あらすじ
アメリカ・ヨーロッパ・中東・インドなど世界で戦うビジネスパーソンには、現地の人々と正しくコミュニケーションするための教養が欠かせない。そして、哲学・歴史・美術・音楽・語学…これら教養の土台となっているのが実は宗教だ。世界80カ国で活躍してきた元外交官が教えるビジネスで使える5大宗教の基礎知識。
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Posted by ブクログ
世界5大宗教である、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教のはじまりとそれぞれが重要視する教えの要点を学べる。そして、何故宗教が存在するかも考えることができる。
さらには無宗教が大多数を占める日本人にも仏教や神道の考え方が影響していることも発見できる。
本書は前書きを読むことが非常に重要である。
グローバル社会において、相手国の文化や価値観を知った上でビジネスを行うことは非常に大切である。それらの文化や価値観に最も影響を与える存在が宗教である。つまり、宗教とは世界の文化や価値観を知るための一般教養である。
何度も読み直す本。
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ビジネスエリートを目指す人に対するメッセージが繰り返されます。私はビジネスエリートを目指す立場でも年齢でもありませんが、今のイスラエル問題を含めて理解を深める為に役立つと思います。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教だけでなく、仏教、ヒンデユー教についても興味深く読むことができました。
キリスト教の中でのカトリックとプロテスタントの違い、社会や政治に及ぼす影響が大きく、大統領選挙も違いを意識しながらニュースを見るとおもしろいと思いました。
イスラム教についてもシーア派、スンナ派の違いを知ることでイランの国際社会での位置を知ることで役立ちました。
日本人は宗教偏差値が低く、自分は無宗教だと考えている人が多い。私もその中の1人ですが、国際的には善悪の違いもわからない信用できない人だと思われてしまうらしいです。特に困ることはないのですが、知識として持っているとニュースの見方が変わるとお見ます。
ぜひ一度読んでみて欲しいです。お勧めです。
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ユダヤ教•キリスト教•イスラム教•ヒンドゥー教•仏教•日本の宗教について深く書かれている本だった。
我々日本人は宗教に対してネガティブなイメージを持つ人が多いがそれは「宗教」と言うものを深く理解していないからだと痛感させられた。
「知識がないから怖れる」の典型的な例と言ってもいいだろう。
日常生活の中で外国人と喋る機会が多いので各宗教はどのような特徴があり、何がタブーでどういう考え方をするのかが書かれている本書の存在は本当にありがたい!
外国人の方と話していて悪気なく地雷を踏まないためにも読んでおいた方がいい。
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宗教導入書として最適。分かりやすい、面白い、日本人に是非読んでもらいたいです。少しでも宗教の知識があると、世界情勢の見え方がグッと広がるのがよく分かります。日本人に根付いているのは仏教の価値観なんだなと実感。
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世界94カ国で学んだ元外交官が教える ビジネスエリートの必須教養 世界5大宗教入門。山中俊之先生の著書。ほとんどの日本人は自分が信じる宗教への理解も足りなければ他人が信じる宗教jへの理解も足りない。宗教に対する無理解は国際社会では致命的な欠点。宗教に対して無理解な人間は簡単に非常識人間の烙印がつく。非常識人間の島国人間で終わらないためには必須教養としての宗教知識を持たないといけない。山中先生のように世界の宗教をわかりやすく解説してくださる方から教わることが非常識人間の島国人間からの卒業の近道になる。
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私は宗教偏差値が本当に低いので、すごく勉強になった。
海外旅行によく行くけど、その時に文化の違いなんやなぁと考えてた点が、宗教と深く関わっていたり、基本中の基本なんやろうけどほとんど全てのことを知らなかったので、これを機に理解を深めていこうと思う。 日本人は宗教と聞くと何か怪しいものをイメージしてしまったり、理論的ではない神話の世界を想像してしまう。私は無宗教です、という人も多いと思う。
けれど、世界のあらゆることが宗教と結びついていて人々の倫理観とか価値観に影響を与えているということを、この本を通して理解できた。
海外で暮らしたいとずっと思ってるけど、宗教についてもっと深く知らないといけないなと思った。
日本の仏教は、儀式が中心になってしまった理由として檀家制度が挙げられていた。
お寺が檀家に向けて、お布施を多くもらうためにお盆にはお墓参りしたほうがいいですよ、法事はきっちりやった方がいいですよ、と色々な働きかけをしていることがイベント化してしまった原因の一つとのこと。
Posted by ブクログ
☆全ての教養の基礎には宗教がある
世界の宗教を学ぶ事は全ての教養の基礎になると言うことを学んだ。今までは宗教はただの歴史で学ぶ事くらいに思っていて、歴史的な事実でしか宗教を学んでいなかった。しかし、これから海外の人とビジネスや交友をする時に、宗教の当たり前や日常、タブーを知らないのはあまりにも失礼だし、無知だと思われる事を痛感した。さらに、宗教の話題をあまり好まない日本人の風潮の中で育った自分には自国の宗教、つまり仏教や神道について自分の事として考える事がほとんどなかった。しかし、自分の生活の中には無意識に仏教や神道に由来する言葉や行動が多く存在する事を知った。自国の宗教について自分の意見や結論を持っておくことがこの先とても重要であると思った。これからは映画や本、海外の友達から宗教の日常や当たり前を少しずつ学んでいこうと思う。そうする事で、相手に失礼の無い振る舞いや、教養を身につけることができるだろう。
Posted by ブクログ
○第2章 ユダヤ教
・IntelやDELL、Google、Facebookの創業者もユダヤ人p56
・イスラエルはITやベンチャーが盛んp56
・神は最初の人間アダムを創り、アダムの肋骨からエヴァを作ったp61
←男女差別的であると感じる人もいるだろう
・産めよ、増えよ、海の水に満ちよ。鳥は地の上に増えよ。
我々にかたどり、我々に似せて、人を作ろう。そして海の魚、空の鳥、家畜、地の獣、地を這うもの全てを支配せよ。(いずれも創世記第一章)p61
←多産の奨励(多神教には、神による多産の奨励がある)と、動物を支配せよと言う人間の優位性が示されている。
・善悪の知恵の実を食べた2人を見た神は、アダムには労働、イブには妊娠と出産の苦難を与え、エデンの園から追放した。p63
←ちなみに、ユダヤ教には原罪の概念はない。
→男は働き、女性は家を守るって感じ?男女差別と取られなくもないけど。どっちにしろ男は働けってことか。
・過越の祭りp66
出エジプトを記念。
概ね4月に行われ、1週間程度休みになる。
・ペリシテ人のゴリアテを倒したダビデは、羊飼いという下層の身分ながら王にp69
←優秀な者が神の思し召しによって王になるという考え方。優秀な人材登用。
・ダビデの子ソロモンが建てた神殿の外壁が、嘆きの壁の名で聖地として残っている。p70
←それゆえに、エルサレムを聖地として捉えている。
・離散してもユダヤ教徒はアイデンティティを失わなかった。p71
・キリスト教社会では、ユダヤ教徒はつける職も限られていたため、金融業などで生計を立てる。p72
←シェイクスピアの『ヴェニスの商人』で、金貸のシャイロックが大変強欲な人間として描かれており、当時のヨーロッパ人のユダヤ人への偏見を見るには役立つ。
←お金に強いユダヤ人になった(レビ記には、「異邦人に貸し付けるときは利子をつけてもいいが、兄弟から利子をとってはいけない」とあり、利子が認められていないキリスト教と対称的。また、「消費はいけない。投資をしなさい」とあり、特徴的)。p78
!世界人口のわずか0.25%のユダヤ人が、ユダヤ系を含めるとノーベル賞受賞者の20%を占めている。『フォーブス』の長者番付で常に上位を占めているのもユダヤ人。p77
←ヨーロッパで圧倒的少数派であったため、その国のメインストリームに行くことは難しく、自らの力で人生を切り開こうとしてきたから。
←聖典のひとつ『タルムード』に、「新しいことを常に学びなさい」や「時間当たりの成果を意識しなさい」など、ビジネスパーソンの指南書のように現実世界における成功や繁栄につながる内容がかなり多くある。
・ユダヤ教で押さえるべき戒律p79
613の律法(ミツヴァ)のなかで、禁止事項が365ある。
①食べてはいけないもの
ヒレ、鱗のないシーフード。肉と乳製品を同時に使ったもの(ピザやチーズバーガー)。血の摂取。豚(蹄が完全に分かれていて、反芻する4本足の動物はok)は食べてはいけない。
②土曜日が安息日
金曜の夕方から土曜の夕方までは完全に休み。
←単なる休みというわけではなく、安息日に置いて大切なのは「日常生活から離れて、本質的なことを深く考える」こと。
③男子は割礼をすべき
モーセ5書には「男子は割礼をすべし」と何度も出てくる。割礼について不用意に反対するのはNG
○第3章 キリスト教
・イエスはユダヤ教の裁判にかけられて殺された。p86
←ヨーロッパでのユダヤ人迫害の歴史につながる。ちなみに、ユダヤ教では、メシアはまだ現れていない。
・イエス・キリストの誕生日であるクリスマス
復活を祝う復活祭(イースター)
イエスが復活して50日目(昇天後10日目)に精霊が降りてきたという新約聖書の記述からきているペンテコステ(精霊降誕祭)
が大切な祭り。
神を信じ、聖書の福音に従うことで、最後の審判を経て天国に行けると説いている。p86
・キリスト教は、隣人愛を重視する「愛の宗教」p86
・新約聖書p87
イエスの生涯の行動と言葉である「福音書」
初期のキリスト教の歴史でありペテロやパウロの伝導の話が中心の「使徒言行録」
パウロなどが描いた「書簡」
イエスの再臨などについて書かれた「ヨハネの黙示録」
に分かれる。書いた人も時期も様々。
・十字軍p100
1096年から13世紀にわたって、7回も行われた聖地エルサレムを奪還するための戦い。7世紀初頭に誕生したイスラム教に対抗するため東西に分裂してイタキリスト教が手を結んだ。
←それ程までにキリスト教を信じ、広めようとした(実際は領土や財産の奪取を目的とする侵略戦争の側面もあったが)。
!←宗教が要因となって戦争が起こるというのは、日本にはない。宗教の持つ歴史的な意味合いが、日本とは違う。
・キリスト教こそ異教徒に厳しいp101
布教に関連する戦争が多かったのは、イスラム教よりキリスト教。
同じキリスト教の中でも、魔女裁判のように、異端緒を見つけて弾圧することもある。
!←このキリスト教の一面が、正否をはっきりさせるディベートを重視するという今日の欧米の文化を作り上げたと推測される。
!また、キリスト教の宣教師による伝道は、プレゼンテーションのルーツなのかもしれない。新約聖書は、物語仕立てで面白く、巧みな例え話も折り込まれていて、話術によって広めるにはぴったりだった。
←!日本のベースにあるのは「深遠なことは言葉では伝わらない」という体感を重視する仏教文化。こうした点がビジネスシーンで日本人が活躍しきれない原因かも。
・宗教画は識字率が低く、ラテン語で書かれた聖書が読めない民衆に、キリスト教の素晴らしさを伝えるために発展した。p102
・イコンp103
東方正教会の絵画。
建前的には偶像ではないが、多くの金を何枚も重ねて、キリスト教の物語を表している。
・東方正教会は人間関係が密?p105
ロシア人といい、ギリシャ人といい、東方正教会の人々は、人間関係の密度が高いと感じる。お互いに助け合おうという感覚が強い。
・教会の建築p105
12世紀の終わりぐらいまではローマ・カトリックではロマネスク建築、東方正教会ではビザンチン建築の協会が主に作られた。
その後、非常に高い塔を持つゴシック建築が生まれた。ドイツのケルン大聖堂は、157mの高さの塔を持つ、ゴシック建築を代表するカトリック教会。高い塔は、神のいる天を目指しているとされる。ノートルダム大聖堂も、聖母マリアに捧げる為に作られた、ゴシック建築の教会。
カトリックの総本山であるサン・ピエトロ大聖堂は、ミケランジェロが設計した132mのクーポラ(ドーム)が印象的で、調和の美のルネサンス様式と豪華なバロック様式の両面を兼ね備えている。
・音楽も文学も、キリスト教を抜きに語れない。p106
バッハの最高傑作のひとつ『マタイ受難曲』は新約聖書の「マタイの福音書」に記されたイエスの受難を扱った、3時間にわたる大作。
世界文学最高峰のひとつとされているダンテの『神曲』は、地獄、煉獄、天国の各編に別れ、キリスト教の価値観や教養を文学作品として表現している。
ドストエフスキーの『罪と罰』のテーマのひとつは、法律に違反しても神からは許される犯罪もあるのではないかという深遠なもの。
ジッドの『狭き門』では、神の国と地上の国における幸福の探求がテーマになっている。
・宗教改革が個人主義の始まりp113
ルターが掲げたのは「信仰主義」「聖書主義」「万人祭司」の3つ。ざっくり言うと、神と一対一で対峙して信仰を大切にし、聖書を読んで自分なりに解釈し、主体的に行動すべきという主張。
←現代社会の個人主義のスタート。
・カトリックとプロテスタントの違いp113
巡礼や寄付、ボランティアなどの善行によって罪人も救われる(労働や蓄財にはネガティブ)カトリックvs信仰によって救われるプロテスタント。
ゴージャスな教会のカトリックvs簡素で装飾のない作りの教会を持つプロテスタント。
神父の話や音楽や絵画で宗教を感じるカトリックvs自分で聖書を読んで神について考えるプロテスタント(みさをするのは基本的にカトリックのみ)。
神父が生涯独身のカトリック(さらに一般人の離婚にもネガティブ)vs妻帯が認められるばかりか、女性の神父もいるプロテスタント。
!p119
欧米はカトリックとプロテスタント、東方正教会に分かれているが、現在経済的にうまく行っているのは、プロテスタントの国が多い。その理由は、、、
①識字率が高い
自分で聖書を読むため、識字率が高かった。一般人の知識レベルが高かったので、産業革命の波にうまく乗れた。明治維新以降の日本が急速に近代化できたのも、識字率が高かったからだと言われている。
②個人主義
自分なりに聖書を解釈する姿勢は、自主的に考えて行動するという現代の働き方に近いものがある。指示待ちは良くないというのは、ビジネスエリートの常識。
③仕事=神の教えに従うことという概念
カルヴァン派の禁欲的に働くことが救いとなり、新たな事業に塔強いて良いという考え方は、資本主義と親和性が高い。
○第4章 イスラム教
・イスラム教は商業の力で広まったp136
イスラム教では商業を肯定的に考えており、「アッラーは商売を合法なさった」と考えられている。
交易に乗じて中東や北アフリカ、アフリカ沿岸のケニアやタンザニア、インドネシアやマレーシアに広まった。
・ムハンマドはあくまで人間。イスラム教では神と人間がくっきり分かれている。p137
←ユダヤ教やキリスト教徒を経典の民と尊敬し、モーセやイエスを偉大な預言者として何度もコーランに登場させるが、彼らが神から得た言葉には誤りがあり、ムハンマドこそ最後にして最大の預言者とされている。p139
・イスラム教は税金で広まった?p143
異教徒も税金をたくさん払えば受け入れた。
長い目で見れば、イスラム共同体の中でアッラーの素晴らしさに気づき、税金も安くなるならと回収する人がいて、信者拡大の一因となった。
・イスラム教徒は弱者に優しいp144
すすんで喜捨をする習慣があるし、「アッラーは慈悲深い」や「孤児を大切に」、「戦争未亡人を助けなさい」という先進的で現実的な教えがあり、戦争の被害にあった弱い立場の人がイスラム教の教えに惹かれて回収したというのが、イスラム教が爆発的に増えた理由のひとつ。
信仰も拠り所となり、事実、イスラム教徒の自殺率は相対的に低い。
・アラブとイランは中国と日本ぐらい違う。p149
アラブ人は「アラビア語を母国語として話す人」の意味。アラビア語を話さないイラン、トルコ、アフガニスタンはアラブではない。インド・ヨーロッパ系の民族。
イラン人は「我々は古代ギリシアの時代から大帝国であったペルシャの末裔。イスラムが生まれる遥か前からある、歴史ある民族だ」というプライドがある。自国の文化に相当なプライドを持っている。
イランの多数派はシーア派。
・トルコは、もともと中央アジアにいたが、西進して中東方向にやってきた。イスラム圏では後発ですが、オスマン帝国の栄光から誇り高き民族と言える。p151
・ジハードp152
本来は「イスラム共同体を守るためにすること」。ただし、「イスラム共同体に異教徒が攻めてきたら、平和を維持するために迎え撃ちなさい。ただし決して自分から仕掛けてはいけない」とある。
ジハードによって命を落とした人は天国に行けるため、ジハードを都合の良い解釈をして、テロを行う哀しい図式が見えてくる。
!エルサレムは宗教融和の象徴都市p153
エルサレムは、ユダヤ教徒にとってはソロモンの神殿があった場所。キリスト教とにとってはイエスが磔になった場所。イスラム教徒にとっては、ムハンマドが一夜のうちに昇天する修行(ミウラージュ)を経験した場所。
エルサレムの岩のドームには、最後の審判の前に全ての魂が集まると言われている。
狭い旧市街でキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒が共存する姿を見て、エルサレムこそが宗教融和の象徴都市になるべきだと感じる。
→エルサレム行きてぇ。
・礼拝(サラート)p156
1日5回、メッカの方向に祈る。1回当たり15分〜20分程度。時間はある程度柔軟で、夜帰宅してからまとめてやる人もいる。
頭を下げるのは、「神絵の絶対的帰依」を示すものであり、人に頭を下げるのに抵抗感がある。
!日本人はお辞儀の文化があるが、イスラム教徒と仕事をするときは、お辞儀は控えた方がいい。
また、神の前では平等が大前提であるから、お客に頭を下げることもしない。
・イスラム芸術p158
偶像崇拝禁止のため、幾何学的装飾や文字装飾、植物模様の装飾が発展。
特に、カリグラフィー(書道)が芸術に発展したのは漢字とアラビア文字だけ。ここは話すと喜ばれる共通点。
・ラマダンp160
重要なのは、皆でひもじい思いをし、貧しい人を思いやることで連帯感が高まること。「ラマダンカリーム!(ハッピーラマダン!)」という言葉があるくらい。
皆が集まるという意味で年末年始のような雰囲気。
ラマダンが終わった後の3日間が、イスラム教最大の祭りである「イード・アル・フィトル」
イスラムで禁止されているお酒は、ラマダン時期には決してイスラム教徒の前で飲まないように注意するべき。
・イスラム教徒との食事p163
豚は全面禁止。豚由来の調味料や、豚を入れたことがある冷蔵庫もNG。
しかし、豚だと知らずに食べた場合は、悔い改めれば許されるものらしい。
・イスラム教徒の結婚事情p168
基本的にイスラム教の国は、少なくとも婚約者でない限りは2人きりのデートは難しい。
また、結婚式にも国によって大きな差がある。
イスラム教では、結婚が非常に奨励されているが、男性が女性を全面的に、また複数の場合には平等に扶養しなければならないため、1人とも結婚できない男性もいる。
○第5章 ヒンドゥー教
・ヒンドゥー教には預言者がいないp181
信じている多神教をまとめて、聖典のヴェーダができて、宗教としての形が整っていった。
・日本みたいな信仰のスタイルp186
「私はヴィシュヌを信じているので、ヴィシュヌが祀ってあるこのお寺に行きます」
「私はガネーシャが好きだから、出勤前にはこのお寺に毎日寄るんですよ」
人それぞれ信じる神様がいろいろあって、日常的にその神が祀られたお寺に拝みに行く。この多神教らしい自由さが、ヒンドゥー教のスタイル。
・お釈迦様=ヴィシュヌの化身のひとつ、と捉えられており、仏教はヒンドゥー教だと考えられている。p188
・不殺生を重視するヒンドゥー教では、肉食に対する忌避感が強くあり、菜食主義の人が多くいる。菜食の方が、輪廻転生のあと、より高いカーストとして生まれるとこができると考えられている。p196
!ヒンドゥー教には禁欲的な教えも、快楽的な教えもあるp196
→快楽的な教えって意外だよね。どんなんだろう。
・牛は神の乗り物として神格化、食べてはいけない。p196
←ユダヤ教やイスラム教も食べられないのもがあるが、それは神に禁止されているから。聖なるのもだから食べないというのは特徴的。
・カーストのリアルp199
四つの身分であるヴァルナと、細かい身分のジャーティがあり、ジャーティにはつくべき職業が200〜300の細かさで定められている。
ヒンドゥー教の人間関係はジャーティのなかにあり、人付き合いも婚姻も原則ジャーティの中で行われてきた。
今はそれほど問題ではないとされる(ダリット出身のアンベードカルがインド独立後にガンディー首相の下で法務大臣を務め、カースト差別禁止をインド憲法の条項に入れた)が、人々の心理には根強く残っている。
ヒンドゥー教徒と仕事をすることになったら、カーストを直接尋ねるのは無礼。しかし、配慮はあると良いので、信頼できる同僚に聞くといい。
!ダリットにも優しいヒンドゥー教p202
ダリット出身の大統領もいる。
優秀なら、色んな人が支援してくれる。ダリットの子どもへの奨学金制度を設けている週もある。
←いい意味での人材の流動性がある。
←「大いに稼いで盛大にお布施をする」「たくさん稼げばたくさん寄付できる」という考え方。
公務員や議席に一定枠をダリットに充てている制度があったり、ダリットの権利向上を掲げる政党もある。
・ITがジャーティの抜け道p203
ジャーティにIT企業は存在しないので、カーストに関係のない実力本位の雇用を実現している。
・ヒンドゥー教の結婚事情p203
イスラム教と逆で、女性側に持参金を準備することが求められる。
年収の何倍もかけた式を、時間もかけ入念に準備する。日本と比べるとかなり派手で、何日も続くことがあるので、招待されたら注意が必要。
・ヒンドゥー教の女性p204
ヴィシュヌの妻にあたるラクシュミーなど、女神もたくさんいる。
しかし、実際には性暴力も多く、女性差別が今も根強く残っている。
一方で、大勢の女性経営者がいたり、女性の総理大臣もいた。社会進出は進んでいる。
○仏教
・四法印p209
①諸行無常:物事は全て常に変わっている。
②諸法無我:全ては関係性の中で成り立っている。
③一切皆苦:世の中のことは全て苦しい。
④涅槃寂静:涅槃とは、静かな安らぎの境地である。
!タイ人はカウンセリング代わりに出家するp222
出家を重視する上座部仏教。
上座部仏教の国々では、今でも「男性の仏教徒なら、一度は出家をした方がいい」と考えるのが基本。多くの人は期間を決めて行う(外資系企業としては頻繁に出家されても困るので、出家しない女性を雇うという考え方もあるとか)。
サッカーチームのコーチと少年たちが、数術館洞窟に閉じ込められて事件があったが(あったなぁ)、救出された後、彼らは数週間出家したそう。
無事だったとはいえ、レスキュー隊に死者が出たり、少年たちの心には大きな傷が残ったことだろう。上座部仏教の国では、出家してお釈迦様と向き合うことが、カウンセリングに匹敵する心のケアになる。
Posted by ブクログ
元外交官で、現在研修講師やコンサルタント、大学院教授など、多様な分野にて活躍されている方の著書。
中東に駐在された経験や、また、長年にわたる宗教についての研究や豊富な知識により世界の五大宗教を1冊の本にまとめてらっしゃいます。
もはや、日本中どこに住んでいても、外国人と関わる機会がある時代、相手の宗教や多様性を理解することで、生活シーンでもスムーズにコミュニケーションできます。一読しておくと大変に有益です。
Posted by ブクログ
池上彰さんの著書を読んだことがきっかけで、宗教に興味をもち本書を手に取りました。
歴史や文化を学ぶ上で宗教の知識は必要であり、それがとてもわかりやすくストーリーとしてまとめられていた。
ユダヤ教徒は優秀な人が多いことは耳にしていたが、スターバックスやリーバイスの創業者もそうだとは初めて知った。
ユダヤ教の旧約聖書、キリスト教の新約聖書、イスラム教のコーランについても今後勉強していきたいと思わせる内容だった。
宗教というと、あまり良いイメージを日本では持たれないが、世界では国家間の争いとなるだけの信仰を集めていることに気がつけた。
そして、宗教は企業の在り方と似ていると感じた。理念を信じる者が集まり、仕事というルールの中で生活をしていく。そこには、1人ではないという安心感があるのだ。
Posted by ブクログ
これまで宗教に全く関心がなかったが、深みのある人間になりたい、教養を身に付けたいと思い手に取りました。
どこから手をつけたら良いかすらわからない僕にとっては、とても読みやすく宗教に関心を持つきっかけとなった
今後グローバル化が進み、国籍も、文化も、宗教も違う人達と付き合っていくためには、本書でいう「ブリッジする会話」が必要だと強く感じました。
「ブリッジする会話」とは、文字通り自分と相手に端をかけること。具体的には相手の国や社会、人の価値観を踏まえた上でその長所について話す。あるいは、相手の国や文化と自分の何らかの関係について述べるということです。
相手の国の歴史やぶんか、宗教、言語などについてさいていげんの正確な知識を持ち、相手の価値観に合わせて会話をブリッジすることは今後のビジネスエリートにとって不可欠の素養だと筆者は言う。
この本との出会いをきっかけに、僕もより世界を広く知るための学びをしていこうと思います。
Posted by ブクログ
ユダヤ教→律法
土曜日は安息日割礼がマスト
イスラム教→ジハードという考え方
お辞儀は控える
ハラール→ムスリムフレンドリー
キリスト教、イスラム教→最後の審判
ヒンドゥー教→輪廻転生
輪廻を強く感じる
人生の目標→ダルマ、規範を護る
アルタ、実利の追求
カーマ、性愛を求める
ダリットがカーストで一番下
横の輪廻、縦の輪廻
空という概念
関係性のバランス
才能は神から与えられたという認識
Posted by ブクログ
5大宗教(仏教、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教)の基礎的な要素をまとめたものです。日本の神道の話も入ってます。正直、基礎的な所がかなりまとまっていて面白い。ビジネスに応用できるようにまとまってます。教養としてはかなりよい本ですね。
基礎的なところを勉強したい人はおすすめ
Posted by ブクログ
キリスト イスラム 仏教 ヒンズー教ユダヤ教の考えを分かりやすく解説
カトリックとプロテスタントの違いなども説明
海外の人の考え方が理解できた気がする。
Posted by ブクログ
教養の土台となる5大宗教をビジネスパーソン向けとして、普通の宗教を勉強するための本とは異なる見方で書かれていた。
5つの宗教を1冊の本で解説しているので、内容としてはどうしても薄くなってしまっていたが、実践知として勉強できた。
Posted by ブクログ
営業をする際「政治とスポーツと宗教の話はするな」と言われるくらい、日本では宗教についての深入りはタブー化されている。ただし米最高裁で容認された人工中絶禁止をみても、日本人には理解を超えた宗教との結びつきがある。真髄を理解するのは難しくとも、関心を持って少しずつでも知っていくことが、ビジネスパーソンとしても一個人としても大事だと思いました。
個人的には、ご近所の中国&韓国の宗教観について深掘りしたい(特に中国は、中華思想=男女平等、主張大事!という発想があったので意外だった←曖昧な認識なので、ここしっかり理解したい)
Posted by ブクログ
ユダヤ教の友人にユダヤ教を教えてもらったことがきっかけで、本書を読み始めました。
非常におもしろかったです。
各宗教の教義や歴史をもっと知りたいと思えるようになる良書でした。
五大宗教の概要を知るにはぴったりではないでしょうか。
とくに私は宗教にあまり良いイメージを持っていなかったのですが、それが払拭されました。
読み終わってから信仰心が全くなかったことを後悔しております。
ビジネスエリートを目指す方にも、そうでない方にも是非読んでいただきたい一冊です。
Posted by ブクログ
ビジネスパーソンのためという視点がユニークでおもしろい。世界5大宗教を、それ単独ではなく、つながりをもたせて解説するというところもよかった。あまりそれぞれの宗教に深入りせず、さっくりと読めるのも、目的に合っている。
ユダヤ教からキリスト教が生まれ、さらにその影響をふまえてイスラム教が生まれた。一方で印度では土着の多神教が紀元前六世紀頃に「ウパニシャッド哲学」という形で整理され、ヒンドゥー教という概念が誕生。紀元前五世紀頃、「バラモンの権威を否定」する仏教がヒンドゥー教から派生。こうしたおおきな流れを押さえたうえで、ビジネストークやビジネスの現場としての配慮などが付言される。
この著者の理解がほんとうに正しいか、深いか、とかそーいうことを問題にしていくといろいろあるかもだが、グローバル・リテラシーのひとつとしての宗教理解という意味では、こういう本は「あり」なのでは。世界では「神」が自分の行動原理としてのベースにある人が多数派なのだから、少数派の日本人としても自分と宗教との関わり、関心、考え方などを整理しておくことは有益だと思う。
Posted by ブクログ
知らないことがたくさんあって勉強になった。ただ宗教が判断基準の根本にあるというのは一部あるとは思うが、派生したものがあるよなと、もっと広く宗教も含む文化を理解したいなと思った。そして相変わらず聖書をそのまま信じるってことが理解できない。フラットアーサーみたいな。思想ではなく事象レベルで信じるって、科学のことがどう見えるのだろう。
それにしてもカトリックってなんだか偽善的でなんだかなと思う。一方ブッダの思想はいいなと思うけど、これは仏教的な思考が身についてるからなのかな。あと禁教令を見直した。秀吉はとても偉かったんだな。
Posted by ブクログ
筆者が言う通り「日本は宗教偏差値が低い」は海外旅行に行くようになってひしひしと実感している
外国の方と接する機会も多いので「宗教=怖い」の認識は改めないといけない
「IT企業はヒンドゥー教のジャーティにないから、カーストから脱出するためにインドでIT企業に就職する人が多い」という記述があったが
同じことを社長が社内ラジオで言っていた
Posted by ブクログ
世界のメジャー宗教を理解し、海外の場で適切な振る舞いができることも大切だが、日本人として、自国の宗教観を説明できるようになっておくこともとても大切。
日本人の宗教観は説明が難しいものの、神道や古来の土着信仰がアミニズム的なものであり、八百万の神に代表されるように、全てのものに神や魂が宿っているという考え方。
その他、ヒンドゥー教はインド人の宗教でありながら、インド人すらも完全に理解しておらず、仏教すらもヒンドゥー教の一派とみなすほどの懐の深さ。
Posted by ブクログ
宗教に興味を持ち始め、読みました。
歴史の知識が浅い自分には少し辛いとこもあったが、5大宗教の歴史やそれぞれの関係などがしっかりと書かれていてためになった。
図などが入っていたらよりわかりやすかったかも。
Posted by ブクログ
ビジネスパーソンに必須の知識として宗教を挙げ、キリスト教をはじめとして世界5大宗教の基礎が学べる内容。
とかく日本人にとっては、宗教へのなじみは薄いが、改めて本書を読むとその必要性を感じる。
主に外国人とコミュニケーションする際に、変な地雷を踏まないようにする意味でも重要。
それぞれの宗教に関してもっと詳しく知りたくなった。
Posted by ブクログ
とても読み易く、入門書としては素晴らしい。
特に縁のなかったユダヤ教、イスラム教、ヒンドゥー教の概要を知れたことはとても良かった。
一方で、海外で宗教トークをするためには、自分で更に知識を整理、調査しなければ使えるレベルにはならないと思う。タイトルである"必須教養"を身に付けるには至らず、また知識のデータベースとしても弱いため星3つ。
Posted by ブクログ
タイトル通り実学寄りの内容。五大宗教のさわりを知るには良い。宗教が世界の人々の思想や言動にどう影響しているかを考察しているところも面白く、わかりやすい。
各宗教の教義の詳細についてはやや物足りなさがあるかも。