白井弓子のレビュー一覧
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日本、ギリシャ、中国の神話を元にしたSF短編集。
宇宙から飛来した『帝国』が神話を使って地球人を統治する、というお話達。
イワナガヒメ、アポロン、アンドロメダ、媽祖等々。
『帝国』の支配に息苦しさを感じながらも、その目をすり抜け生きていく人々の逞しさや強かさにハラハラしたりクスりと笑えたり。
「イワとニキの新婚旅行」…『帝国』により領地の統治のために醜いアンドロイドと結婚させられる王子。新婚旅行というよりも駆け落ち?二人の未来に幸あれ!
「神託と灰色の髪の少年」…『帝国』のAIにより新たな芸術が産み出せなくなってしまった人々。突破口となるべく神託に則り生け贄となりにいく少年は…?キラキラとした -
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凄惨な戦いが描かれる第4巻。開拓をするということがどういうことか語られた巻でもあります。
開拓に必要な声。座標空間にポイントを作ることができる開拓。今回オーガは自分の故郷の現状を知りながらも、故郷のイメージを用いながらポイントを作っていきます。その行動は安心や恐怖といった感情の高まりに左右されます。自分の脳裏に焼き付いてしまった故郷のイメージを払拭するために自分が最も平和な世界にのめり込んでしまうマナを見ていると辛いものですが、人間誰しも考えてしまう世界でもあります。それが具現化できるこの作品はより人が帰りたいと思う場所を表現できるうってつけの作品だと思います。開拓とは逆とも言える故郷の -
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ネタバレ『ニーバス』という生物(?!)を子宮内に宿すことで『転送』する能力をつける女性兵士たちが活躍。ちょっと思いつかない設定。
彼女らはあたかも妊婦のようにお腹が膨らんでいくけれども、そこには誰もが守ってやらないと…という弱さよりも、精神的にも肉体的にも何者にも負けない力強さを感じさせる。
そういえば母は、私が母のお腹にいたとき、自分のお腹の中に自分とは別の生き物がいることが不思議でたまらなかったそう。失礼な!(私に)。まあ、神秘的だな~とは思うけれど。それが人間ではないとなると…。
あくまで戦いの実働部隊ではなく、部隊や物資などを運ぶ作業なので、グロい場面というのは特にないですが、『ニーバス』の正