あらすじ
THE KITE RUNNER
by Khaled Hosseini, 2003
●推薦・鴻巣友季子
「いちど地に墜ちた凧(カイト)はもう二度と空を飛べないのだろうか? そんなはずはない。つぐないは待ってくれる。あなたに駆けだす勇気さえあれば」
世界800万部突破
52ヵ国語に翻訳
120週連続でNYタイムズ紙ベストセラーIN!
1975年、アフガニスタン。僕は、僕を最も愛してくれた君を裏切った。
最高に感動するエンタメ名著、堂々復刊!
平和な時代のアフガニスタン。裕福な家に生まれた僕は、召使いのハッサンと兄弟のように育つ。父の愛に飢えていた僕にひたむきに尽くすハッサン。1975年の凧合戦の日、「君のためなら千回でも!」と凧を追いかける彼を、僕は裏切り、人生を破壊してしまう。最も愛してくれた人なのに…。そして2001年911テロ直前の米国で、僕は一本の電話を受ける。それは償いの旅の始まりだった。世界800万部、52ヵ国語に翻訳! 感動の名著復刊!
●解説・町山智浩
「本作で最も大きなフィクションは使用人の息子ハッサンである。アミールと兄弟のように育つ彼は実在しない。彼はホッセイニが祖国アフガニスタンに残してきた人々、特に少数民族ハザラ人を象徴させて創造したキャラクターだ」町山智浩(解説より抜粋)
●絶賛の声!
「獰猛な残酷さと、救いのある愛の物語」NYタイムズ紙
「『風と共に去りぬ』のような、驚くべきデビュー作」ピープル誌
「ロシア侵攻前の栄光の時代からタリバンの恐るべき支配に至るまで、アフガニスタンが感動的に描かれている」エンターテインメント・ウィークリー誌
※本書は、二〇〇七年十二月にハヤカワepi文庫より刊行された同名作品を加筆修正し、復刊したものです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
2025/6/10-6/14 大型書店の文庫の棚で何故か惹かれて手に取った。後から、映画化されたベストセラーだと知った。
情景描写が丁寧で、知らないアフガニスタンの文化や人々の考え方、慣習に想像しながら触れることができる。幼少期のアミールとハッサンの生活を通して描かれるアフガンのかつての豊かさや活気については、小さい頃読んだ絵本、せかいいちうつくしいぼくの村を思い出した。
上巻の時点では、アミールは、己の弱さ、醜さ、過ちに対しての贖罪を感じ、恥じながらも目を背けて生きる。
彼は、小さな頃からアイロニーを知っている少年だ。そこには、どれだけハッサンを身近に感じても友人とは感じないという民族間の根深い問題がある。
純粋だけれど、醜さ、妬みもある人間特有の複雑な心情が描写されている。彼がそういうことに敏感だからこそ、より残酷な態度に駆り立てたようにも思う。
情勢に翻弄され、父子はアメリカへの移住を余儀なくされながら、結局は存在の大きすぎる偉大な父の期待から大きく反れることはなく、社会的な幸せを手にいれている主人公。好きな人とも結ばれ、幸せを感じることにいつもどこか後ろめたさを感じている。
偉大な父、ババの存在はアミールにとっては頼りであり重荷であっただろうが、ババの言葉にはしばしばその通りだと感じる部分もある。
パシュトゥール人の民族性、男女で置かれる状況がどれ程違うか、生きる環境でどれほど考え方や身の振る舞いが変わるか、考えさせられた。
Posted by ブクログ
カイトランナー 上下巻の感想。
戦争をしてなかった時代のアフガニスタンは、そんなに昔じゃない。
父の素晴らしい所は、子供に必ず受け継がれている。悪い所も。
行動は、一歩その勇気を踏み出すだけでいい。ずっと何十年もモヤモヤして考えないようにして生きるより、行動した方が気分が良い。背景は全く違うが、クレアキーガンの本、ほんのささやかなことみたい。
怖がらなくて大丈夫。そのままの自分で、あるがままを受け入れて、大丈夫。
全ては神のお導き。
ハッサンが架空の人物とは思わなかった。
きっかけと愛。
過去の過ちをずっと気にしてたら、おかしくなる。今の選択肢も見落としてしまう。
過去を受け入れて、癒す。誰かに話すと楽になる。もしくは、紙に書く。
過去は今よりも若かったし、そうする能力しか無かったけど、今は出来ること、選択肢がある。
自分が自分で何を選ぶか。
恐怖ではなく、愛を持って選択する。