あらすじ
アメリカ人の大学院生が、ロシアの辺境で、シマフクロウの捕獲に挑む。科学的探究×荒野の冒険×クセ強ロシア人。3つの要素が絶妙に交差する傑作ノンフィクション。全米図書賞(2020)ノミネート作品。ネイチャー・ブック・オブ・ザ・イヤー:『タイムズ』(ロンドン)ほか、受賞多数!
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Posted by ブクログ
素晴らしいノンフィクション。動物学者という人達がどのような活動を何のためにやっているのかよく知らなかったが、非常によく分かった。対象動物がシマフクロウという注目度の低い(アムールトラなどと比べて)動物のため、限られた予算でかなりの僻地で長期間過ごさなければならない。その情熱と成果に頭が下がる。自然保護のために重要な活動であり、またロシアにもそれを理解して協力してくれる人がたくさんいるのは心強い。
Posted by ブクログ
ロシア沿岸地域の危険に満ちた雪解けや怪しい人々が満載で冒険記として面白い。古儀式派の集落だった廃墟とか元情報機関の職員との意味怖エピソードとか最早ずるい。絶滅危惧種は生態と土地を知らねば守れない。
日本だとシマフクロウは北海道コンサドーレ札幌のマスコットにもなってるように北海道で独自の地位を築いているが、ロシアではただのフクロウでしかなく、また開発圧も強い。
一方でロシアではシマフクロウがまだ自力で魚を探して子育てをできているが、日本では給餌池に放流した魚に依存している。それぞれに問題はまだまだ深いなぁと思う
Posted by ブクログ
アメリカの生物学者がロシアの沿岸部でシマフクロウの研究をする苦労話。フクロウとしては最も大きく、魚を主食とする。日本では北海道に生息するということで、ロシアでもかなり寒く、冬は雪に閉ざされる地域での活動。その雪深い冬こそ、足跡などの痕跡も見つけやすく、研究に適した時期でもある。困難なことばかりのはずなのに、ところどころユーモラスな話もあって楽しそう。少し前に読んだ『バッタを倒しにアフリカへ』を思い出した。アフリカで研究する日本人と、ロシアで研究するアメリカ人。対象も手法も違うけれど、研究の結果を環境保護に活かすという目的は同じ。