あらすじ
神楽咲高校に入学した俺は、「丘研」の入部案内を見て直感した、これぞ〈風景〉を愛する俺のための部活だと! 代表と意気投合し早速入部。だが、丘研の正体は代表の野望に奉仕する「オカルト研究会」であった!!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
読む前はよくあるラノベものかと思っていたらそんなことはなかった。
主要人物はそれぞれ過去に色々あったりして…いい感じに狂っていて面白かった。
終盤の主人公の台詞で読み始めた時の主人公のイメージが変わった。
次巻も楽しみ。
Posted by ブクログ
風景を溺愛する男、咲丘が騙されてオカルト研究会に入るという、学園コメディっぽいノリの作品なのかと想像していた。しかし実際は、緻密に組み立てあげられていくキャラクターが描きだす風景が、予想以上に凄まじい作品だった。
読み手を選ぶと思うけれど、個人的には大絶賛の作品です。
第15回スニーカー文庫大賞優秀賞受賞作品らしいです。
神楽咲高校に入学した風景を溺愛する男、咲丘は、丘研とだけ書かれたポスターを見て丘を研究する部活だと思って入部する。しかしそこにいたのは沈丁花桜という世界征服をたくらむ少女であり、彼女が代表を務めるオカルト研究会があった。
当初はボードゲームばかりをして全く本来の活動を行わなかったオカルト研究会だが、一旦始動すれば留まるところを知らない。自殺しても死なない男の都市伝説を探求したり、ツチノコ探しに邁進したりする。そして最後は神楽咲町の中心部にある歓楽街オアシスで起きる連続殺人事件の解決に挑むことになる。
オカルト研究会のメンバーたちは誰も大きな問題を抱え、一般的な見方から言うと常軌を逸した価値観を持っている。知識・努力・活力・協力・暴力を従えて世界を支配しようとする代表の沈丁花桜、ひたすら前に進むことしかできない長身の男である出島進、いつもヘッドフォンをつけている小柄な少女の女郎花萩、そして咲丘と同期の残念な美少女である江西陀梔と、誰を取ってもちょっと引いてしまうくらいの背景と異常性を持っている。
そして最後に起こすのは明確な犯罪活動であり、ここだけを見るとあまり褒められたものではないだろう。しかし、そこにたどり着くまでの過程で組み上げられる各キャラクター像は異常ではあるけれど面白いし、彼らの動機となる原風景については納得できるところも多い。こういった点を考慮すると、個人的には許容範囲に収まる作品となってしまう。
確実に拒否反応を起こす人もいるとは思うが、各キャラクターを積み上げていくことによって構成される風景は、一見の価値があるものだと思う。
Posted by ブクログ
最っ高に狂った作品
こんなラノベをずっと探していたから本当に面白かった
すべての人物が狂って破綻している
創作の中でしか味わえないような狂気が蔓延していて素晴らしい
Posted by ブクログ
みんなくるって、みんないい。
んん、言いかえてもあんまり意味変わらんなw まぁでもそういうこと。
歪に歪すぎてむしろ真っ当という、素晴らしい青春小説。たまらん。
個人的には、咲丘と江西陀の対峙シーンあたりが最高にたまらなかった。後日の彼らの絡みも含めて。
それにしても、咲丘のナチュラルセクハラ思考はまずいだろうw 社会人になった彼が心配w
さて、咲丘×清宮の薄いh(ry
Posted by ブクログ
“「俺は風景が好きなんです」
唖然としたように口を開けて全員が見守る中、俺は続ける。
「田舎の町並みとか都会のビル群とか、あんまり好みに偏りは無いんですけど。あ、どちらかと言うと山が好きですよ。森がある、川がある、そこに生態系がある。まぁ、海も捨てがたいですし都市はやっぱり人間が作ったものとはいえそれはそれで風情があるんですけど。――でも、『丘研』って文字を見たときにハッとしたんです。俺はこの街で、少なくとも『丘』と呼べるものに出会っていない!それなのに丘の研究って、もしかしたら俺の見たことが無い風景画まだまだこの世にはあるんじゃないかって感動したんです!」
中々クサい台詞を口に出してみた。それでもまったく誇張の入ってない俺の率直な理由である。まぁ、これをそこまで一般的な趣味だと声高に主張するほど俺は身勝手ではない。これだけ風景について語れば、相手の反応は大体が二種類、避けるか逃げるかだ。
だが、相手の反応は俺の予想を大きく外れる。
この代表、目尻に涙を浮かべていた。
「――素晴らしい!」
「おおお、よく分からんがいいこと言ったぞ新入生!」
出島先輩がガッツポーズをしながら立ち上がる。沈丁花先輩は俺の両手を勢いよくとると、緩やかに力を込めて握った。
「これほどまでに熱意のある新入生がかつていただろうか!?いや、私以外にない!そうとも、ここではきっと君にしか出来ない活動がある。我々は君のような人材をまさに必要としていたんだ。……そうか、うん。嬉しい、私は嬉しいぞ新入生!君のような人材を手元に配下として置くことが出来ることを私は感謝する。私自身の幸運に対して!」
俺に向けられた沈丁花先輩のそれは、なんとも輝きに満ちた顔だった。お世辞や打算であるとか、そういったものを一切含まないで、純粋に俺を必要としてくれている人間のその視線。
それを一身に受けて入部を取り消す奴がいるんだろうか、――そんなことは想像もできない。”
狂ってる。
狂気的愉快犯。
内容がすごいのなんの。
無茶苦茶で強引で陰湿で面白くて。
荒唐無稽ではなくて、ちゃんと筋が通ってて。
『普通』って何?当たり前って何?
色々と考えさせられもする。
一転二転して新たな一面を覘かせたり。
そして登場人物がまた揃いも揃って個性的にして破壊的。
青色君が結構気に入った。
丘研さいこー。
シリーズ刊行ぜひとも。
“「ほほぅ……」江西陀の目が怪しく輝く。「まぁ、篠塚さんも一応は生物ッスからね。咲丘のような風景にしか欲情できない変態よりは、健全でいいんじゃないッスか?」
「待て、激しい語弊があるぞ、それは。俺は風景に興奮しても欲情はしねぇ」
江西陀は如何なる手段を講じても、俺を変態にしたいらしい。
「なるほどなるほど。ちなみに、咲丘は雄大な山脈と広大な平原ではどちらが興奮するんスか?」
「馬鹿野郎!どれも等しく美しい風景じゃないか!」
「つまり、代表でも萩先輩でもアリということッスね。ふむふむ、見境も無いとはいやはや」
「――誘導尋問、だと!?」
これまで知らなかった、江西陀の恐るべき知性に愕然とする。
「おのれ、江西陀のくせに生意気な……。畜生!今まで隠していたのに、これじゃ俺がどんなおっぱいでも興奮できるとカミングアウトしてしまったようなもんじゃないか!」
部室の空気が凍りつく音がした。
「なぁ、もしかしてそれって胸の話だったのか?」出島先輩が首を傾げる。
「いやいや、風景の話ッスよ。どこをどう解釈したのか、咲丘が勝手に自爆しただけッス」
「……なんだと!?俺を嵌めたな江西陀!」
俺は辺りを見回す。
代表が冷ややかな視線を送り、萩先輩が顔を真っ赤にして俯いていた。
なんてこった、これじゃまるでセクハラ発言を堂々と口にする変態野郎みたいじゃないか。”
Posted by ブクログ
ミステリ風味を加えたエンターテイメント。正し非現実要素あり。でも素直に面白かった。各人の正体バラしからするともうちょっと尺があってもイイかとも思ったけど、映画と一緒でこの位の方がいいのかな。
異常者の扱いが案外ライトなのはちょっと気になるところ。あと江西蛇がもうちょっと暴走してくれる事を期待してたが物足りない。
次作を待つ。
Posted by ブクログ
神楽咲高校に入学した咲丘は、「丘研」の入部案内を見てこれこそ風景をこよなく愛する自分のための部活だと部室へと向かう。しかし丘研とはオカルト研究会だったのだ。
何度も飛び降り自殺を繰り返す男、ツチノコ獲得作戦、切り裂きジャックとの対決。都市伝説に丘研が挑む。
変わった活動をする部活動に集まる、変わった人たちの物語。そう言うとよくあるパターンに思えます。
しかし世界征服を唱える代表の沈丁花桜をはじめ、丘研のメンバーの変わり具合はかなり思い切っています。性格はもとより個々人が抱える過去や特質も、そこまで思い切った設定が必要かと思わせるものとなっています。
そのインパクトだけで物語を展開させる豪腕に圧倒されます。インパクトの強さで読者を無理矢理納得させるのです。
そのインパクトがあるが故に、人を支配する方法などの思い切ったロジックにも納得させられるのです。それこそがオカルトの正体かもしれません。
このパターンだと語り手の主人公は「無個性」という個性を与えられて、無味無臭でインパクトを受け止める人になりがちです。風景が好きという一風変わった嗜好を与えられつつ受け身の主人公と思わせた咲丘は、物語終盤にこれまた思い切ったインパクトを見せます。
こうなると勢いだけに思うのですが、それを凌駕するものもあるのです。あまりにも突飛なキャラクターたちが集まった物語なのですが、それぞれの人物は自分が決めたものに対して真っ直ぐに進んでいるのです。たとえ世界から認められないことであろうとも。
だから代表は「美しい世界を取り戻そう」と語りかけるのです。
Posted by ブクログ
『デュラララ』とか『明稜帝 梧桐勢十郎』みたいな
個性際立つキャラクタが群れたり演説したりするキャラクタ小説すなわち純ライトノベル
キャラはかなり好みで良いのだが
もうひとつ演説の説得力というか開き直り感に欠けるのが残念
もっと馬鹿でいい
Posted by ブクログ
これはひどい(笑)
なんていうか色々とアンチテーゼ。
これはもう一種のファンタジー。
そして極上(ちょっと言い過ぎだけど)のエンターテイメント。
ライトノベルでこんな話をやるのは珍しい類かな?
まぁでもそんなに大層なことじゃない気もするんだけど、大きく取り沙汰されてたよね。 人間から世界を取り返そうじゃないかと。
ぶっ飛びまくってて面白かった。
Posted by ブクログ
一般的な集合体から疎外された者が、自分という個を徹底的に貫き通す。周りが何と言おうと関係無し。自分を取り巻く世界が気に入らなければ、自分が世界を支配してしまえば良い。丘ルトロジックの登場人物達はそういう人たちが高校の部活レベルを越えた課外活動において世界を支配していく物語だ。この作品で語れる「支配する」ということは対象それ自体の情報を徹底的に知り尽くすことである。
よくある学園ものと思いきや、中盤になるにつれ、物語は暗く、それでいてコミカルに、そして中二病よろしく主人公達が狂い始める抜きどころもある!(ここ大事!笑)読みづらい文体ではあったが、ライトノベルの枠組みをまた大きく拡げてくれた作品であることには間違い無し!
面白いから是非読んで下さい。
Posted by ブクログ
タイトルからしてオカルトな事件をを論理的に説明していく物語かと思ったら、思いっきりオカルト物だった。最初の事件が八尾比丘尼?で期待してたのとは違うかなーとか思ってたけど全然そんなことはなく、むしろいい意味で裏切られた。登場人物たちのどこか狂った性格や趣味思考も好みだったし、特に終盤の主人公の告白には考えさせられるところもあった。
まぁ、なんやかんやで江西陀さんが一番です
Posted by ブクログ
2010年11月当時の日記転載
めっちゃ面白かったかもw
ネーミングセンスから既に西尾維新とか日日日を彷彿とさせるのですが、内容的にもかなり濃厚でした。
逆に濃厚すぎてもっと薄めるべきとも感じましたが…。
言いたいことがたくさんあるのは良いのですが、それを一気に詰め込んでも伝わりきらないと思うのです。
チョコレートのアノソートもらって食べても何個かは何の味だったか忘れちゃうもんですから、もう少し絞って掘り下げた方が、作者の思いをもっとダイレクトに伝えられたんじゃないかと思うのですが。
まあつまりは詰め込みすぎと言いたいわけですがw
それでも面白かった事には変わりません。次回も楽しみだなあw
江西陀に注目してますw
Posted by ブクログ
高校生活スタート.
風景をこよなく愛する咲丘くんは部活動を物色中に「丘研」なる研究会を発見.
これはもう世界中の丘という丘を研究する風景系の部活ではないか,
ということで早速部室へ.
そこで部長の沈丁花桜ちゃんと意気投合,早速入部.
が,そこは「オカルト研究会」だった.
というわけで
「死なない男」「ツチノコ」「切り裂きジャック」などなど
都市伝説的なアレやコレやに挑んでいきますお.
しかしキャラクターみんな濃ゆいな.
そして「普通」を愛する感じの生徒会長が病的なアレで本当に禁則事項.
こういう狂信的なアレは禁則事項だよなぁ….
親友キャラは出番少なめだし活躍の場もほぼ無いし
なんつーか「男の娘」キャラを出してみたかった的な感じがするんだけども.
まぁ,そういうのが流行ってるからって安易に出すのはどうかと思う訳ですが.
結構面白かったよ.
Posted by ブクログ
出だしは地味に、でも登場人物が何か変? そうしたら急に超常能力者の集まりに。と思ったらこの展開は……。とにかく途中から急激に熱くなる「王国を作るよ」もの。
かなり怪しげなフェチ傾向は有るけど地味で普通の人かと思っていた主人公の激白が全部、じゃないけどほとんどを持って行っちゃいます。
Posted by ブクログ
K-Books 210円
2巻の表紙の子が”エロい”という話なので
どれだけえろいのか気になって購入。
さすが賞をとるだけのことはあり、話のまとまりもよく
展開・各キャラのからみ・キャラの設定の暴露もすんなりきめて
タイトルをもじってるくらいにはオカルトに意識させずに
ちょっとダークなライトノベルって感じでサックリ読めた。
まー、所々某人気作家の作品とキャラ設定がかぶるところがあったけど
この作家さんの個性あるキャラがたまたま同じような設定だっただけで
そこら辺の香りはわりと無視して読めたし、マイナスではないかなと。
2巻目が楽しみな所。あのキャラが暴露するのか、新キャラがでてくるのか…うーむ楽しみ。
Posted by ブクログ
人生2冊目のライトノベル。元ネタ的に尼崎脱線事故であったり、微妙にタイムリーなものをこれでもかと設定に詰め込んでいて、その時事ネタがもっと読んでいて気持ちのいいものなら良かったのですが、深刻な問題ばかりなので少し胸やけ。ひとつひとつの話題でもお話ができるような気もしますが、この1冊のスペースのなかにうまくこれだけの話題を詰めるものなんだなっていうこともできます。なぜこれがライトノベルというカテゴリなのか。という具合には充実していると思いますよ。なんとなく石田衣良さんのアキハバラ@DEEPを読んだ時に感じたものと近いものを感じました。沈丁花と世界大戦したい。
Posted by ブクログ
これも大賞同様、表紙見て「これなんかアレだな・・・」とか意味不明な事考えつつ避けてたが、それは大きな過ちだったようだ。
とにかく登場人物の性格が異常。
そんな彼らは変人でも狂人でもない、まさに「異人」と呼ぶにふさわしい。
これは絶対オススメ!・・・とか言いつつ☆5じゃないのはアレです、異人たちのキレっぷりに自分がついて行けなかっただけですw
Posted by ブクログ
細かいことはいろいろあるが、全部どうでもいい。
代表のキャラが最高にイカレてる。
歪んでいるのでもなく、狂っているのでもなく、素敵なまでに常軌を逸している。
それだけで褒めたたえるに十分な価値がある。
強く、圧倒的で、苛烈な半生を歩みながらも「世界は美しい」と言い切る彼女のセリフに心底惚れた。
次点江西陀。
全員狂ってる。そこが良い。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
オカルト研究部に入った主人公の咲丘が経験する不思議な学生?生活。
【感想】
非常に偏った人間の集まった世界で各人が言いたい放題やってる。
風景を支配するって話は2010年では先進的な話だったのかもしれないが、今となってはかなり現実味のある話だと思う。
全体的にはクロスチャンネルを思い出させるような内容だった。
Posted by ブクログ
死体に美を見出す人やら風景に魅入られた人やら、なにやら一般市民として生活してゆくには問題を抱えた人たちが集ったオカルト研究会。
けど、みんなで力を合わせれば成し遂げられることがある。というまっとうなお話でした。けど、続きはいいかな。
ReaderSoreの一巻無料を利用
Posted by ブクログ
狂ってる、狂気。とにかくメインの人物が狂っていて、感情移入しながら読むものではないな、というのが個人的感想。
第三者視点で楽しめるならば、ツボにハマるかも。自分は、こういうお話を今は、求めてないかなあ。
ただ、確実に個性はある作品。
Posted by ブクログ
自分がライトノベルに求めてるものはコレくらいの
無茶苦茶なものかもしれない。その無茶苦茶なものを
エンターテイメント性たっぷりかつキャラものとしても
充分最後まで一気読みさせてくれる爆発力と全体の
バランス。正直言って...面白かった。これも、少しづつ
ラノベに歩み寄っていったからこそだとは思いますがw。
きっと様々な作品のつまみ食いやパロディ、オマージュ
なんかあったりして好きな人は好きな世界だとい思います。
一人を除いて登場人物が全員狂人だし、その狂人達も
なんだかんだと苦悩を抱えつつも、何とか繋がっていようと
足掻いている(方法的にはやはり間違ってるけど)様も
切なく見える瞬間があって、人物として説得力があるなーと。
恐らくシリーズにしてしまったら続編以降は
微妙になりそうな予感が...。今作で完結してるし
これ以上自由には書けなくなってしまうのでは? と
危惧するくらいに綺麗に狂ってる作品です。