【感想・ネタバレ】君のためなら千回でも 下のレビュー

あらすじ

THE KITE RUNNER
by Khaled Hosseini, 2003

911テロ直前。アフガニスタンに飛び、少年を救う。――今度こそ。
最高に感動するエンタメ名著、ついに完結!

解説・町山智浩(映画評論家)

世界800万部突破
52ヵ国語に翻訳
NYタイムズ・ベストセラー

2001年、911テロ直前の米国。「もう一度やり直す道がある」私とハッサンを知る友人ラヒム・ハーンからの電話で、私はパキスタン行きの飛行機に飛び乗る。しかしそこで、衝撃の真実を知り、打ちのめされる。ソーラブ……ハッサンの息子。今度こそ救う。タリバンに破壊しつくされた、アフガニスタンで。世界800万部突破、52ヵ国語に翻訳! 少年時代の罪に立ち向かう男の姿を描いた、最高に感動するエンタメ名著、ついに完結。

●解説・町山智浩(映画評論家)
「本作で最も大きなフィクションは使用人の息子ハッサンである。アミールと兄弟のように育つ彼は実在しない。彼はホッセイニが祖国アフガニスタンに残してきた人々、特に少数民族ハザラ人を象徴させて創造したキャラクターだ」町山智浩(解説より抜粋)

●推薦・鴻巣友季子(翻訳家・文芸評論家)
「いちど地に墜ちた凧(カイト)はもう二度と空を飛べないのだろうか? そんなはずはない。つぐないは待ってくれる。あなたに駆けだす勇気さえあれば」

●絶賛の声! 120週連続でNYタイムズ紙ベストセラーIN!
「獰猛な残酷さと、救いのある愛の物語」NYタイムズ紙
「『風と共に去りぬ』のような、驚くべきデビュー作」ピープル誌
「ロシア侵攻前の栄光の時代からタリバンの恐るべき支配に至るまで、アフガニスタンが感動的に描かれている」エンターテインメント・ウィークリー誌

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Posted by ブクログ

昔、この映画観てめっちゃ良くて、昨年復刊したことを知り早速読む。映像もとても良かったけど小説もよかった。青い空の下、乾いた風の中で正月の伝統行事の凧上げを楽しむ可愛い男の子2人の笑顔や色とりどりの凧の映像が蘇った。
アフガニスタンの首都カブールでの裕福で恵まれた主人公の少年アミールと忠実で純心で優しい使用人の少年ハッサンとの身分の違いこそあれ幸せな日々。ある日ハッサンが3人の悪童による卑怯な暴力の的になるがそれを物陰でみていたアミールは恐怖に身がすくみハッサンを見捨てて逃げ帰る。残酷な事件によって断ち切られる絆、別離、戦争、内戦、2人の間に隠された秘密。大人になってアメリカで平穏に暮らしながらもなお後悔に苛まれるアミールは、タリバンの弾圧下のアフガニスタンでハッサン夫妻が殺されて残された息子のソーラブが窮地にあると知り今度こそ命をかけて彼を救おうと決意する。
幼いながらもいつも身を挺して主人を守る勇敢で忠実なハッサンに対して、目の前で起きている卑劣な暴力に立ち向かえなかったアミールを弱虫の裏切り者と誰が責められよう。良心の呵責に耐えられず家からハッサンと身体の不自由な彼の父親を追い出す画策までするアミールを卑怯者と誰が責められよう。
勇敢で人望の厚い偉大な父親への複雑な思いや出産後すぐに亡くなった母親への愛惜や自分のせいで亡くなったのではないかという罪の意識、身分の違いのあるハッサンを友と呼ぶことへのためらいなど幼いアミールにも心に抱えきれないほどの苦悩があったのだ。
ハッサンの変わらぬ忠誠心と澄んだ瞳と優しさが切なくてたまらない。
文章がとても読みやすく訳も良くて、空の色や土の感触、美味しそうな食事や飲み物、果物などの描写も素晴らしい。豊かで穏やかだったかつてのアフガニスタンに対し、戦争や内戦で荒廃し多くの人々の命が奪われたその後のあまりにも悲惨で過酷な状況が辛い。
そしてまたしても今度はイスラム原理主義タリバン。宗教ってなんなんだろう。人の心を救い、善に導き哀しみを慰めるのが全宗教の教祖の願いなんじゃないの⁈
家族や自身の過去、心に立ち向かい、悪党や狂信者や法の壁にも屈せず良心に従って生きることを選択したアミールの贖罪と勇気の物語は痛々しいほどだが、アミール夫妻の養子となったものの弾圧下の恐怖のために心身を病み話すことが出来なくなったソーラブと彼に寄り添い続けるアミールが、幼い頃にハッサンとしたように凧上げを一緒にする清々しいラストに救われる。

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2026年03月14日

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