中垣俊之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
単細胞生物である粘菌が、あたかも「考えて」いるように振舞うのがおもしろい。迷路を解くという部分がクローズアップされることが多いが、個人的には刺激を周期的に与えたときに、その刺激の周期を記憶することが興味深かった。
また、粘菌の振る舞いの裏側にある決まりごとを仮定してシミュレーションモデルで実証するのも面白かった。迷路の解法も単純な法則を適用することで得られる。シミュレーションモデルを構築する際のアイデアも非常に参考になる。得られた解法をJRのネットワークの効率性の面で検討してみたり、カーナビの経路検索に用いたりと、応用の方法もユニークだと感じた。
PCの演算などで主に用いられている集中管理方式 -
Posted by ブクログ
「粘菌 その驚くべき知性」
粘菌とは脳はおろか、細胞同士をつなぐ神経系も無い、単細胞でアメーバ状生物である。しかし、その粘菌が迷路で最短ルートを示し、時間の記憶を持ち、ハムレット的逡巡を見せた後、ある判断をする。これは立派に知性を持つと言えるのではないだろうか!
粘菌とは面白い生き物です。この本ではその粘菌の凄さ、不思議さ、そして可能性を議論しています。
例えば、粘菌は何でも栄養とすると思いますが、実はアーモンドや醤油を餌とするとそれらにはよってきません。恐らく油や塩分を避けていると思われます。また、粘菌の餌を獲りにいく経路は駅の路線と酷似することは有名ですし、実は匂いも結構良い -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「知性とは発達した大脳皮質をもつ生きものだけが持てるものである」。
この常識に日本人研究者が「待った!」をかけた。
脳はおろか、細胞同士をつなぐ神経系もない、単細胞でアメーバ状生物の粘菌が迷路で最短ルートを示し、時間の記憶を持ち、ハムレット的逡巡を見せた後、ある判断をする。
立派に知性を持つといえるのではないか!
この驚きの結果は、いま世界中で注目の的。
知性とはなにか、意識とはなにか、身体とはなんなのか、大きな波紋を投げかけている。
[ 目次 ]
第1章 単細胞の情報処理
第2章 粘菌とはどんな生きもの?
第3章 粘菌が迷路を解く
第4章 危険度最小化経路探索とカーナビへの応