諏訪貴子のレビュー一覧
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父から町工場を継いだ女性の奮闘を本人が語る。非常に元気が出る内容だった。
経営の経験がない著者が、父親の急逝を機に従業員を抱える企業を継ぐ。夫の夢である海外赴任に帯同することが決定していたタイミングと重なり、まさに、人生における非常に大きな転機となった。経営を始めてからも、町工場で女性の経営者が珍しい時代であったため、銀行や取引先、または、従業員との関係構築の難しさが生じている。しかし、亡き父親の生前の教えやサポートをもとに、常に前向きな姿勢で取り組むことで徐々に周囲からのサポートを得て、数々の困難を乗り越えていく。「小さな勇気」をもって前進する姿に感動。 -
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中小零細企業の事業承継者にはうってつけの本。
事業承継期間4日で何も分からないところから「二代目」をスタートした筆者の体験談。
経営の本はとかく難しい用語や、中堅企業向けの本が多い。
その中で、本書は難しい用語も少なく、また実践しやすい内容である。
また、自身をカリスマとはせず、あくまで「素人経営者」というスタンスで書かれているため、読み手に共感とチャレンジ意欲を喚起させると思う。
具体的内容については以下の点がよかった。
①社内コミュニケーションの重要性や、取引先へのヒアリングなど、基本であり最も重要なことを、エピソードを交えしっかり書いている点。
③人材育成について。従業員に寄り添 -
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・「社長、このたびは大変ご愁傷様でした。本日はできる限りのことをさせていただきます。どうぞお任せください」
・経営方針「ものづくり大田区を代表する企業となる」「超精密加工を得意とする多能工集団である」
・結果的に新入社員が失敗し、不良を出しても、それは本人の責任ではなく、指導する側の問題という認識を社内で共有している
・「やる」か「やらない」かを迫られた時の答えは、すべて「やる」と決めている
・悩まないが、代わりに「迷う」。「やる」ということは決まっているから、どれをやるかで「迷う」のだ。経営者は悩まず、常に迷いながら前進あるのみだ
・小さな勇気と行動が人生を変える。どんな場においても、悔いの -
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スゲー女性や!
私は「営業と販売のプロ中のプロ」ですが(笑
14歳から働いて43年の実績があります
たぶん、初めて女性と仕事をしたいと思わせた人ですね
今後、物作りなどの需要があれば、お願いに行きたいですね
神戸人こと関西人より -
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幼くしてなくなった兄を意識して、女性ながら大学の工学部、そして、エンジニアの道を進むことになった著者が、父の急死で、今度は経営者になって、会社を立て直していく記録です。度胸といい、アイデアといいすばらしいです。
クロネコの小倉氏や、星野リゾートの星野氏などの二代目経営者として、先代の経営陣を引きついで経営を立て直すことができた方の我慢は想像を絶するものだと感じました。
構成は、3章からなっています
第1章 突然、渡されたバトン
第2章 手探りの会社再生
第3章 私の仕事論
おもしろかったのは、
社長になってすぐに、銀行の支店長が合併話をもって会社に現れたという話
そんなえげつない話って -
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中小企業の社長は孤独である。それはビジネスオーナーでもあり社員とは目に入る風景や思考形態が全く異なることに起因すると思う。諏訪社長のお父様は、後継者育成を悩みながらも立派に進められた。後継者は、会社を継いでみないと先代の視座は決してわからない。そうなってみた時に、初めて連綿と続く運命の中での自分の役割に気が付く。この時に生きてくるのが先代とのぶつかり稽古だったり、葛藤の中で腹落ちしない事も含めての矛盾とどう向き合って来たかという事だと思う。リストラを提案してリストラに遭った諏訪社長は、人材教育に真摯に取り組んでいるので、合理的な判断をしながら人を信じる心を持ち続けることの出来る立派な経営者だと
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若手の確保と育成、技術の承継と発展、会社の活性化。諏訪貴子社長率いるダイヤ精機がこれらの課題を解決できたのは、コミュニケーションの円滑化である。社内のコミュニケーションが円滑に行われることで、組織の風通しが良くなる。それが会社の直面するさまざまな課題解決の原動力となる。風通しの良さは、会社をしなやかにさせる。硬直化した組織は、脆く壊れやすい。しなやかな組織は、簡単には壊れない。
コミュニケーションを円滑にする方法は組織の数だけ存在するはずで、正解は一つではない。本書で紹介されている取組も、そのまま再利用できるとは言い切れない。
自らの組織ではどのような取組が効果的なのか、本書に刺激を受けつつ再 -
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前半は、父(先代社長)の急死により、主婦をしていた著者が町工場を引継ぎ、立て直していくストーリーです。
後半は著者の仕事論です。
前半部分は、父が残した人財に著者が助けられ、支えられていることに感動しました。
前向きな性格が経営者には必要だと感じました。
「おわりに」に天国のお父様にあてた手紙が書かれています。
著者の中に、父親が残したダイヤ精機を継続させたい、働いてくれている従業員を守りたい、という強い信念が感じられます。
仕事論で気になった点
・社長には悩む時間はない。悩まないが、代わりに「迷う」。「やる」ということは決まっているから、どれをやるかで「迷う」のだ。
・「これだ」と