山下祐介のレビュー一覧
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「選択と集中」悪玉論を展開している。
それはいい。それは。
増田レポート批判をおこなっているようで、後半はよくわからない。政権批判なのか政策批判なのか、はたまた他なのか、中途半端である。
終章で「コンパクトシティ」云々を上げているが、批判のためには、これらを例示すべきであって、終章に記述すべき政策ではないだろうという印象。
ピンぼけ。研究参考文献かなとおもったが、これはいただけない。
著者は博士課程中退組なのであるから、冷静に類型化、定義をして丁寧に記述しないと。アカデミックでは批判は重要であり、かつ難しいものなのは百も承知のはず。
著者の他の著作から比べてかなり劣る。残念極まりないしもった -
Posted by ブクログ
ネタバレぎっくり腰になって時間ができてようやく読み終わった本。
著者の言うことの内、増田レポートの「選択と集中」に対する反論は共感できる。
ただ、人口減少対策について、特に若い世代が減ることに対する危機感や対策については、あまり言及されてない気がする。
それと今後どうしていくべきかという点について、多様性を認めることは賛成やけど、二重住民票っていう考えはイメージしにくい。正確な人口をどうやって調査するのかとか、マイナスのイメージしか湧いてこんかった。
これからのライフスタイルとして、経済偏重とか価値観の転換とかにあるってことには大賛成。あれ?こんなようなこと述べられとらんかったっけ?
ま、いいや。残す -
Posted by ブクログ
地方創生の正体というテーマで、2人の立場の異なる学者が討論の形で進める形態。
東北大震災の国と自治体の動きを見ながら、これからの地方創生の在り方に警鐘を鳴らします。
どのような政策をとろうと財源を国が見ている以上、本当の地方が主導となるような新興策は困難。とはいえ、これをどう打開すべきかは、結論が出ない。ちょっと消化不良な印象でした。
・現在は「選択と集中」路線→この路線は排除を生む
排除は依存から来ている排除であり、国民の国に対する依存が生んでいる
→地方では、外から変なものを持ち込まれたときに抵抗できない体質を作り出している
・国と自治体の関係性(型)は、戦後一貫して変わっていない -
Posted by ブクログ
ネタバレ地方の過疎化に対する問題提言。
ちょっと感情的な文面が気になるけれども、参考になる。(と読みはじめは思っていたが、裏切られた)
元総務大臣の増田寛也氏が代表を務める、日本創生会議が「地方消滅」を唱えたことで、「人口減少社会」、そして「消滅可能性自治体」の議論が大きくクローズアップ。著者はそのレポートをふくめた国の姿勢──自治体統合や、廃校、金満主義が、しゃにむに国民の不安を煽り、生まれてくるはずだった次世代の命を封印したと説く。
けっきょく、人口減少は社会不安の現れ。
団塊ジュニア世代の増加は、団塊世代の地元復帰効果だったが、現代の若者は都市へと流れる。しかし、一部の平成世代では地元志向が -
Posted by ブクログ
増田レポートの「選択と集中」という考え方について独自の考え方を述べている。
自分としては、地方消滅と言われ、今後どうしていくべきか考え方を知りたくて手に取った。
今まで気がつかなかった発想で考え方がとても参考になった。
例えば、人口減少には少子化対策等されているが、そもそも子育て世代、若者世代の時間的な余裕がないことが原因という指摘。職場で、デートも出来ず、仕事に追われている人が増えたように思い、心当たりがあるように思える。
また、今までは住所を中心とした行政が行われていたが、住所中心ではない行政にしてみたらという提案。どうなるのかわからないけど、新しい発想をしていかなけらばならないということ -
Posted by ブクログ
数字でグイグイ攻めてくる「地方消滅」に対して感情的にブレーキをかけている印象から始まります。実際、著者の立ち位置は社会心理に基づいていて「地方消滅」というキャッチーなフレーズが問題の顕在化ではなく不安からの逃避の事実化を呼び起こすことを本当に心配しています。本書の前半では反論のウエットさが理解できないでモヤモヤしますが最終章に繋がるにつれ、筆者の危機感が理解できるようになります。「選択と集中」と「多様性との共生」のストラグル。どちらがいいか、ということは簡単には言えませんが、人口減少社会についての議論がこのようになされていることは大切だとおもいました。