あらすじ
いびつな月が空に浮かぶ碧王星では、第一次移民と第二次移民との間で長年の戦争が行われていた。
第一次移民の国・ハストには、女だけの特殊部隊・特別転送隊がある。
それは、現地生物ニーバスの体組織を自らの子宮に移植することで、ニーバスの特殊能力である空間転送を身につけた特殊部隊。妊婦だけの特殊部隊である。
主人公マナ・オーガは、転送隊の新兵でありながら、「開拓者」という特異な能力を開花させることで、戦局を大きく動かす可能性を秘めていた。
敵の新首都完成が近づくなか、ハスト軍はマナ・オーガの開拓能力による大々的な反撃を企図する。一刻の猶予もない戦況の中、酷使されるマナの身には取り返しの付かない変化が起こっていた。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
凄惨な戦いが描かれる第4巻。開拓をするということがどういうことか語られた巻でもあります。
開拓に必要な声。座標空間にポイントを作ることができる開拓。今回オーガは自分の故郷の現状を知りながらも、故郷のイメージを用いながらポイントを作っていきます。その行動は安心や恐怖といった感情の高まりに左右されます。自分の脳裏に焼き付いてしまった故郷のイメージを払拭するために自分が最も平和な世界にのめり込んでしまうマナを見ていると辛いものですが、人間誰しも考えてしまう世界でもあります。それが具現化できるこの作品はより人が帰りたいと思う場所を表現できるうってつけの作品だと思います。開拓とは逆とも言える故郷のイメージ、やっぱり面白い作品です。
本巻からコミックス描きおろし進行になったみたいで、次巻出るのが来年夏と遅いですがここまでしっかりSFしていますからこの先完璧に仕上げるまでいくらでも待ちたいと思います。