岩村充のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最初の章にストーリーを持ってきて、その後にそれを前提条件として議論のたたき台にするという手法がこんなにうまく回る本というのは初めてよみました。意欲的な内容だな、と思うのと同時に金融・貨幣論が生活そのものに直結しない人にも入りやすいように歴史的なストーリー(実例)を参照しながら進めていくというのも良かったと思います。たぶん高校生とかでもちゃんと読み込む力があれば非常に面白く読める本だと思います。
第3章の日本の事例(WW2から戦後にかけて)のあたりなどは、現在の問題の根幹であるだけでなく、直近の東日本大震災における経済・金融を生業としている人間の立ち位置や役割、金融政策や復興計画を考える上でも気 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めは、原始的な貨幣制度の解説から始まり、それが銀行券的な貨幣制度に移っていって金本位制になるまでとその後について、歴史を主として、貨幣システムとは何ぞやということが解説されていく。
歴史的な用語や事実関係を経済(中でも貨幣)の視点から確認し直すには、非常にコンパクトにまとまっていて良かったのではないかと思われる。
そして後半に向けて、途中少しつまらなくなるのであるが、最後はまた少し面白かった。
今の貨幣システム、このままでいいのだろうか?という問いかけを常時行っている形なのだが、論旨をまとめると、
今の物価安定金融政策というのは、まずは成長し続ける経済を想定していて、また、自動的にわ