耳目口司のレビュー一覧

  • 丘ルトロジック2 江西陀梔のアウラ

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    “「なぁ、小柳津。俺も売りたい情報があるんだけどいいか?」
    俺がそう言うと、楽しげに小柳津が笑う。「ガキが偉そうに言うねぇ。で、何だよ」
    「この香澄も、自分のドッペルゲンガーを見てるんだけど――」

    途端、小柳津の態度が大きく変わる。

    小柳津が目つきを鋭くして、大きく身を乗り出して香澄に顔を近づけた。
    香澄が、きょとんとした目で見つめ返す。
    「詳しく聞かせろ。見たのは何時だ。どこで見た、そこには行ったことがあるか。見間違いとかじゃねぇよな。何回か見てるか。跡は追ったか。他に誰か確認したか」
    「ちょ、ちょ!そんなに一気に言われても香澄さんは巻けません!」
    香澄の頭がオーバーヒートしそうだったの

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    2011年08月09日
  • 丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ

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    “「俺は風景が好きなんです」
    唖然としたように口を開けて全員が見守る中、俺は続ける。
    「田舎の町並みとか都会のビル群とか、あんまり好みに偏りは無いんですけど。あ、どちらかと言うと山が好きですよ。森がある、川がある、そこに生態系がある。まぁ、海も捨てがたいですし都市はやっぱり人間が作ったものとはいえそれはそれで風情があるんですけど。――でも、『丘研』って文字を見たときにハッとしたんです。俺はこの街で、少なくとも『丘』と呼べるものに出会っていない!それなのに丘の研究って、もしかしたら俺の見たことが無い風景画まだまだこの世にはあるんじゃないかって感動したんです!」
    中々クサい台詞を口に出してみた。そ

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    2014年05月31日
  • 丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ

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    ミステリ風味を加えたエンターテイメント。正し非現実要素あり。でも素直に面白かった。各人の正体バラしからするともうちょっと尺があってもイイかとも思ったけど、映画と一緒でこの位の方がいいのかな。
    異常者の扱いが案外ライトなのはちょっと気になるところ。あと江西蛇がもうちょっと暴走してくれる事を期待してたが物足りない。
    次作を待つ。

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    2010年12月11日
  • 丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ

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    神楽咲高校に入学した咲丘は、「丘研」の入部案内を見てこれこそ風景をこよなく愛する自分のための部活だと部室へと向かう。しかし丘研とはオカルト研究会だったのだ。
    何度も飛び降り自殺を繰り返す男、ツチノコ獲得作戦、切り裂きジャックとの対決。都市伝説に丘研が挑む。

    変わった活動をする部活動に集まる、変わった人たちの物語。そう言うとよくあるパターンに思えます。
    しかし世界征服を唱える代表の沈丁花桜をはじめ、丘研のメンバーの変わり具合はかなり思い切っています。性格はもとより個々人が抱える過去や特質も、そこまで思い切った設定が必要かと思わせるものとなっています。
    そのインパクトだけで物語を展開させる豪腕に

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    2020年02月24日
  • 丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ

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    『デュラララ』とか『明稜帝 梧桐勢十郎』みたいな
    個性際立つキャラクタが群れたり演説したりするキャラクタ小説すなわち純ライトノベル
    キャラはかなり好みで良いのだが
    もうひとつ演説の説得力というか開き直り感に欠けるのが残念
    もっと馬鹿でいい

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    2018年12月09日
  • 丘ルトロジック4 風景男のデカダンス

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    「オカルト」という言葉の意味は
    「雑誌の『ムー』に載っているようなの」と思っていて
    改めて辞書をみてもよくわからない
    日本語でいうと「神秘」なのだが「神秘」って何なんだ
    「浪漫」も同じようなものだが
    結局「ファンタジー」という便利な言葉が全異を含んでしまうかもしれない
    「科学」だって「サイエンスファンタジー」だと思うのだが
    宗教だって科学だって芸術だって同じ技術ではあるけれど
    それを思うとおりに用いられないのが当たり前であるのが人間ではある
    レトリックという体系化はできても万に活用できないのは善悪正否を超えた経験則
    そういうようなところをわかりやすく伝える良い作品だった
    小説としてはすごくない

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    2018年12月08日
  • 【電子特別版】愚者のジャンクション -side evil-

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    -side friendsip-の解答編。

    灰賀君が周回遅れですべてを知る話。
    他の特待生たちが灰賀君だけが本物の天才だと評価していたことが意外だった。
    あのテルテル坊主の正体はやっぱりあの人だったのか。
    意外だけど納得。
    流されるままに行動していた灰賀君が自分で相手を貶めるような行動を起こしたのが驚いた。
    ある意味、彼の成長の記録的な側面もあると思う。

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    2017年02月19日
  • 愚者のジャンクション -side friendship-

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    飼育部の友情は狂ってるって言ってもいいくらい強固なものだし、だからこそあのオチになったのも納得できる。
    ただ、展開が早すぎて、今何が起きているのか全く分かんない。
    最初の殺人事件の時に誰が死んだのか分かんなかった。
    真相究明は-side evil-に期待したい。
    それでも、作品の独特のテンションは好き。

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    2017年02月19日
  • 丘ルトロジック4 風景男のデカダンス

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    【あらすじ】
    オカルトとは何かを芸術と自然の観点からいい合う。

    【感想】
    面白かった。特に二回目に読んだ時にストーリーとは別のオカルトとは何かという作者の考えがよくわかった。こういう考え方もあるのかと思った。風景は好きだけど、こうはならないだろうな。
    あと、ツイッターとInstagramの組み合わせで、実際にシステムとしてはLLDはできそうとは思う。知ってやっているのかは知らないけど。
    承認要求しかない世界だった。

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    2015年09月25日
  • 丘ルトロジック3 女郎花萩のオラトリオ

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    ヤクザに追われる金髪黒ロリを拾った.
    そして一緒に追いかけられることに.
    「悪漢に追われてるんだ!」
    みたいな?

    で,悪漢たちの目的は少女と,彼女の持つという黙示録.

    なかなか面白かったんだけどちょっと失速気味?
    あとはアレだ.
    風景男は好意に鈍感ですね.
    いや,これはお約束だけども.

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    2013年08月09日
  • 丘ルトロジック2 江西陀梔のアウラ

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    ドッペルゲンガー,登場.
    更にシェイプシフターも出てきちゃったりして.
    というわけで丘ルトロジック2冊目ですよ.
    女の幼馴染をトイレで拾って飼うことになったり
    ドッペルゲンガー事件を調査したり.
    なかなか面白かったよ.
    ただ登場人物は皆何処かしら壊れてらっしゃいますね.

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    2013年06月30日
  • 丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ

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    これはひどい(笑)  
    なんていうか色々とアンチテーゼ。  
    これはもう一種のファンタジー。  
    そして極上(ちょっと言い過ぎだけど)のエンターテイメント。  
    ライトノベルでこんな話をやるのは珍しい類かな?   
    まぁでもそんなに大層なことじゃない気もするんだけど、大きく取り沙汰されてたよね。  人間から世界を取り返そうじゃないかと。   
    ぶっ飛びまくってて面白かった。

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    2012年11月12日
  • 丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ

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    一般的な集合体から疎外された者が、自分という個を徹底的に貫き通す。周りが何と言おうと関係無し。自分を取り巻く世界が気に入らなければ、自分が世界を支配してしまえば良い。丘ルトロジックの登場人物達はそういう人たちが高校の部活レベルを越えた課外活動において世界を支配していく物語だ。この作品で語れる「支配する」ということは対象それ自体の情報を徹底的に知り尽くすことである。
    よくある学園ものと思いきや、中盤になるにつれ、物語は暗く、それでいてコミカルに、そして中二病よろしく主人公達が狂い始める抜きどころもある!(ここ大事!笑)読みづらい文体ではあったが、ライトノベルの枠組みをまた大きく拡げてくれた作品で

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    2012年10月13日
  • 丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ

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    ネタバレ

    タイトルからしてオカルトな事件をを論理的に説明していく物語かと思ったら、思いっきりオカルト物だった。最初の事件が八尾比丘尼?で期待してたのとは違うかなーとか思ってたけど全然そんなことはなく、むしろいい意味で裏切られた。登場人物たちのどこか狂った性格や趣味思考も好みだったし、特に終盤の主人公の告白には考えさせられるところもあった。
     まぁ、なんやかんやで江西陀さんが一番です

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    2012年07月26日
  • 丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ

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    ネタバレ

    2010年11月当時の日記転載


    めっちゃ面白かったかもw

    ネーミングセンスから既に西尾維新とか日日日を彷彿とさせるのですが、内容的にもかなり濃厚でした。

    逆に濃厚すぎてもっと薄めるべきとも感じましたが…。
    言いたいことがたくさんあるのは良いのですが、それを一気に詰め込んでも伝わりきらないと思うのです。
    チョコレートのアノソートもらって食べても何個かは何の味だったか忘れちゃうもんですから、もう少し絞って掘り下げた方が、作者の思いをもっとダイレクトに伝えられたんじゃないかと思うのですが。

    まあつまりは詰め込みすぎと言いたいわけですがw
    それでも面白かった事には変わりません。次

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    2012年07月03日
  • 丘ルトロジック4 風景男のデカダンス

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    しばらく積んでしまっていた丘ルトロジックの最終巻をようやく読み終えました。
    相変わらず江西蛇さんはえろいです。

    子供の視点からみる理不尽なオトナ達から自分たちの世界をとりもどすという視点が、個人的になんとなくなつかしの宗田理さんのぼくらのシリーズを思わせるかんじでありますが、非情にいいリズムで最後まで駆け抜けたいい作品だと思います。

    ネタばれしてしまうと面白くないので内容にはあまりふれませんが、とても好きなライトノベル作品でした。作者の次の作品にも期待したいです。

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    2012年06月20日
  • 丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ

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    ネタバレ

    高校生活スタート.
    風景をこよなく愛する咲丘くんは部活動を物色中に「丘研」なる研究会を発見.
    これはもう世界中の丘という丘を研究する風景系の部活ではないか,
    ということで早速部室へ.
    そこで部長の沈丁花桜ちゃんと意気投合,早速入部.
    が,そこは「オカルト研究会」だった.

    というわけで
    「死なない男」「ツチノコ」「切り裂きジャック」などなど
    都市伝説的なアレやコレやに挑んでいきますお.

    しかしキャラクターみんな濃ゆいな.
    そして「普通」を愛する感じの生徒会長が病的なアレで本当に禁則事項.
    こういう狂信的なアレは禁則事項だよなぁ….

    親友キャラは出番少なめだし活躍の場もほぼ無いし
    なんつーか

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    2012年05月15日
  • 丘ルトロジック3 女郎花萩のオラトリオ

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    蜂須かっこいいなぁ。マゾ万歳。
    なんだかんだ咲丘くんって全方位にモテるよな。
    あと、最後のイラストの江西陀ちゃんは卑怯だと思うの!ちくしょう!江西陀かわいいよ江西陀!

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    2012年03月10日
  • 丘ルトロジック3 女郎花萩のオラトリオ

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    今回は未来視の少女とフランケンシュタインのお話。
    といってもメインはスーパードM・蜂須なんだけど。

    萩先輩の発明品が大活躍したり、蜂須と萩先輩の意外な関係や遂にあの人がデレたり・・・といろんな要素が満載。
    ただ今回沈丁花、出島両氏は家族会議なるものに出かけていて不在。あの2人がいないと物語的にそこまで盛り上がらない。全巻までと比べるとかなり大人しい。

    それにしても、咲丘もう堕ちるところまで堕ちたな・・・

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    2011年10月22日
  • 丘ルトロジック 沈丁花桜のカンタータ

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    ネタバレ

    出だしは地味に、でも登場人物が何か変? そうしたら急に超常能力者の集まりに。と思ったらこの展開は……。とにかく途中から急激に熱くなる「王国を作るよ」もの。
    かなり怪しげなフェチ傾向は有るけど地味で普通の人かと思っていた主人公の激白が全部、じゃないけどほとんどを持って行っちゃいます。

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    2011年09月17日