倉貫義人のレビュー一覧
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システム開発を進める上での「啓蒙書」である。
人が増えても速くならない、というタイトルが既に真理を述べている。遅れているソフトウェアプロジェクトへの要員追加は、プロジェクトをさらに遅らせるだけになりかねない。人を増やすことで、教育コストやコミュニケーションコストが嵩むし、タスクを分解するにも限度がある。マネジメントの難易度も高まる。
ソフトウェアのプログラミングにおいては、人数と生産性に必ずしも短期的には相関関係がない。工程を分離するよりも、できるなら、1人の人間が一気通貫で担当する方が、動的なソフトウェアを維持しながら変更していくには都合が良い。
そう考えると、既にいる人たちの生産性を -
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システム開発がプロジェクトからプロダクト中心に変わると、関わる人たちの関係性も変わることになります。これまでの完成を目指したシステム開発であれば、「システムを依頼する人たち」と「システムを開発する人たち」という形で分かれていました。しかし、社外に限らず社内であっても受発注のような関係では、変化に柔軟に適応していくシステムは手に入りません。動かし始めてから、次々と直したいところが出てきても、その度に発注するように依頼することになってしまうからです。プロダクトという共通の成果物と、目指す共通の目標を持つことで、システムは「依頼して作ってもらうもの」から「協働して一緒に作るもの」に変わります。そし
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アジャイルの考えを平易かつ簡潔に説明した本。アジャイルの勉強を始めたばかりの自分にとっては、これまでの学びを別の表現で復習できた。
◾️覚えておきたい標語
近い未来は解像度を高く、遠い未来は曖昧なまま
◾️見積もり
・見積もり精度を高めるために、どこまでも詳細に考えていくとしたら、それはもはやそれは設計である。つまり、限りなく正確な見積もりは、実際にやってみることでしか出せない。
・大きな機能の見積もりは、あくまで見通しである。1〜2週間の期間であれば、どれくらいの進捗を出すことができるのかを、高めの精度で見積もることができる。
◾️本書のテーマ外だけど覚えておきたいこと
・コードレビュ -
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本書から学んだこと
『これまでの一律的な働き方は、個人に適合した多様な働き方にシフトしていく』
コロナウイルスの感染拡大により後押しされたリモートワークに代表されるような多様な働き方へのシフトは、もう元には戻らない可能性が高い。
ならばもうボクらに残された手段は変化を楽しむことだけだと思う。
本書は、個々人に合った「働き方シフト」成功の一助となることを目指して書かれている。
【感想】
・多々共感するところあり。だが、多くのビジネス書でここ数年言われていることばかりで目新しいものはない。
・サイボウズで数年前からリモート中心の働き方シフトに成功した著者の経験上で知り得た知見には一定の価値があ -
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ホウレンソウではなく、ザッソウ=雑談・相談が大事、という著者の主張は納得。
ただ、昨年の出版なので難しいのですが、コロナ禍にあってリモートワークが一気に普及したことを考えると、そういった勤務体系にあっても雑談・相談を促進するためのヒントがもう少し欲しかったところです。
ザッソウを普及させるポイントとして書かれている内容はどちらかというとリアル出社を前提としている内容に思えました。著者の会社も全員リモートワークにより勤務とありますので、それにも関わらずザッソウできているということであれば、そこからの知見こそが、いままさに大事なものといえると思います。 -
Posted by ブクログ
ソフトウェア業界の"常識"を変えるビジネスモデル「納品のない受託開発」を紹介するビジネス書。
職場の知り合いから、長い間借りたまま積読になっていたので、そろそろ返さないと、と半ば強制的に読みました(^-^;
タイトルを見たときから「アジャイル」と何が違うのかが気になってましたが、要は広義のアジャイル開発手法というか、「手を動かすコンサル契約」のようなイメージのビジネスモデルです。
実際、開発手法を「スクラム」のようなアジャイルで進めようとしても、顧客との契約が旧来の契約である限り、また社内開発であっても、プロジェクトの評価方法が旧来の方法である限り、アジャイルは絵に描