二度と同じことを起こさないようにするのが、
飼い主を待ち続けて息絶えていった彼らに対して、
人間が最低限なすべきことかと。

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2011年08月16日

Posted by ブクログ

本書は福島第一原発20キロ圏内で打ち棄てられ、助けを求める動物たちを、ボランティアのカメラマンが撮りためた3か月に及ぶ記録です。この写真集とルポを読んで、彼らもまた被害者であると痛感しました。

本書は「3・11」以降に福島第一原発20キロ圏内内で撮影された、動物たちの記録です。動物保護のボランティアをされている方が現地に入って3ヶ月間に渡って撮りためた記録です。正直な話、かなり悲惨な写真が含まれているので、そういうものを見るのはイヤだという方にはお勧めできないのですが、震災の片隅でこういうことが起こっているのだよと、そういうことを知りたい方にはぜひ手にとっていただけたらと思っております。

本文にいわく、
「私は、ごめんよ、ごめんよ、と謝りながら写真を撮りました。私にできることは、写真を撮り、今起こっている現実を多くの人に知ってもらうこと。それしかできないのです」
とのことで、やせ細った体を引きずりながら歩く犬や猫。家畜の厩舎では瀕死の状態になりながらすでに事切れてしまった仲間たちを隣に生きている牛や馬や豚。ノンフィクション作家の佐野眞一氏によると、家畜が全滅した厩舎はにおいやウジや成長したハエが充満して、この世のものとは思えない地獄絵図が展開されていたそうです。

激しい飢えや渇きに見舞われていた牛たちの中にはボランティアに解放された後、真っ先に水のあるよう水路へと赴き、そのまま落ちて上がれなくなっている写真や、沼で事切れている多くの牛たちの写真があって、これはもう、見ていて悲惨の一言に尽きるものでありました。巻末のほうにはここで掲載されている出会った動物たちの「その後」が記されております。すべてがすべて安心できるものではないのですが、あの苛酷な環境からは逃れることができたことだけはボランティアの方々の努力や有志の方々の努力によってなされたようで、そこにだけは、ほっと胸をなでおろしてしまいました。

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2013年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 福島第一原発20キロ圏内に取り残された動物たちを保護したり、餌をあげたりするボランティアをしながら、そこで見た動物たちを写真でレポート。ペットの犬や猫、家畜の牛・馬・豚…。限りなく切ない。
 特に、家畜の牛や豚たちは、柵の中で糞尿にまみれ飢え死にしている様子がカメラに収められており、粋がつまる。
いずれ食肉となる運命だったのだとしても、人間の都合でこんな過酷な生を強いられてしまった動物たちに、何をすれば良いのだろうか。

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2012年01月25日

Posted by ブクログ

うおおお・・
これはかわいそう
泣ける

こんな光景がすぐ近くで、日本の中で起こってるんだなあ・・

なんか自分も含めて、ちょっと離れてるだけなのに
この別世界感はなんだろう

これでいいのかなー
だめなんだろうな・・

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2012年05月28日

Posted by ブクログ

事故以来、避難区域になっている福島第一原発の20キロ圏内は人間こそいないものの、動物たちが生きている。ペットや家畜として人間とともに生きていた動物たちが残されている。飼っていた人、育てていた人は、一時のつもりで置いていったり、避難所へ連れて行けなかったりしたために残していったのかもしれないが、結果としてその後、家には満足に帰ることもできず、動物たちは過酷ななかで生き、そして命を落としていった動物たちも少なくない。収載されている写真は、身につまされるし、胸が痛くなる。目をそむけたくなるような惨状の写真もある。人が住んでいた痕跡があるからこそ、なおさら悲惨に映る。
鎖につながれたり、食べられるために生きることは決して幸せではないけれど、そうして生きていた動物たちにとって人間がいない、つまり世話をしてくれない状況では生きていけない。いくら動物とはいえ、自然に順応するにはそれなりの時間がいる。また、人がいなくなったこの地域でのびのび生きているかもしれないけれど薬殺に遭ったり、何より放射線被曝で苦しみながら生きていかなければならないのかもしれない。
いざとなったとき人間と動物とどちらを助けるか――そう問われれば人間のほうを助けると答えるだろうし、実際にもそう振る舞ってしまうだろうけど、人間か否かというだけどあまりにも痛みなく命を扱ってしまってはいないだろうか。人を信じて、身を委ねて生きていた動物たちに、あまりにも酷な生き方を強いていることにも思いを向けなければ。

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2011年10月13日

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