大沢章子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
クセ強ロシア人のオンパレードwもちろんの毎晩のウォッカ洗礼式のヤバさも去ることながら、次から次へと困難な調査&大冒険で手に汗握りました!
海を跨いだすぐ向こう側の土地がこんなに過酷だとは…-40度で毎日野宿だとか、まったくタフさの概念が違いますね…おまけに恒例の旧KGB=連邦保安庁FSBの脅しと監視付きという、何ともくわばら恐ロシア!最後の調査パートナーとのオナラ騒動には爆笑w
面白すぎたので、再度読みたくなりそうな予感。
危機に瀕しているアムール川流域の大自然、原始の日本の森そっくりなこの美しい土地の自然がいつまでも守られますように。戦後の日本が、この極東ロシアの森林の破壊に大きく加担してきたことを、今後も胸に刻んで忘れないようにしたい。 -
Posted by ブクログ
ナチス・ドイツによるユダヤ人大量虐殺の中、必死に生き抜いた(主に10代の頃)著者、ヘンリー・オースターさんの実話です。
壮絶な収容所での生活が克明に描かれていました。人間としての尊厳が全くない現実に、言葉を失いました。写真もたくさん載せられており、真実を知ることができました。
ナチス支配下でのユダヤの人たちの生活を初めて知ったのは、小学生のころ読んだ「アンネの日記」。その後、完全版の本を読み、自分がアンネの立場だったらと思うと、いたたまれない気持ちになりました。
アンネは強制収容所で亡くなり、短い生涯でした。一方ヘンリー・オースターさんは生き延びることができたものの、本当に過酷な10代でした。戦争が終わり、収容所から解放された後も、困難な道のりを強い意志で乗り越えてこられました。
辛い体験を告白するのに、どれだけ心の葛藤があったことか。このように本となり、翻訳されて読むことができたこと、本当に本当に有難く思います。強く生きる勇気と歴史の真実を伝えてくださった筆者、翻訳者そしてこの本出版するにあたり尽力された全ての方々に、深く感謝申し上げます。“世界のあらゆる人種の人々が、「寛容」を目指すべきだ”という筆者のメッセージを強く心に刻みました。この本が、世界中の多くの人々に読み継がれることを切に願います。
今現在、平穏に暮らすことできていますが、国際情勢を鑑みると、「歴史は繰り返す」という言葉があるように、ひとたび歯車がくるえば、人間は過ちを犯しかねないと思います。
武力ではない、言葉でもって解決していける平和な国際社会になるよう、世の中の出来事に関心を持ち続けていきたいです。 -
Posted by ブクログ
初めからあまりの迫力に、読むのをやめたいと何度思ったことか。それでも読み進めて行くうちにこれが事実だったのかと打ちひしがれた。アウシュビッツについてはメディアでも取り上げられアンネの日記も読んで、なんとなく知っていた気分になっていたが、今回の読書でいかに何も知らなかったかを思い知らされた。まさに紙一重で命の選択がされる日常。父や母との別れ。人間の尊厳を軽く扱う非情さ。
後半ヘンリーが解放されてからは少しずつ人間らしさを取り戻していき、読む側も心が軽くなっていった。
これを映像化することは賛成しない。この迫力は映像では伝わらない。 もう『シンドラーのリスト』『ライフイズビューティフル』などで映像は観ている。
ヘンリーが最後のスピーチで言った『寛容』。これは皆に自分に大きく響く言葉だ。 -
Posted by ブクログ
現代の日本に生きる我々は戦争は知らないですし、このような悲劇も本や映画の中でしか知りえないのですが、ホロコーストだけでなく、現代のウクライナやパレスチナでの戦争など、目を逸らさずに学ばなければいけない事だと思います。
『この世から消え失せてしまった家庭を、もはやどこにも存在していない家庭を取り返すことなどできないのだ。殺害された家族を取り戻すことはできない。破壊され、焼かれ、葬り去られた暮らしを再生することなどできない。』と言う言葉は、疑うべきもない当然の事のはずなのですが、今も憎しみ合い、争い合っている多くの人々は忘れないで欲しいと思います。
自分は自分自身がこのような体験をして、憎しみは憎しみを生むだけ、寛容こそが全ての人々が目指すべき未来だ。と言える自信はなく、起きない事を祈るばかりです。
アメリカ軍が終戦後すぐに強制収容所での虐殺行為をドイツの一般市民に見せていたと言う事実には驚きました。 -
Posted by ブクログ
1928年、ドイツのケルンで裕福な家庭に生まれたユダヤ人のヘンリー・オースターがナチスドイツの迫害による地獄の日々を振り返り、自ら著したノンフィクション。
彼の父は軍の英雄であり、実業家でもあったが、1935年、ニュルンベルクで開かれたナチ党大会で反ユダヤ主義的方針が固まるや、軍人恩給は停止、住居は剥奪され、強制収用所での労働に従事、一月に一度週末の帰宅を許されることになる。
第二次世界大戦が始まり、1941年にはオースター一家はポーランドのウーチ・ゲットーに収用され、父は作業中に銃撃されて負傷、やがて、失意によるうつ状態の中で餓死する。
残されたヘンリーと母はアウシュヴィッツに送られ、母は選別で命を落とす。
本のタイトルはヘンリーがアウシュヴィッツで従事した仕事を表している。馬にエサをやり、種馬の交配がうまくいくような危険な作業もした。
その後、ソ連やアメリカの進攻でドイツの戦況が厳しくなった1945年1月、「死の行進」や貨車輸送の末、ブーヘンヴァルト強制収容所に移送され、腐りゆく死者の隣りで眠る生活となる。
そんな地獄の中で、九死に一生を得た著者は解放され、米国ロサンゼルスに住むおじ夫婦に引き取られる。彼らの援助でUCLAに入学、その後、歯科医を目指して、USCの歯学部を受験するが、ここでも、残っていた優性学的思想の壁にぶつかる。歯科医の道を断念した彼は、強制収容所でメガネを奪われ、無力化され、尊厳を奪われた多くの囚人たちを思い「検眼士」となった。
ナチのユダヤ人迫害を描いた本は多々あり、既に何冊かは読んできた。しかし、長期にわたる収容所での生活はもとより、迫害以前のユダヤ人に関する歴史的立場の解説や解放されてからの彼らの状況や心情に至るまでの数十年を、ここまで克明に臨場感溢れる語りぶりで書かれた本はなかった。勉強になったのは、ユダヤ人に関する歴史。「ポグロム(ユダヤ人迫害)」は何百年間にもわたって断続的に起きてきた。14世紀、ヨーロッパにおけるペスト流行時には、キリスト教徒が使う井戸にユダヤ人が毒を投げ入れたとして、迫害を受けた。また、ドイツでは、勤勉で教育を重視する民族性から成功することが多く、ビジネスや知的職業で頭角を現したユダヤ人に嫉妬心や偏狭な思い込みが生じた。また、クリスタルナハトについて学べたのも良かったと思う。
著者の知性、心情や感受性の豊かさが表れている描写もあった。解放され、ようやく口にすることができた食事に萎縮した胃がついていけず、大量に食べた者が苦しみながら死んだり、親切な黒人米兵が米陸軍においてユダヤ人同様の差別を受けていることに深い共感を覚えたという点などの記述が印象に残った。
人間としての暮らしや尊厳を破壊され、人間的な感情が失われるという究極の状況での実体験が凝縮された本であり、1ページたりとも、読み流すことはできない、そんな思いで読ませてもらった。 -
Posted by ブクログ
感想:ホロコーストについて何度か読んだことはあったが、これほど実体験を感じるようなものはなかった。共感力の高い人にはとても辛く辛辣な状況に心痛め、悲しんでしまう本であると思う。しかし、傷つくからこそ寛容にかつ人の気持ちを汲んで行動できるようにもなる、そんな一冊であった。
学び:怨念、憤怒による復讐は悪のスパイラルがあり、状況は決して良くならない。しかし、受けた痛みを受け止め、復讐でなく“寛容”に対処できたらどれだけ世界は平和になるのだろうか。これは「言うは易く、行うは難し」であるが、実際にでないことではない。こんな考えや思考を持って行動していきたいと感じた。 -
Posted by ブクログ
読み始めたら想像以上の面白さにどんどんページが進んでしまった。オオカミの生態もさることながら、オオカミの研究者である著者の文章もとても面白く、前書きなどで彼の友人が書いていたことは本当だと思った。
この面白さ、昔なにかで味わったことがあるなと思い至ったのが、『シートン動物記」。一人の人間によって成し遂げられたとは思えない(協力者からの証言などももちろん含まれるが)とても細かい観察記録でありながら、わからないところが一切なく、かつ物語のように楽しめる。
”事実は小説よりも奇なり”とは言うが、この物語から言えるのは”動物は人間より奇なり”だ。もうほとんどヒューマンドラマを見ているのと同じような感覚だった。こんなに面白いのはきっと、オオカミ達の関係性に人間と共通するような複雑さがあるだけでなく、そこに野生動物の切実な生き様も加わっているからだろう。私たちは真剣に生きるこの生き物にずっと惹かれ続けているのだ。
友情・家族・恋模様、敵対勢力との戦いから家庭内暴力まで。母オオカミが実の娘にいじめられる苦しい場面もあり、かと思えば血のつながらない父子の間に生まれる絆もあった。年若いリーダーカップルの無邪気なじゃれあいも。そして、原題にもあるこの物語の主人公、小柄だが優しく強い父オオカミのナンバー8、そして彼に育てられたナンバー21が世界で一番有名なオオカミになっていく。
安心できる環境の中で過ごす人間の、想像をはるかに越える野生の世界の厳しさ。しかしそうでありながら、家族を労り、疲れているときでも子どもと遊ぶ時間を楽しむ。その日一日家族が生き抜くための食糧を狩りにいく。しかも何頭分もだ。家族というものを維持するために、こんなに努力する動物がいる。そしてそれらの物語は、こうして記録に残されない限り、ひっそりと森の中で続いているのだ。
8の死後、その脳が解剖され、生前8が多くの負傷を抱えながら狩りを続けていたことがわかった。著者はその様子をモハメド・アリに例えた。しかし8はスポーツ選手ではない。身体が壊れたら引退を宣言できるわけではなく、生涯現役で家族のために戦い続け、その最中に死んでいく真の戦士だった。
そして最後の8と21の戦い。
不敗の戦士に成長した21が尊敬する義父とどんな戦いを繰り広げたのか。実際に読んで味わって欲しい。