鎌田慧のレビュー一覧

  • 家族が自殺に追い込まれるとき
    暗い内容ですが、なかなか読み応えがありましたね…! 現在はさすがに自殺者三万人とまではいかないまでも、去年はコロナで二万人を超えてしまいましたねぇ…今後もどうなるか…。

    2000年少し過ぎたくらいまでは中高年の自殺が増加傾向にありましたが、今は若年層の自殺が顕著なんですってねぇ…一体、我が国はどう...続きを読む
  • ルポ大事故!その傷痕
     古い事故調査を読むようで、戦慄を覚えた。航空機事故も1件を除きおぼろげな記憶しかなかったが、細かい事実の記述を見て、この1/100くらいのレベルの事が日常起きてるなと実感。結構嫌な予感がすることを日々やっている気がしてきた。
     と、我が極楽トンボぶりを再認識する1冊となった。20年以上前の本だが、...続きを読む
  • 橋の上の「殺意」 <畠山鈴香はどう裁かれたか>

    すごく良かった!

    決してマスコミの情報などに振り回されず、正しい視点から物事を見ることができ、畠山鈴香に寄り添うような一冊でした。
    読んで良かったと思える一冊でした。
  • 神戸新聞の100日
    震災とは何か。
    報道とは何か。
    新聞とは、何か。
    それを作るのは記者だけではなく、配達員だけではなく、経営者だけでもない。
    人が、街が、風景さえもが、それを作り上げている。
    そんな当たり前のことを、改めて思い出させる100日でした。
  • アジア絶望工場
    円高・人件費高騰対策でいち早く東南アジアへ進出していた日本の製造業の現地工場の実態を伝える一冊。「自動車絶望工場」の著者が各国の現地工場まで足を運び日本企業の工場に勤める工員やその関係者等に取材するという内容ですが、とても興味深く読めました。本書の元となる単行本が発行されたのが1984年6月だから今...続きを読む
  • 六ヶ所村の記録 核燃料サイクル基地の素顔
    こんなにも様々なことが絡み合っていたのか、と嘆息が漏れた。
    青森県のこの地に住みつき、血のにじむような過酷な環境で開墾をした人々の歴史、満州、そして朝鮮へ侵略を考えていた国の思惑と敗戦、飢饉、、、そこへ突如として突きつけられる「開発」の構想。

     最初は石油コンビナートを作り、雇用を確保し、大きな都...続きを読む
  • 空港 25時間
    私の尊敬する鎌田さんのご本を読む時には、気合いを入れて「読むぞぉ~、たるんだ日常の自分の目を覚まさせるぞぉ~、世の中にはまだまだオマエの知らない社会問題がいっぱいあるんだぞぉ~」という心構えをしているのですが、このご本は鎌田さん自身が「わたしは飛行機が大好きなのだ」(あとがき)と書かれているように珍...続きを読む
  • 空港 25時間
    パイロット、CAなどの飛行機の乗務員だけが飛行機を飛ばすのではない。
    空港カウンター、貨物の搭載、機内クリーニング、整備、運航管理、航空管制、税関など、空港で働く人々が携わる仕事のすべてを取材。
    あらゆる箇所で、ドッグイヤーした。
    現場で働いていながら、知らない世界がたくさんあることに気づかさ...続きを読む
  • 新装増補版 自動車絶望工場
    30年以上前に出版されたルポルタージュの増補版。トヨタ自動車に期間工として実際に働いた記録と、外側からトヨタを分析した部分とから構成されている。後半はともかく、前半は実際に身を置いたものでないと書けないであろう貴重な記録として読める。多かれ少なかれ工場というのはこういうものなのかもしれないが、とても...続きを読む
  • 神戸新聞の100日
    この本の存在を知ったのは1年前。これを原作として作られたドラマを見たのがきっかけで、神戸新聞の戦いを始めて知った。 正直この時期に阪神淡路大震災の状況が克明に記された本を読むのは苦しかった。どうしても、東日本大震災の惨状と重ね合わせてしまい、ページをめくるスピードが鈍る。

    震災により、神戸新聞社は...続きを読む
  • 空港 25時間
    空港で働く様々な人々のインタビューをまとめたもの。パイロットやフライトアテンダントだけでなく、裏方の視点も備え、「飛行機を飛ばすとはどういうことか」を多角的に捉えた本。たなぞうで教えていただいた本。おもしろく読めました。単行本として出たのが1996年であり、取材はそれより前なので、幾分(いや、かなり...続きを読む
  • 新装増補版 自動車絶望工場
    期間工の過酷な労働環境が実際に半年潜入した著者により、忠実に描かれています。この本が書かれた昭和から平成、令和に移り、環境は良くなるどころか期間工のさらに下の階層として違法労働させられる外国人留学生、派遣などの不正規雇用が現れさらに事態は悪化。上層部と現場が完全に分断され、上層部ばかりが儲けている。...続きを読む
  • 橋の上の「殺意」 <畠山鈴香はどう裁かれたか>
    小説「雪冤」を読んでから 本ルポルタージュ
    頭で考え 捏ねくり回した死刑廃止論に 対して ルポの良さを 遺憾無く発揮
    しっかりした取材 感銘した
  • 橋の上の「殺意」 <畠山鈴香はどう裁かれたか>
    この裁判の経緯を見ると、結局最後まで犯人である鈴香の動機は解明されていない。
    もちろん、裁判において提示された供述調書などにはもっともらしいことが書いてある。
    事件解決のために警察も検察も成すべきことをしたのだろうし、何よりも犯人がいつまでも逮捕されないのでは遺族を筆頭に周辺の住人たちも日常に戻るこ...続きを読む
  • 新装増補版 自動車絶望工場
    【本の内容】
    働く喜びって、何だろう。

    自動車工場で働きはじめた34歳のぼくを待っていたのは、人間性を奪うほど苛酷で絶望的な仕事だった。

    考える暇もなく眠る毎日、悲鳴をあげる身体、辞めていく同僚たち。

    読みやすい日記形式で「働くこと」の意味を問うルポルタージュの歴史的名作に、最新の情勢を加筆。...続きを読む
  • 橋の上の「殺意」 <畠山鈴香はどう裁かれたか>
    あの畠山鈴香事件について、鎌田さんが
    切り込みます。

    殺人事件を起こしたことは間違いない。
    しかし夫と別れたうえ、子育てに行き詰って
    いた母子家庭の教訓を引き出すこともなく、
    縛り首にしてあの世に送って、何の解決に
    なるのだろうか。

    大阪餓死事件と重なる感じ。
    もちろん起こした罪は大きい。しかし...続きを読む
  • 新装増補版 自動車絶望工場
     デトロイトに行く用があったのと、最近のブラック企業報道を目にして、ブラック企業告発のたぶん最初の本になる本書を手に取った。過酷すぎるベルトコンベア労働の実態。疎外された労働。
    でも、たぶん工場労働は本質的に疎外された労働、だと思う。従って労働組合が大問題だということがわかる。当時も今も、告発された...続きを読む
  • 橋の上の「殺意」 <畠山鈴香はどう裁かれたか>
    著者のスタンスが加害者の立場に寄りすぎな気もするが、事件当時の状況をひとつずつ積み重ねて、解明して行こうとする過程は興味深かった。
    また、当時の加熱したマスコミによって報じられた加害者像と、実際の事実関係に差異がある可能性も示唆され、既に判決の下った事件ではあるが考えさせられた。
  • 新装増補版 自動車絶望工場
    本書には筆者の鎌田慧氏の潜入取材からくる圧倒的な説得力がある。
    私の家の車はトヨタなのだが、身近な車が過酷な労働環境の下、想像力や自主性を奪われた本工や見習工、期間工に作られていて、そんな車に乗って思い出を作ったりなどしているのかと、ゾッとした。(2013年現在は40年前と労働環境、労働条件は変わっ...続きを読む
  • 新装増補版 自動車絶望工場
    まずは、あの鎌田さんが、こうやってルポを書いているのか、と驚いた。
    実際に「キカンコー」として、ベルトコンベアの部品のヒトツと化して働く。
    そこには、人格とか尊厳とか意欲とかを一切排除した世界。

    私も例外にもれず、労働し、その対価として、給料をもらって、そのお金で生活している。
    「正職員」こといわ...続きを読む