坂井孝一のレビュー一覧

  • 承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱

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    鎌倉幕府三代将軍 源実朝(サネトモ)と後鳥羽院による朝幕体制は協調の関係だった。
    ところが、幕府内の権力闘争で実朝が暗殺されると、幕府は後鳥羽院のコントロールから外れてしまった。
    後鳥羽院は、北条義時追討の院宣を下す。そこには、従来言われていたような倒幕の意思はなかった。
    しかし、幕府首脳部は、これを幕府存続の危機にすり替え、御家人を結束させた。
    攻めの姿勢に出たチーム鎌倉、一方、予想外の展開で選択を誤るワンマン後鳥羽。
    日本史上初めての、朝廷の敗北。
    後鳥羽院、土御門院、順徳院の三帝が配流となる前代未聞の事態。
    そして、その後の天皇・院を幕府が決めた。
    公武逆転の画期。


    面白かった!

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    2025年04月05日
  • 承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱

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    承久の乱
    真の「武者の世」を告げる大乱
    著:坂井 孝一
    中公新書 2517

    鎌倉初期、東国は、鎌倉幕府、西国は、朝廷という、2重の権力構造をとっていた

    ■承久の乱の結論

    源実朝死後に、東国の朝廷への巻き返しをはかったが、敗北、日本全国が、鎌倉幕府のもとに統一された
     ①朝廷の暴走を監視するために六波羅探題を強化
     ②西国にも、東国地頭がおかれ、鎌倉幕府の全国統一がなった 恩賞として、東国武士へ
     ③平安から続く、土地問題などの紛争処理を円滑に処理するため、御成敗式目が作られて、武士の朝廷への優位が明文化された

    ■承久の乱に至る概況
    1199 頼朝急死
    1203 頼家危篤、北条比企の確執

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    2024年07月13日
  • 承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱

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    傑作。皆それぞれの立場があって、命をかけてそれを全うしていたんだろうなと想像して号泣した。当時も人が死んだらちゃんと悲しい。

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    2023年10月15日
  • 承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱

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    朝廷と武士との関係に変化を与えた、承久の乱。
    それに至るまでの経過を、平安時代の院政の始まりと
    武士が台頭から、乱後の情勢まで、粛々と説明してゆく。
    序章 中世の幕開き
    第一章 後鳥羽の朝廷  第二章 実朝の幕府
    第三章 乱への道程   第四章 承久の乱勃発
    第五章 大乱決着    第六章 乱後の世界
    終章 帝王たちと承久の乱
    国名地図、主要参考文献、関係略年表有り。
    文中に適宜、略系図、地図等有り。

    承久の乱へ至るまでとその後の情勢と歴史の変遷について、
    史料を駆使し、学者や作家の様々な説を考察し、
    或いは引用しながら、時代の流れを簡潔に語り、
    特に節目にあたる和田合戦のような事件や
    政治

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    2023年02月19日
  • 源氏将軍断絶 なぜ頼朝の血は三代で途絶えたか

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    実朝と後鳥羽のビジョンおよび実績が示されている。
    別史料に照らし合わせて吾妻鏡を裏読みしていくプロセスも面白い

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    2022年10月26日
  • 源氏将軍断絶 なぜ頼朝の血は三代で途絶えたか

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    鎌倉幕府において、創設者で初代将軍の頼朝の血統は、
    三代で断絶した。その三代の将軍についてと、権力闘争、
    その後の将軍継承をも含め、史料を基に詳細に解き明かす。
    はじめに・・・「吾妻鏡」の意図とその他の史料について。
    第一章 源氏将軍の誕生
    第二章 源氏将軍の継承
    第三章 源氏将軍の確立
    第四章 源氏将軍の試練と成長
    第五章 源氏将軍断絶
    終章 源氏将軍のその後
    関係略年表、主要参考文献有り。
    鎌倉幕府の初代将軍の頼朝から実朝までと、その後の将軍継承。
    それぞれの政治と権力闘争の流れを史料を基に解明していく。
    根本史料である「吾妻鏡」から潤色・曲筆をそぎ落とし、
    「愚管抄」や「明月記」、様々な

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    2022年08月10日
  • 源実朝 「東国の王権」を夢見た将軍

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    ネタバレ

    源実朝の歌集「金槐和歌集」から実朝とその名付け親である後鳥羽上皇との友好関係、踏み込んで言えば、早くに父の頼朝を亡くした実朝が後鳥羽上皇に父性を感じた、との話がとても面白かった。実子を儲けずに後鳥羽上皇の親王を次期将軍に据えることも、源氏の血統よりも「父」たる後鳥羽上皇の関係者を重視したわけだと。一時はその路線で進みかけた。しかし実朝の将軍親政は北条氏、特に北条義時から反感を買った。
    そして鶴岡八幡宮での右大臣拝賀の儀で甥の公暁に暗殺される。その黒幕を義時や三浦義村とする説もあるが、本書では若い公暁の単独犯行というフツーの結論に追いついている。そして親王の将軍を、との路線は後見人たる実朝不在に

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    2022年02月22日
  • 鎌倉殿と執権北条氏 義時はいかに朝廷を乗り越えたか

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    次の大河ドラマの登場人物たち。この本は今までの通説とは違う見解が記載されていて面白かったです。自分もこの見解は正しいと思います。大河楽しみです。

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    2021年10月13日
  • 源氏将軍断絶 なぜ頼朝の血は三代で途絶えたか

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    ネタバレ

    最初は低調だけれど、実朝くらいから面白くなる。リーダーシップのある実朝像と北条氏世の連携による「チーム鎌倉」と実朝生前から親王将軍構想があったとの指摘は新鮮。

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    2021年04月09日
  • 承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱

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    後鳥羽や実朝、義時といった当時の人々の人間像がつぶさに浮かび上がり、読み応えがあった。承久の乱は巷間伝わるような滅びつつあった王権が仕掛けた無謀な戦争ではなく、鎌倉方・京方ともにギリギリの判断が勝敗を決した側面がリアルに跡づけられ、当時の社会に及ぼした影響の大きさを実感した。

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    2021年01月30日
  • 承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱

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    2022年大河ドラマ「#鎌倉殿の13人」の予習として読んだのだが(気が早い)、非常にわかりやすく、一気に読み終えてしまった。
    第一次出演者発表後の人物相関図を横にして読むとよりわかりやすい。
    著者が時代考証を担当されるとのことなので、今から22年の放映が待ち遠しい。

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    2020年11月22日
  • 承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱

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    何となく、後鳥羽上皇が、鎌倉幕府を潰そうとしたけど、反対に潰されて、島流しになった、ぐらいにしか理解してなかった「承久の乱」

    白川上皇による院政誕生から、堀川、鳥羽、近衛、崇徳、後白河への流れを通して中世の始まりを説明してくれ、平治の乱、保元の乱、頼朝の鎌倉幕府までを丁寧に解説してくれる。その上で、三代将軍源実朝の暗殺、幕府に対する不信による後鳥羽上皇の承久の乱への流れを淀みなく教えてくれる。

    とっても面白かった。

    実朝は思っていたよりもずっと優秀な政治家であったりとか、後鳥羽も意外とまともな人物だった。

    白河上皇は孫の(後の鳥羽天皇)15歳に、藤原公実の娘璋子17歳を入内させる。璋子

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    2019年02月15日
  • 承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱

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     認識を改めたのは、後鳥羽上皇がただ戦に負けた愚かな君主ではなかった事。承久の乱の顛末だけを見ればそう見えるのだが、実は朝廷の権威を高めようと足掻いていた事を理解した。
     源実朝の暗殺がなければ、武士の世の到来はまだまだ遅れていただろう。

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    2019年01月28日
  • 承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱

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    2022年度の大河ドラマ、三谷幸喜の「鎌倉殿の13人」(北条義時=小栗旬、北条政子=小池栄子、源頼朝=大泉洋)は大ヒットとなった。
    かつての大河ドラマ「草燃える」(北条義時=松平健、北条政子=岩下志麻、源頼朝=石坂浩二)のリメイクで、主役は、史上最も人気の無い(と言われる)北条義時だ。
    一体誰がこんな地味で暗く陰湿な男のドラマなど見たいだろうか?
    しかし、そんな予断を見事に裏切って、この大河ドラマは、三谷幸喜の絶妙の演出と、優秀なキャストによって、一年間高視聴率をキープしてみせた。
    お見事!と言いたい。

    大河ドラマ「鎌倉殿」のクライマックスは承久の乱だった。
    それまで天皇家は戦争で負けたこと

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    2023年08月12日
  • 考証 鎌倉殿をめぐる人びと

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    鎌倉幕府の開創から承久の乱までを対象とした人物史と、この時代の背景を理解するための解説による構成。著者の見解を交えつつ近年の研究動向を踏まえて叙述されていて、分かりやすい内容になっている。

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    2023年05月28日
  • 考証 鎌倉殿をめぐる人びと

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    NHK大河ドラマの時代考証を担当した著者が、登場する人物に狙いを絞って深掘りする。

    最近の歴史研究の成果も反映されて、この時代の大まかな流れを理解している向きには大いに楽しめる。
    ドラマで八重を義時の妻としたのは著者のアイディアらしい。その根拠や背景については相当の分量が割かれている。

    第二部の歴史教養編も非常に興味深い。

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    2023年04月17日
  • 承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱

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    後鳥羽上皇は、多芸を嗜んだバランス感覚のある人物であったんだろうなあと勝手に想像しています。
    世が世でなかったら、色々な方面で功績を残せたんだろうに。
    でも、どこの時代でもこういう人はたくさんいるんでしょうね。

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    2023年01月28日
  • 考証 鎌倉殿をめぐる人びと

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    ネタバレ

    中の人、例の大河ミテイナーイ(笑)
    だけれども、いろいろな人が入り混じり
    歴史は成立していったんだなと思いました。

    ある女性に関しての謎も
    とっても興味深いものがありました。
    なぜその人が消えてしまったのかというのも…

    それと尼将軍のあの人に関しても
    一般的なイメージとは違うことに
    驚きでした。

    女性が政に顔を聞かせるには
    いろいろと知らないといけないけど
    女性が使っていた文章は当時は…と考えると
    大変なことをしていたんだな…

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    2022年11月09日
  • 考証 鎌倉殿をめぐる人びと

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    大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の時代考証チーフが、その時代の
    人物たちについてと出来事の背景等を、考証を交え考察し、語る。
    第一部 人物考証編
     I 源家の人びと  II 北条家の人びと
     III 東国の有力御家人たち  IV 時代を騒がせた女性たち
     V 法皇・上皇と都の権力者
    第二部 歴史教養編・・・時代の背景と基礎情報を提示。
    主要参考文献有り。
    平安時代末期から鎌倉時代の初期に亘る時代の変遷の中で、
    主要人物たちと出来事、当時の時代背景等を、コンパクトに、
    かつ丁寧に考証と考察を交え、分かり易く語っている。
    考証をする側からの視点もあり、各種史料や最新研究をも
    盛り込んでいて、例えば、八

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    2022年08月18日
  • 源氏将軍断絶 なぜ頼朝の血は三代で途絶えたか

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    ネタバレ

    鎌倉幕府が続いていたのは知っているけれど、実朝が倒れた後の将軍が誰なのかは正直よく知らなった。
    ならば何故源氏将軍は三代で断絶してしまったのか。
    吾妻鏡をベースに愚管抄やその他の資料から読み解く源氏三代の歴史。頼家と実朝の治世も改めて振り返る。

    20歳前後で後継を決める時代、後鳥羽上皇の従妹である御台所との間に子供が恵まれず、幕府は後鳥羽の息子を将軍として迎える打診をする。
    実朝と後鳥羽の信頼関係。北条との格の違い。
    親王将軍候補はどちらも20歳前後。
    至高の血統となれば源氏に戻すことなどありえず、事実上の源氏将軍断絶。それは実朝も承知のことだった、というのが驚きだった。
    もし親王を迎えた後

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    2022年07月31日