山中俊之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
題名から想像した通りの内容で面白かった。的確な客観的な事実と著者の経験による実証、そして推測。なるほど、、、と頷くしかなかった。
やはり、日本のテレビでニュースに出てくる内容だけでは理解できていないことが多い。人種、民族(歴史、文化、宗教を同一にしている人間の集まり)、地理的条件、それらが時間と共に動いている。今もOn goingなのだ。
かなり長期的なスパンで俯瞰できるのなら全世界が同一化していきそうなものだが、そうはならないであろう。残念ながら、少なくとも自分が生きている間はこの本に書かれている状況は変わらない。
過去数年間滞在したことがあるのは米国とアイルランド。数日間滞在した国であればドイツ、ルクセンブルク、タイ、香港、シンガポール、チェコ、ブラジル、イギリス、フランス、ベトナム。思えば、いろんな国に行かせてもらったものだ。
少なくとも自分が関わったことのある国々についての著者の分析は的確だと思う(何を偉そうに?)。
自分が足を踏み入れたことのない国々・地域、特に中東やアフリカについては大変勉強になった。
この本を読んで思ったのだが、現在自分が日本で日本語で日常生活を送れていることが、つくづくありがたいと感じてしまう今日この頃である。 -
Posted by ブクログ
日本史といえば、どうしても戦国時代や幕末といった、私たち日本人が盛り上がるネタを思い浮かべてしまうが、海外の人からするとそれらはそれほど重要な内容では無い。
むしろ、八百万の神に代表される日本の信仰、1500年続く天皇家、禅の成り立ち、ハイレベルな経済や教育を生み出した江戸時代、そして世界的な画家葛飾北斎に代表される浮世絵、落語や歌舞伎などの演劇にこそ、興味が向いている。
恐らく、彼ら自身が大切にしているものであり、それらが日本でどうなっているのか、またどうしてそうなっているのか、という比較論で語られているからだと思うが、これらのポイントを押さえておくことは大切。 -
Posted by ブクログ
著者は元外交官で世界と日本の歴史に関するセミナーの講師。
ありがたいことに日本のことを好意的に受けとる英国人はすごく多い。来日したことがある人は別だが、大多数の人は具体的に何かを知ってるわけてわはなくて「何となく良いイメージがある」というのが率直なところ。そこで気の利いたセリフが返せない自分がもどかしい。
本書では著者の体験をもとに外国人受けをすることを解説する。ポイントは外国人と日本人の琴線は微妙に異なること。例えば日本人が戦国時代や幕末が好きな人が多いが、外国人は芸術や宗教観に興味を持つ。
こういった知識を引き出しに持ち、効果的に使えればよりよい意思疎通ができるのだろう。これがまた難しいのだが… -
Posted by ブクログ
外国人が関心を寄せる日本史のテーマは、日本人が好むそれとは大きく異なる! 多くの国を訪れた元外交官が、海外の人々を魅了する日本ならではの文化・歴史を紹介した書籍。
日本には古代から、自然に神が宿っていると考える宗教観があり、自然は崇拝する対象だった。一方、キリスト教など一神教文化では、自然は人間によって支配されるものと考える。
日本の神道は、自然崇拝と儒教由来の祖先崇拝の両面から発展していった。さらに、この神道と後に伝来した仏教とが習合し、日本人の宗教観が形成された。
アップルの創設者スティーブ=ジョブズなど、禅に関心を寄せる外国人は多い。それは、徹底的に無駄を省くことで本質に迫ろうとする思想にひかれるからだろう。シンプルさを重視するジョブズの姿勢は、禅思想を体現しているといえる。
日本の天皇制は、血統として約1500年継続している。これほど長く皇室・王室が続いた例は皆無であり、世界史において類たぐい稀まれな存在といえる。このような天皇制に、歴史に関心のある海外の人々は関心を寄せている。
浮世絵は、世界の美術史に大きな功績を残した。中でも葛飾北斎は、ジャポニスム(日本の開国後に欧州で起きた、日本美術への高い評価に伴う日本趣味のこと)を代表する画家として知られる。西洋の絵画が前提とするリアリズムなどを採用しない浮世絵の独自性は、当時の欧州の人々を驚かせた。
能や歌舞伎といった日本の演劇には、海外の人々に関心を持たれる要素が多い。例えば、歌舞伎に登場する「我慢」「敗者の美」「生まれ変わり」などのテーマは欧米には存在しない価値観であり、外国人の好奇心をそそる。