前川知大のレビュー一覧

  • 散歩する侵略者

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    ネタバレ

    薄く読み易そうだなと軽い気持ちで手に取ったが、冒頭3ページの衝撃、戦慄。
    胃液をなんとか飲み込んで一呼吸おいてから本編へ。

    侵略者が人間から奪うもの、それは概念。奪った概念を蓄積して人間らしくなっていく地味な設定。作中の街人A視点で見るならば、散歩しているだけの地球侵略者史上最も被害の少ない物語だが、読者には恐怖を与え続ける。

    読むという概念が奪われたら、本を読むことができな、、いや、読むことができないという思考にも至らないから読めない喪失感もないのか、、、と、物語に入り込みながら読み進めると、本質まで辿り着くにはかなりのニューロンを駆使しなければならない。それに追い討ちをかける圧倒的な背

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    2024年12月07日
  • 散歩する侵略者

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    映画を先に観た。鑑賞時の衝撃が冷めないうちに此方の小説も読んだ。所々違う箇所があるけれど、何方の結末もとても心に残っている。

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    2023年04月16日
  • 散歩する侵略者

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    ネタバレ

    とてもすごいことがおこってるのに、主人公夫婦のリアル感がしっかりしてて、SFすぎないというか、読みやすい。終わり方は読後すぐより、読み終わって少し経ち思い出した時の方がせつなく感じる。かろやかに、私的に世界は救われたのか。宇宙人は最後に報われない片思いの感情を得たのだ。

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    2018年07月06日
  • 散歩する侵略者

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    読み終えて、まずラストシーンがとても印象深い。演出家の前川知大氏の作品だけあって、演劇のエンディングのような切れ味でした。SFだけれども主人公は主婦で、宇宙も科学も全く登場しないという風変わりな小説。超常的な現象により、人間の心の内面が徐々に浮き彫りにされていく。「この先、どうなっちゃうんだろ?」とグイグイ引き込まれ、あっという間に読んでしまいました。

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    2017年09月18日
  • リヴィングストン(1)

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    この漫画の主人公は魂石回収業者の桜井と天野。
    公務員風のビジネススーツに身を包み常に名刺を持ち歩く桜井とは対照的に天然で掴み所ない天野、順風満帆とはお世辞にも言えぬ凸凹コンビが、故人の記憶が残留する場所を訪れ、記憶の結晶―「魂石」を回収していく。
    魂石回収という特殊な職業に就きながらも、桜井は非常に生真面目な善人。
    しかし彼もまた歪みを抱え、人生に悩み挫け迷う人々との出会いによってその歪みと否が応にも向き合わざる得なくなる。
    基本一話完結の連作シリーズ。結末は苦く救いのないものが多い。単純な二元論で割り切れる善人や悪人は登場せず、パッと見善人がグロテスクな本性を隠していたりもする。
    もう一つの

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    2017年08月26日
  • リヴィングストン(4)

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    テーマが生きるとは死ぬとは、なので重い話が多かったけど、実質的には救済の物語だった。4巻ですぱっと終わるのも潔い。しばらく手元に残したい作品になりました。

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    2015年05月08日
  • リヴィングストン(1)

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    魂石回収業者の2人が主人公のお話。

    結構サバサバ進んでいくストーリー。
    なのに、すっごい考えさせられるというか、考えてしまうというか。
    話の根っこはシリアスですね。
    でも、対照的な主人公がバランス取れていて2人のやり取りが面白いです。

    前から気になっていたので読んでみましたが、予想以上にお気に入りの本になってしまいました。

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    2012年01月04日
  • リヴィングストン(1)

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    もともと舞台のファンで読みましたが、違う話も入れられていたり設定が微妙に追加されていたりと、とても楽しめました。
    絵も話しに合っていて良かったと思います。

    男性になってしまった彼女の、来世の職業については描かれてなかったので、そこは舞台でのお楽しみといったところでしょうか・・・。
    そこのやりとりも好きだったので、ちょっと見たかったなー。

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    2011年01月28日
  • リヴィングストン(1)

    無料版購入済み

    不思議なお話

    魂を自由に操れる能力?

    一人の人生を別の人間に移し替えることができるって、寿命のろうそくの火を他人のものに写変えたようなものか。

    これまでに見たことのない世界。

    #ドキドキハラハラ #怖い

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    2022年09月04日
  • 散歩する侵略者

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    宇宙人が地球を侵略に来るSFだが、
    主軸は冷めきった夫婦関係を続ける鳴海の心の動きにあるか
    普遍的なテーマに見えるものの、大胆奇妙な設定を生かしてオリジナリティ溢れたものになっていて良い
    最後の問答と決断のシーンは非常に切なく美しく、心を打たれた
    一方で、主軸以外の部分は少し物足りなさも感じ、設定が面白いだけに少し残念にも思った
    元が舞台作品との事で、どのように表現されているのかはとても気になる

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    2022年02月23日
  • 散歩する侵略者

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    昨年、同作の演劇をシアタートラムで鑑賞したが、どちらもとても良かった。劇団の表現力。ある「概念」を盗む、ひとつの着想から羽ばたく想像力。

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    2018年01月08日
  • 散歩する侵略者

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    舞台作品の小説化だけど本人が書いたからかノベライズ感はなく小説の特性を意識した内容になってある。なので、ちゃんと面白いし、舞台や映画でも観てみたいと思う観じ。舞台や映画で観たいではなく。どうなっていくのかなとおもったけどなるほどって感じで面白かったかな。

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    2017年12月18日
  • リヴィングストン(4)

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    エウレカ片岡人生のショート作品。人は寿命が決まってる。魂の予定。これが、何らかの原因でズレてしまうことがあり、それを救うこと、死なせることで終わりにする。互いに魂の浄化を生業にするコンビを主人公に、自分探しの旅に出るというストーリー。
    人生は、選択する。裏返しなようで、ある程度決められているからこそ、自分で何かを決められる。自分を探して、最後見つけたものは、生きたこと。ピュアな物語に、綺麗な絵が映える。

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    2015年08月16日
  • リヴィングストン(1)

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    魂の痕跡=魂石が不幸にして砕け散った場所から魂を回収するお仕事、もしくは今死のうとしている人間の魂を無事に死なせて魂石の砕け散るのを防ぎ、来世へ移送するお仕事、でも言うべきテーマで描かれる本作。「魂鎮め」とは一味違うが、砕け散った魂を清掃し、魂石にする役目の天野くん(見た目少年・中身に何が入っているか分からない為感情・痛覚その他が無に近い)と、魂石の査定をするとでも言うのか、魂石から持ち主の人生の最期を確認する役目を担う黒髪メガネの櫻井(こちらは生真面目から来る人生経験の少ない青年と言う感じ)、この二人のコンビにコンビ愛が生まれるのか、と言う楽しみもある作品。

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    2014年12月19日
  • リヴィングストン(1)

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    重く、どっしりとしたシリアスなテーマ。魂→人の生き死にがメイン。描写も申し分ない。今後の展開が楽しみ。

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    2013年06月19日
  • リヴィングストン(1)

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    ネタバレ

    自殺者っていう見えない人間に焦点を当てるお話し。世界観が面白いのと、主人公が好みwww
    片岡サンの絵はやっぱしいいわ!

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    2013年01月27日
  • リヴィングストン(1)

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    シミケモノがなぜか必死でかわいい。
    変に勧善懲悪でなくていい。
    OLどんまいだけどしょうがない。笑
    気になるから読むと思う。

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    2010年12月21日
  • リヴィングストン(1)

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    運命から外れた人の魂を回収したり外れて無いの自殺しようとする人を説得したりするサスペンス…なのかな、基本的に死にたいという人にスポットが当たるのですが真面目桜井、人の気持ちわからない天野の凸凹コンビによりそれなりに暗過ぎでなくいいバランスでかかれてます。

    物語としてこのまま魂回収で人の生と死の話を描くのか、何かこの魂を回収してる理由など主人公側を描くのか方向性はわかりませんが今後に期待。

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    2010年12月13日
  • 散歩する侵略者

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    地球を侵略するために人間から概念を奪って成長する宇宙人たちと、3日間の行方不明になった後、まったく別の人格になって帰ってきた夫に不信感を抱く妻・鳴海の物語。

    劇作家・前川知大が率いる劇団イキウメの舞台『散歩する侵略者』を、自ら小説化した作品。2017年には黒沢清によって映画化された。

    映画でも思っていたが、宇宙人が人間から概念を奪っていくという設定がもう既に面白い。序盤の金魚を咀嚼したあと、同居する息子夫婦を殺害し、自殺したおばあちゃんの話のように《知識がない状態》でも十分怖いし、不気味。一方で、終盤の《知識を得た状態》もまた違った恐ろしさがあり、一冊の中で様々な恐怖を抱くことができる。

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    2024年11月05日
  • 散歩する侵略者

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    ネタバレ

    死んだ縁日の金魚を咀嚼するおばあちゃん――。唐突で不気味な冒頭から「どういうこと!?」と一気に引き込まれる。鳴海が愛の概念を真治に奪ってもらうというラスト、なるほど。黒澤清監督による映画も観てみたい。長澤まさみは鳴海のイメージと違うけれど。

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    2024年07月24日