カーレド・ホッセイニのレビュー一覧

  • 君のためなら千回でも 上

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    ネタバレ

    2025/6/10-6/14 大型書店の文庫の棚で何故か惹かれて手に取った。後から、映画化されたベストセラーだと知った。
    情景描写が丁寧で、知らないアフガニスタンの文化や人々の考え方、慣習に想像しながら触れることができる。幼少期のアミールとハッサンの生活を通して描かれるアフガンのかつての豊かさや活気については、小さい頃読んだ絵本、せかいいちうつくしいぼくの村を思い出した。

    上巻の時点では、アミールは、己の弱さ、醜さ、過ちに対しての贖罪を感じ、恥じながらも目を背けて生きる。
    彼は、小さな頃からアイロニーを知っている少年だ。そこには、どれだけハッサンを身近に感じても友人とは感じないという民族間

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    2025年06月14日
  • 君のためなら千回でも 上

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    ネタバレ

    カイトランナー 上下巻の感想。

    戦争をしてなかった時代のアフガニスタンは、そんなに昔じゃない。
    父の素晴らしい所は、子供に必ず受け継がれている。悪い所も。
    行動は、一歩その勇気を踏み出すだけでいい。ずっと何十年もモヤモヤして考えないようにして生きるより、行動した方が気分が良い。背景は全く違うが、クレアキーガンの本、ほんのささやかなことみたい。
    怖がらなくて大丈夫。そのままの自分で、あるがままを受け入れて、大丈夫。
    全ては神のお導き。
    ハッサンが架空の人物とは思わなかった。
    きっかけと愛。
    過去の過ちをずっと気にしてたら、おかしくなる。今の選択肢も見落としてしまう。
    過去を受け入れて、癒す。誰

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    2025年05月29日
  • そして山々はこだました(上)

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    読み終わるまで、実話だと思っていた。

    深い深い物語。
    悲しみと愛情にあふれた物語。

    出会えて良かった。

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    2023年10月12日
  • 千の輝く太陽

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    アフガニスタンの歴史を年表で見ながら読みたい本。マリアムの運命には涙が出てきた。同じ作家のカイトランナーも是非読みたい。

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    2023年05月27日
  • そして山々はこだました(上)

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    上巻だけでも十分わかる。これは面白い。
    アフガニスタンにルーツを持ちながら、もっとも混迷を極めた時期にはそこにはいなかった著者が、自分に書ける最高のものを書いたんだろうという作品。

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    2022年08月22日
  • 千の輝く太陽

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    本当によくできていて、大いに泣いたし、未来が少し明るくて慰められた。
    アフガニスタンの70年代から今を生きる2人の女性の物語。
    アフガニスタンに共産主義者居たんだという驚きや、どのように情勢が変わっていったかよく分かるし、その中で翻弄されていく女性達の痛みや苦しみがひしひし伝わる。
    遠い国の話だが、そんな彼女達の感情に共感できる事も多く、人間の普遍的なものを辿っていく小説でもある。
    昔は、各国の小説はそれぞれの文化や歴史の差異を読んでいたが、今は見た目・境遇がちがっても本質的には同じだ、という同質性を読む時代、らしい。それだけ多様化してグローバルな時代になったということなんだろう。
    所々に出て

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    2022年02月27日
  • 千の輝く太陽

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    人を想う強さ、愛する強さに心打たれました。アフガニスタンでタリバンが政権を奪取した2021年。改めて注目されてほしい作品だと思います。

    信仰や文化のため男尊女卑的な考えの残るアフガニスタンを舞台に、二人の女性が歴史や文化、そして暴力に虐げられながらもわずかな希望を信じ、強く生きようとする姿を描いた作品。

    お金持ちの主人とお手伝いの間の子として生まれ、現在は母と二人で粗末な小屋で暮らすマリアムが、何回りも年の離れた男と結婚させられ、さらなる悲劇に見舞われるまでを描いた第1部。

    女性の教育に対しても理解を示す父と、戦線に旅立った兄たちを想う母を持つライラ。兄の方ばかりを気にかける母に複雑な思

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    2022年02月12日
  • 千の輝く太陽

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    昨今の情勢を受け、アフガニスタンに生きる人たちのことを知りたくなった。爆撃、難民、タリバン。。ニュースで聞くだけではぼんやりしてしまう、想像の範疇外のアフガニスタンのことを知るためにまず、あえて私にとって身近な小説という媒体を選んでみた。

    この小説は、国連で難民支援のために働いていた著者によるもの。この小説には、政治情勢の変遷とともに主人公たちを取り巻く環境の変化、そしてその影響をどのように受けているのかが、ありありと描かれていた。

    当たり前のように描かれる衝撃的な日常風景に、展開される主人公達の処遇。まずこの国のもともとの姿にもものすごく本当にびっくりした。でもその全ての驚きの根底には、

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    2021年09月10日
  • 千の輝く太陽

    購入済み

    抑圧される少女たちの姿に胸が痛くなります。
    しかし、「暗い」「重い」というだけの話ではありません。
    過酷な状況の中でも生きる強さ。何もかも奪われても大切な人に手を伸ばす優しさ。
    周りがどんなに彼女たちを黒く塗りつぶそうとしても、彼女たちの命は輝いています。

    カズオ・イシグロ作品の翻訳もされている土屋政雄さんの、読みやすくも格調高い翻訳が素晴らしい。

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    2019年11月20日
  • そして山々はこだました(下)

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    冒頭に語られたお伽噺の中で、巨人から子供との別れの記憶を無くす水薬を手渡された主人公は悲しみに沈むのを避けられた。翻って、現実で妹と生き別れた兄は父から聞いたそのお伽噺にあった水薬を飲みたいと思いながらももちろん叶えられることはなく、哀しみは六十年近くの歳月に渡り彼を苛み続けた。
    主要な登場人物が最後の場面で言うように、忘れることが贅沢であることもあり得るのかと痛切に感じ入り、また考えさせられた。

    章ごとに主人公が異なり、本筋の一族の話とどこで関わるのか分かりかねる部分もある。また、関わっているのはわかるけれど、本筋にどのような影響を及ぼすのかがわからない部分もあり。
    ただ、読み終えた後に不

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    2018年12月23日
  • 千の輝く太陽

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    読んで良かった。
    約半世紀に渡って、アフガニスタンで女性が置かれた過酷な状況について、どんなノンフィクションよりも雄弁に伝えているのではないかと想像する。同じ名前の女性が同じ場所に実際にいたわけではないはずだが、マリアムとライラに自分の人生を重ね合わせられるアフガニスタン女性がたくさんいるのだろう。
    とにかく重い。

    マリアムとライラに、そして彼女たちの子どもたちにも共通しているのは、幼い頃からそれが当たり前の状況の中で成長しているということ。まだ判断力のない幼い子どもたちにそのような思いをさせないために、大人はもっと思慮深くなければならないと思った。

    重い話だがラストはとても感動的な余韻が

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    2018年11月23日
  • そして山々はこだました(下)

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    人はそれぞれに痛みを抱えている。心に身体に…時代や国境も越える兄妹の愛、それを描くのみにとどまらず、その兄妹を取り巻く様々な視点から立体的で奥行き深い物語が紡がれていく。

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    2015年01月28日
  • 千の輝く太陽

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    アフガニスタン人筆者によるアフガニスタン女性二人の話。因習、歴史、文化、戦争、政治、色んなことが絡み合って動いていくアフガニスタンで、「実際に」生活を送る人の様子にすごく臨場感があった。少しアフガニスタンが自分の中で近くなったと思った小説だった。こんな人たちが暮らしてて、その人たちがこんな風に苦しんで、こんな風に翻弄されているんだ、と。

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    2014年09月21日
  • そして山々はこだました(下)

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    どういう終わり方をするのか、上巻でつかまれただけに、期待と緊張を持って読み進めたが、納得のラストだった。

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    2022年09月12日
  • 千の輝く太陽

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    ネタバレ

    今話題のアフガニスタンを舞台とした小説。

    厳格なイスラム社会に生きる女性にとって、夫の存在は物凄く重要であり、小説のようなDV、モラハラの夫に当たってしまうと、ツラい人生を送ることになるということがよく分かった。
    しかも多くの女性は自分で夫を選ぶことはできないし、結婚してしまうともう逃げられない。

    ツラいシーンが多かったもののストーリーとしても展開が多く、訳が良いのか読みやすかった。

    物語を通して共産主義政権からタリバン政権に至るまでのアフガニスタンの歴史や文化を学ぶことができる。

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    2021年12月15日
  • そして山々はこだました(下)

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    兄妹の別離で始まった物語の終末は、考えてみれば当たり前とも思えるが、兄妹の再会であった。

    だがそれは、妹と同じ名を持つ娘を(実質的に)介してのものだ。

    この娘を配したことに作者のさまざまな計算が見て取れるのだが、確かにそれは効果を上げていて、この作品に深い余韻を与えている。

    北上次郎の解説で紹介されている「君のためなら千回でも」(「カイト・ランナー」)、「千の輝く太陽」も是非読みたいと思う。

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    2015年04月07日
  • そして山々はこだました(上)

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    この作者の本を読むのは初めてで、始めはアフガニスタンの貧しい親子の話が淡々と進むのかと思ったが、その親子を軸として関係する人々のストーリーが語り手、文体、時代、場所を変えながら深掘りされていく。

    アフガニスタンの辿ってきた歴史を考えれば、そのような小説が「淡々と」したもので終わるはずはなかった。

    下巻の終わりに、この話はどこに辿りついているのか。

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    2015年04月06日