あらすじ
2015年の本屋大賞に選ばれた上橋菜穂子さん絶賛!
『久々に熱く濃いもので胸を貫くような漫画に出会った。傑作です。』
2007年文化庁メディア芸術祭マンガ部門で初の同人誌受賞作品です。
ヤマタノオロチ伝説の息づく未来。50年に1度の秘祭<天顕祭>の日が近づいていた。
咲(さき)は身を隠し、声を潜めてオロチの魔手から必死に逃れようとしていた。
鳶の若頭・真中はそうとは知らず咲を雇い入れる。身の廻りで起こる異変…。
そしてある日、忽然と消える咲…。運命にひきずられるように真中は、やがて天顕祭の
おぞましい秘密に触れる。
圧倒的独創力と心揺さぶる画筆で描ききった冒険ロマンファンタジー。
運命から逃れる女、運命に立ち向かう男。ふたりの淡く激しい恋が<天顕祭>の宿命を変える!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
現代から数百年後の日本を幻視させてくれ、そこで生きる人々が本当に活き活き描かれている傑作。作品に流れる重層化したタイムスケールと、メインキャラクターが鳶職ちゅう地に足ついた感が作品世界の強度を恐ろしいくらいの確固たるものに仕上げられていて、ドップリと話の中に浸かった。 この話のように、危険区域は不可侵かつ絶対的に神聖な区域として奉られるちゅうのは現実を冷静に捉えた作者の予測やろうけど、まず確実に迎えることになる未来やな。 ともあれ、現在日本に住む我々にとって、未来を想像させどうあるべきか考えるには良い一冊やわ。
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じわじわ、じわじわきます。
誰にでもすすめられる本じゃないけど、
日本の昔からの祭り(贄とか)とか神とか?すきなひとにはおすすめする
んーー。なんといっていいやら。
Posted by ブクログ
ヤマタノオロチ神話、原爆後を連想させる汚染された地、鳶職、神事…と、日本人の感性に訴えるモチーフでもってぐいぐい引き込まれる物語。全編に漂う不気味な雰囲気が、たまらなくぞくぞくさせる。でもこれ、ラブストーリーですからね!
Posted by ブクログ
今更私が薦めるまでもないと思うから、あえて感想は書かない。
マンガ好きを自認するなら探してでも買うべき、そして読むべき。
値段分+αくらいの価値はありまっせ。
Posted by ブクログ
談話室の和風伝奇的な話教えてかなんかで登録してたのかな?たぶん。
絵と話がきれいで読みやすかった。ただちょっとアクションシーンはなにがどうなってるかわかりにくかったです。同人誌だったらしいので充分ですけどね。進撃の巨人も最初の頃ほんまわからんかったし。(アニメスゲーてなった)
Posted by ブクログ
"本屋さんで、目立つところにディスプレイされていて、手にとった。漫画は久しぶり。八岐大蛇と素戔嗚尊の神話から生まれたファンタジー。時代も場所も現在の日本とは違うところ。戦争があり土壌が汚染されている世界。毎年行われるお祭り。そのお祭りにまつわる伝説。
漫画は、絵の質感というか、絵の雰囲気で読む気になる物と、そうでない物に分かれる。この絵の感じは嫌いじゃないなぁ。"
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「汚い戦争」によって汚染された地域の近隣を舞台にしたコミック。
古事記をモチーフにしたファンタジーな世界観と、戦争や労働、伝統や風習などリアルな社会描写が融合した作品。
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ものすごい発想力と構成力。
同人誌で、デジタルで描いてるようで、絵が見難かったりもしますが、中身がすごい。
帯で上橋さんが絶賛してるのに今気づきました。
重厚な一冊。
Posted by ブクログ
和風ナウシカの煽り文句に釣られて購入。世界設定は確かにナウシカだけど、話は別物でした。
当初の期待は裏切られたものの、素直に面白い漫画でした。なんとなく大塚英志原作の漫画にありそうな感じ。
個人的には好きな絵だけど、嫌いな人もいるだろう癖のある絵柄です。
Posted by ブクログ
近未来、「汚い戦争」で汚れた地上に根強く残る、形を変えたヤマタノオロチ伝説。祭りでクシナダ姫を務めるはずの少女は、名を変え、なぜか鳶として働いていて――。
ところどころわかりにくい部分もあったけど、読み直してほぼ解消。風の谷のナウシカを思い浮かべるとすんなり読めるかも。
震災後だからか、よけいに身につまされる。つまりはそういうことだよね。創作上とはいえ(震災前に描かれたのだしこのマンガにまったく罪はないけど)、事実と重ねると本当にやりきれない。
Posted by ブクログ
鳶の主人公、ヒロインの女子高校生鳶による伝奇+SF。
放射能的な物で汚染された世界で八岐大蛇が暗躍する
不思議な世界を存分にお楽しみください。
Posted by ブクログ
日本神話モチーフだけど遠未来もの。神話好きとしてはツボだった。
舞台は「汚い戦争」後の日本。目に見えない毒物で土壌が汚染されて、人の住める場所が少ない。
汚染レベルによって厳しく立ち入りが制限される…
という、この環境。いま読むと、どうしても福島の原発事故を連想してしまいます。
徴兵制が無い代わり、30才以上の男子に年1回汚染エリアでの奉仕作業が義務づけられてたりとか、汚染エリアに育つ特殊な竹で土壌浄化をしてたりとか、なんか今の日本・これからの日本と重ねて色々考えさせられた。
とはいえ、メインは主人公とヒロインのラブストーリー。
しかし二人とも鳶職で、主人公は30才越えのオッサン、ヒロインは17才体育会系女子、となかなか異色。
何度か読み返す程にはおもしろかったので、オススメです。
Posted by ブクログ
神話/汚染された近未来/ラブストーリー が不思議にしっくり融合。フワフワしながら力強くて複雑なストーリーも絵も、好みは分かれるだろうけど私は好きです。
Posted by ブクログ
近未来SFと日本の神話がうまく混ざりあっていて面白かった(*´∇`*)/
色々特殊な語句もあったり、話が複雑な所もあったけど、物語に引き込まれて一気に読んでしまった!!
神話好きにオススメ
Posted by ブクログ
面白かった!
白井弓子さん好きだなーと。
話はすこし解りにくいので、
一回目は流れを掴むためにざざっと。
じっくり読むのは二回目からがお勧め。
分からない単語も多いから、
一回目から理解するのは難しいと思うんだ。
有川浩さんが好きは結構好きなんじゃなかろうか。
ストーリーは押さえてありながら、
きちんと少女漫画してるっていうバランスが。
あと、後日談はかかせないよね!
Posted by ブクログ
勢いがある。ナウシカ同様、戦争(環境汚染)によって汚れた大地が自然浄化される中で人間が葛藤する話である。この物語は戦争の毒散布による被害なので物語の規模が小さいぶんある程度展開が見えてしまったけども、続きが気になって次頁をめくりたいという気持ちは揺らがない。勢いに飲まれた感じ。墨処理は同人ならでは、雰囲気がいいし味があるけどしかし見にくいから何が描かれているか解らない場面があった。それが地下のクライマックスシーンだからもどかしい。真中は木島にべたぼれってアマアマが根底にあるのもいいんだよねきっと。
Posted by ブクログ
某遊べる本屋であおり文句に惹かれて購入。
派手さはないが、じわじわと来る「滋味」のようなものがある。
この「世界」の別のお話も読んでみたいところ。
同人っていいなぁ
Posted by ブクログ
文化庁メディア芸術祭マンガ部門で初の同人誌受賞作品。ジャンルは「古事記ロマンファンタジー」(と本に書いてある)。題材にヤマタのオロチ(スサノオの伝説)を使っていて面白かったですよ。 ストーリーもしっかりしてるし、分厚くて、読みごたえありましたね。(2009/06/19)
Posted by ブクログ
『本に呼ばれる』ってこと、ありませんか?
連休中に、遊べる本屋『VILLAGE VANGUARD 』に行ってきました。
そこで呼ばれちゃったんです。
この本に。
なんか、分厚いし、黒っぽい表紙だし、あんまり好きな感じの絵というほどでもないし、お値段も高かったのですが。
本から出てるオーラに迫力負けしたというか、「買え!読め!」って言ってる気がして。
ストーリーはナウシカの世界を想像していただければ、かなり近いものがあるかと。
【あらすじ】
ヤマタノオロチ伝説の息づく未来。
50年に一度の秘祭〈天顕祭〉の日が近づいていた。
咲は身を隠し、声を潜めてオロチの魔手から必死に逃れようとしていた。
鳶の若頭・真中はそうとは知らず咲を雇っていた。
身の回りで起こる異変・・・
そしてある日、忽然と消える咲。
運命に引きずられるように真中は、やがて天顕祭のおぞましい秘密を知る・・・。
古事記の「ヤマタノオロチ伝説」が根に這った物語です。
読後感は・・・なんというか・・・
スゲエ
夢を見るのは誰でもできると思います。
想像するのもそう難しいことでもないと思います。
ただ、この本がすごいのは、「夢を見続け、ひとつの世界を完成させていること」。
なんか、読んだ後もその世界が捕まえられるような迫力がありました。
夢を見る力が強くなければ、架空の物語に重厚感は生まれないと思います。
作者はきっと、執念深い方なのでは。
いやいや、尊敬を込めて!
一筋縄じゃ描けないよ。
絵は、スクリーントーンを使用していないようで、絵の具で塗ったような、筆ペンで描いたような絵でした。
なので、見にくいっちゃみにくいのですが、力強かった!
構図もすごいんでしょうが。。。ちょっとわかりにくかったなぁ。
なんか、ヘビとか竹とか人が絡み合ったり激しい動きのところとか、「え?どんなんなってんだ?」って感じるところもありました。
いやいや、絵はすごく上手いんですよ!
えーと、はじめは自主制作?同人誌で発表されてたそうです。
その後、2007年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門で同人作品として初めて奨励賞を受賞したそうです。
うん。プロの漫画家さんと遜色なしです。
むしろ、なぜプロではないのか?と思ってしまいます。
この1作品だけを見れば、ですが。
Posted by ブクログ
絵柄が誰かに似ているな?と思い、ネットで調べたら安彦良和だったことに納得。
で、ストーリーは宮崎駿の『天空の城 ラピュタ』に似ている。設定も中々詰められていたので、読み応えはあった。
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本屋でなんとなく買ったんですけど、同人誌らしい。設定に日本書紀とかが混じってて傾向としては「精霊の守り人」とかに近いですかね。あれより現代日本っぽいですが。という訳で文化庁のお墨付き。同人初っていうか映像などは個人応募も多いけど、メディア文化祭に同人誌を自薦で出す人っているんだなと驚きました。作風が自由なのは同人のいいとこですが、同時になかなかコマや絵がわかりにくいのも編集はさまない同人らしいという気がします。でもそういうのを別にしても話は面白い。
Posted by ブクログ
鳶職である木島咲と真中修二。
五十年に一度の秘祭<天顕祭>が行われる。
ヤマタノオロチ伝説と、スサノオ、クシナダ姫。
古代の物語が、現代の二人の物語と交差する。
<天顕祭>の秘密、スサノオと姫を演じる人々。
主軸は現代の二人の絆だが、スケールは壮大。
水墨画のような力強い画筆。
帯紙にある「古事記ロマンファンタジー」の名はさすが。
ここまで壮大な話をきちんとまとめたのはすごい。
でも話は古代じゃなくて未来。おそらく核戦争後?
ところで、天顕菩薩って実際にいるのかしら。
天顕だから点検・・・日本って昔から駄洒落好きだよね。
音を大事にしているからだろうけど。
Book1stにていつだったか衝動買い。
作者は守り人シリーズの作者の公認と言われている人、らしい。
Posted by ブクログ
白井弓子さんは・・ 今月の14日に読んだ・・・「コミック星新一☆親しげな悪魔(2012)」に参加されてて、読んで興味を持った漫画家さんです。 今回は・・・ 『天顕祭 (2008)』を読んでみた。 やっぱ何といっても・・・職人さんは・・・かっこいいよなー。憧れる。
Posted by ブクログ
漫画や同人誌。ファンタジーといった世界にめっぽう疎いのですが。
世界観としては、「いつとはいいきれない未来」・「過去に「汚い戦争」があり汚染された土壌」・「それでも復興を果たし続いてゆく人間の営み」というあたり、なんとなく「風の谷のナウシカ」も彷彿とさせるようなさせないような。
土台は日本神話あり伝統あり、そしていわくありげな鳶職の少女とそのボス、芽生えてゆく恋心…という設定は、いかにも乙女ファンタジーな雰囲気で正直苦手です。が、結構読み応えある骨太さもありました。こういう世界が好きなひとにはたまらないのかも。
最後のほう、何人も入り混じっての戦いが繰り広げられる場面はもう誰がどのセリフを言っているのか非常にわかりにくい。結局、いまでも地下に潜んでいるであろう危険なものはなんなのか??
…何度読んでもわからんかった。
絵もね、上手なんだろうけど、なにせこういうの詳しくないし。好きか嫌いかって聞かれても、どうも思わんです。暗いトーンが多いな…っていう、ただそれだけ。
同人誌に投稿している方は皆、それを生業とはしていないアマチュアさんなんですか?
だったら、すごいな!とは思う。
いずれにせよ、知らなかった世界をのぞくことができてよかったです。
Posted by ブクログ
こういう熱い和風ファンタジーは大好きです。台詞配置の問題で一瞬誰の台詞かわかりにくいところがいくつかあった点と、主人公二人が恋仲であるという設定が唐突に入ってきた(ように個人的には感じた)点が惜しかった。二回以上読んで、ストーリーの良さを噛み締め絵の雰囲気を味わうことをお勧めします。