村上啓夫のレビュー一覧
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ネタバレクリスマスシーズンということで、数年ぶりの再読。
クリスマスに一家が集合して、遺産問題で揉めて、そしてある夜事件が……!クラシカルな展開だけど、登場人物もわかりやすく、最後まで飽きさせず面白い。ドラマではどう表現しているんだろう?という設定があり、視聴への期待が高まる。もうちょっとクリスマスっぽい食べ物とかか出てきたらもっとよかったなぁ。
(余談)
・途中でヘンリーという名前が出てきて、表紙裏の登場人物一覧を見てもわからず、「誰!?」と混乱したらハリーのことだった。
・ある文学作品に設定が似てるなぁ…と思うがそれを言ってしまうとそちらのネタバレになってしまうのでなかなか言えずちょっと歯がゆい -
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クリスティの長編ミステリ。ポアロシリーズ。クリスティが傑作を発表し続けていたあぶらののっていた時代の作品らしく、フーダニットの傑作だ。
昔からポアロシリーズは沢山読んだが、改めてクリスティの作品を読み進めていくと様々な発見がある。
いずれも人物描写について、クリスティ程作中の人物達が生き生きとしているミステリは少ない。美少女や美青年の表現描写は勿論、嫌な人物までありありと目に浮かぶ。今作はリーという一族の中で発生する事件であるが、正しく人物描写力が光り、作品の面白さを何段階も上げている。
イギリスのクリスマスはおそらく日本人がとらえるよりも重要なイベントであり、今作以外にもクリスマスに -
購入済み
クリスティーらしいです
クリスティーの小説の好きなところはトリックどうのよりも被害者と犯行を疑われる人たちの性格やその行動理由に焦点が当たるところですね。人間同士の問題というか、ドロドロして生々しいけれど納得するリアリティーがある感じです。今回もその部分が遺憾なく発揮されていて面白かったです。
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クリスマスの休暇で実家であるゴーストン館を訪れていた40歳代の4兄弟たちとその妻、亡くなった娘の孫娘。旧友の息子である客人。
クリスマスイブに惨劇が。主人である富豪のシメオン・リーが殺され、部屋の中で血まみれになっていた。
そして、シメオン・リーは殺される前にサぐデン警視にダイヤモンドの盗難を相談していました。
殺人犯とダイヤモンドを盗んだのは同一人物か?
そしてリー氏が倒れていた部屋には誰もおらず、内側から鍵が掛けられていた。血染めの室内に凶器はなく自殺ではないと断定される。
クリスマスイブの血の惨劇。
子供たちから疎まれていた老人の周りは遺産目当ての怪しい人物ばかり。
果たして、エルキュー -
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密室!
久しぶりだー。
しかもこてこての密室!
にやにやしてしまった。
そこに富豪がいる限り。
そこに不遜な父親がいる限り。
起きちゃいますよね殺人が。
明らかに怪しい態度をとっていた人間がいたのに。
あー、めちゃくちゃ怪しい。絶対この人が犯人じゃん!て思ったのに。
なぜその人の存在を忘れるかな私。
いや。忘れるようにまんまと誘導されてしまったのか。くーーっ!
あとは、なんとなく「ぽくない」感じがあったな。
良いとか悪いとかではなく「アガサクリスティーぽくない」というか。
でも読後感が良い点はいつもと一緒。
読後感やその作品を包む雰囲気は作者の人柄が反映されるっていうしね。だからアガサ -
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ネタバレ「こんなクリスマスはもうこりごりですよ、まったくのところ」
ほんと、そう。せっかくの年に一度の楽しいクリスマスに、血みどろなとんでもない殺人事件が起こるなんて。しかも容疑者が家族全員だなんて、酷すぎる。
そんなせっかくのクリスマスに、休暇返上で密室殺人事件の謎解きに挑むポアロ。相変わらず飄々としながらも冷静に、そして確実に真犯人を追い詰める。
誰が真犯人なのか、色々想定しながら読み進めていたけれど、見事に大ハズレ。またもやポアロに一本取られた感じ。まさかあの人が…。
そんなこんなで最後は全てが丸く収まり、みんなの日常もなんとか良い方向へ収まって一安心。
一足早いけれどメリー・クリスマスなミス -
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ネタバレクリスマスに、家族が集まっている時に、屋敷の主人のシメオンが殺害されます。横暴で支配的な主人と、それに逆らえない人々という構図は、"死との約束"に通じるものがありました。
富豪の死・遺産相続が絡む、クリスティでこのパターンは、動機のはっきりしている、直感で怪しいと思わせる人物が犯人だろうと予想していましたが、大外れでした…。
サグデン警視は、これからレギュラー化して欲しいくらい好きな人物だったので、ショッキングでした。しかし、読み返してみれば、やたらハンサムであることや、隙のない性格について描写していました。シメオンの血を色濃く受け継いでいるという情報を、読者にきちんと与え -
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「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『ポアロのクリスマス(原題:Hercule Poirot's Christmas{アメリカ:Murder for christmas})』を読みました。
『終りなき夜に生れつく』、『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?』、『NかMか』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
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聖夜に惨劇は起きた!
一族が再会した富豪の屋敷で、偏屈な老当主「リー」の血みどろの死体が発見される。
部屋のドアは中から施錠され、窓も閉ざされているのに、犯人はどうやって侵入したのか?
休暇返上で捜査にあたる「ポアロ」は被害者 -
購入済み
ですよね
謎解きされたときの私の感想は、「ですよね」
ということで、さっぱり気づきませんでした。
それにしてもクリスティの小説の登場人物は、
リアリティがありすぎて恐ろしいような気がする。
人間心理の普遍性が、今でも読み次がれている理由なのでしょう。
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ポアロもの。
この作品は、クリスティーの義兄から「もっと血にまみれた思いきり凶暴な殺人を」というリクエストに応えた、クリスティーからのクリスマスプレゼント(?)です。
クリスマスの夜。親族が一堂に会した富豪の屋敷で、当主のシメオン・リー老人の血みどろの死体が発見されます。室内は家具等が倒壊しすさまじい状態ですが、部屋のドアは中から施錠されていて・・。
この密室殺人の捜査に乗り出すポアロ。犯人は家族の中にいるのでしょうか・・。
謎解きと併せて、クリスティーならではの人物描写が冴えわたり、一族間の人間模様も楽しめます。
そして、本作品中通して“血”が絡んでいるな。という印象を受けました。“血液