倉貫義人のレビュー一覧
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システムの受託開発を長くやっていると、顧客と開発者との間に意識のギャップを感じることが時々あります。システムの完成させるという目標は一致しているはずなのに、その先の最終ゴールの捉え方が致命的に異なるのです。
こうしたギャップは、システムを使ってビジネスを拡大したり作業を改善することをゴールと捉える側(顧客)と、システムを完成させること自体をゴールとする側(開発者)の立ち位置の違いから考えると、当然なのかも知れません。
このようなジレンマを抱えながらシステムの受託開発をやってきた私のモヤモヤを、本書は多少なりとも晴らしてくれたような気がします。
システム開発側(特にエンジニア)はとかくシステム -
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ネタバレ(納品のない受託開発とは?)……本当に必要な機能を本当に必要な順番に、少しずつ開発をしていくことが大事になります。一度に「作りきる」のではなく、少しずつ作っていくために、私たちは月額定額制で「納品をしない受託開発」をすることにしました。
(格安航空会社はなぜ成立するのか?)……・使用する飛行機の機種を統一することで整備費やパイロットの訓練費を削減したこと。・搭乗手続きのオンライン化などITを活用した自動化・乗務員が機内の清掃などを行い一人何役もこなすことによる人件費の削減です。
(「バグはゼロ」ではなく、すぐに直せること?)……「納品のない受託開発」では顧問のエンジニアがずっと担当で付くことや -
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株式会社ソニックガーデンで実際に行われている
「納品のない受託開発」という新たな開発スタイルに関して、
・どんなものか説明
・どのような利点があるか
・既存の受託開発の問題点
・自社の枠に留まらない「納品のない受託開発」の展望
などについてまとめてあります。
従来のウォーターフォール・人月見積もりなど問題点の多くある
業界では、未だにそういった状況を抜けだせていない現場が多い。
アジャイルな手法を導入してみるものの失敗したりしている現場もあるが、
非効率な商慣習の縛りをそのままにアジャイルの手法を導入しているため、
うまくいかなかったり・・・。
そんなケースが多い中、「納品のない受託開発 -
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見事に受託開発の問題点を示している。
素晴らしい本だった。
* 人を増やしたからといって、速く作れるわけではない
* 正確な見積もりを求めたら、見積もりが膨らんでしまう
* 一度に大きく作ろうとするほど、結局は損をしてしまう
第1章
完成しても、終わりではない
システムは使い始めてから改善が始まる
システムが動き始めてからの修正を難しくする原因
①行きあたりばったりで改修を加えてしまう。ソフトウェアは精緻なジェンガみたいなもの
②一度きりの完成を目指してしまう
プロジェクトからプロダクトの考え方に変える
協働して一緒に作るもの
第2章
人を増やしても速く作れるわけでない
エンジニア -
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・チームで働くことで、自分の強みを生かすことができるのと同時に、仲間の弱い部分を自分の強みで補いあえるからこそ、より大きな成果を出すことができるのです。
・効率化だけを求めるチームでは、すぐに成果が出ないような意見を出しにくくする「同町圧力」が発生します。なるべく多数派に巻かれておく方がもめることもないので、平和に過ごしたい多くの人にとっては「意見なんか出さなくていい」となってしまうのです。
・生産性の高いチームの共通点
1.心理的安全性(たとえミスしても非難されない)
2.相互信頼(仕事を最後までやり切ってくれる)
3.構造と明確さ(有効な意思決定プロセスがある)
4.仕事の意味(自分自身に -
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ネタバレ本書は、サブタイトルに「変化を抱擁せよ」とある通り、変化が起きる前提でどのような姿勢で向き合うかエンジニア誰もが感じる部分を言語化している。
以下は、気になった文章のメモ
・ある一点の完成を目指すことは逆に言えば一度だけ完成すればいいということになる。そうなると、完成後のことより完成させることに力学が働く。
・プログラムは現実の理解の上に成り立つ
・プログラムを書く仕事で求められるのは抽象化能力
・一時的な妥協は永遠の負債になる
・シンプル化する。借金を返済し続ける
・目の前の生産性を上げるのか。それとも、生産性を上げる仕組みを作るのか。
・大きな機能の見積もりは、あくまでも見通しである
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<本のタイトル>
人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~
<本の紹介>
・完成しても終わりではない
・人が増えても速くならない
・たくさん作っても生産性が高いとは言えない
・人に依存せず同じ品質にはできない
・プレッシャーをかけても生産性は上がらない
・見積もりを求めるほど絶望感は増す
・一度に大きく作ると得に見えて損をする
・工程で分担しても効率化につながらない
<何が書いてあったか(誰でも書ける)>
・システムは使い始めてから改善が始まる。リリースはスタート地点に過ぎない
ー想定外の新しい要望が出てくる
ー使い始めたらかえって生産性が落ちてしまったとかもありえる
ーユーザー -
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人が増えても速くならない ~変化を抱擁せよ~
株式会社ソニックガーデンの創業者である倉貫義人 氏の著書です。
ソフトウェアエンジニアの常識は、非ソフトウェアエンジニアの方には全然理解されていません。結果、プロジェクトを進める上で共通認識を持つことができずに難航することはあるあるだと思います。
この本は著者の経験に基づき、非ソフトウェアエンジニアの方にもソフトウェアの特性、本質を理解してもらえるように解説した内容になっています。
経験の浅いエンジニアにもおすすめです。
【本書で学べること・考えること】
- プロジェクトとプロダクトの違い
- 開発速度に関する、人やお金の考え方
- 生産性 -
Posted by ブクログ
ソフトウェアエンジニアリングの仕事について、ありがちな誤解やアンチパパターンを経営者や事業責任者にも分かるように説明されている。特に生産性やモチベーションを悪気なく下げてしまうケースに言及されており、思うように開発が進まなかったり、人材の流出に悩んでいるなら本書を学ぶと良いだろう。
全体的に表現が平易でわかりやすく、ページ数が少ないので負担なく読める。著者の倉貫さんの本は毎回読みやすくなっているが、その中でも本書は特に読みやすくなっている。
書いてある内容はエンジニア目線で共感できるものが多い。また、逆に多くのエンジニアができていないことへの言及もある。エンジニア以外の人にぜひ読んでもらいたい -
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「納品のない受託開発」というソニックガーデンのビジネスモデルについて、効果・仕組み・向き不向き・事例などについて、従来型の一括請負の問題点の指摘とともに説明されている。
「納品のない受託開発」は合理的で素晴らしい仕組みだと思うが、本書でも注意喚起されているとおり万能ではなく、また、実現のための前提が難しいものになっている。
たとえば、エンジニアや会社のスキルやモチベーションの要求水準が高いこと、顧客側の作業や体制への要求も比較的高いこと、システムの会社や規模に制約があること、など。
つまり、ソニックガーデンやそれに類するレベルの高さが要求されるため、誰でも容易に真似できるわけではないという点 -
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2015年に書かれたリモートワークの本。
リモートワークの先駆け的なことを実践していて、
コロナ下でリモートワークが一般的になった今でも共感できるポイントばかり。
今までやってきたリモートワークの見直し的な感じになった。
リモートワークに慣れていない人とコミュニケーションを取るときは
この本に書いてあることを念頭に話そうと思う。
# 詳細
## リモートチームのための3つの原則
1. 仕事中の雑談を推奨する
2. ワークタイムを揃えて働く
3. 社員全員でリモートワーク
## 存在感と雑談
オフィスにあってリモートになかったものは「存在感」と「雑談」
リモートチームでこぼれ落ちやすいのは、