聴猫芝居のレビュー一覧
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性欲を持て余した亜子の魔の手がオンオフを問わず伸びる20巻である。
イベント的にはバレンタインデーと、マスターの受験&卒業というオフイベントが描かれた回だが、メインは「毎日プロポーズしてくる亜子」というホラー現象だろう。
日付を付けて描かれる物語は、形式的には掌編集に近いニュアンスがある。
全体で収束していく流れがあり、最後に目立たなかったオンライン方面での衝撃的な結末も置かれているが(なおかつあとがき無しという構成などもよく計算されている……風に見える)、構造的にはキャラ立ちしまくった彼らのオンラインを通じた日常風景とオフラインのイベント模様が細やかに描かれているのである。
復刻 -
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進学希望調査から端を発した御聖院さん崩壊事件を軸に、ネトゲ上ではまさかの猫姫さんが敵に回ってマスターがつらたんとなってしまう18巻である。
今回はLAで(商会売上ランキングで)てっぺんを目指す物語が組まれていて、農業要素が追加されたLA内で実施されている交易が主題となっている。
そこに御聖院さんが発したわりととんでもな将来の夢が絡んできて展開する様はこの物語らしく、終盤のゲーム世界を徹底的にかき乱すアレイキャッツの有様とマスターのテヘペロは大変美味しゅうございました。
総じてこの物語らしい展開であり、リアルを優先させた前巻とは対照的な物語だった。
その辺も加味して、星五つで評価して -
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ネタバレ浮遊大陸を目指す空の旅が拓かれた16巻である。ただ、メインの物語はネトゲ部勢 vs. 後輩勢@海賊による艦隊戦となっている。
このシリーズでは、かなりスパンを長めに持って仲間を増やしていく一面があるが、今回は以前から微妙な立ち位置に居た双葉みかんの入部を巡っての物語が展開されている。
その入部の経緯を彩るのが、浮遊大陸捜索クエストであり、そこに介在するはた迷惑な対人戦を可能とした空賊システムである。
空賊勢と一般プレイヤーの艦隊戦に関わる主人公勢@治安維持ランキング1位と後輩コンビ@空賊の対決は手に汗握る実にスリリングなものであり、それがゲームであるだけに(別に負けても死ぬわけではない -
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今回は修学旅行編。前回自分の知らないところでファーストキスを奪われたルシアンが一念発起し、ファーストキスのリベンジを狙う回である。
ネトゲの方で期間限定クエストが絡みながらも全力で修学旅行を楽しもうというネトゲ部の二年生陣の姿は、成長が見られるというか、大変逞しいものがある。
最終的にルシアンの告白にせよ、彼の初めての大勝利にせよ、楽しくも見応えのある一冊となっている。USO(大阪のどこぞのテーマパーク)でのパレード時の会話なども、非常に味わい深かった。
文句なしで星五つである。これで最終回でも納得の大団円的展開だった。
とはいえ、彼らの物語はまだまだ続くだろうし、次巻も期待して待 -
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ついに二人の関係が(ルシアンの方で)親バレしてしまう14巻である。今回は旦那の実家に認めてもらうために頑張る嫁という構図が展開されている。
物語的には初対面をクリアするための修行編(これはバレンタインの巻と同じ仕組みである)と、うっかりで結婚発言が飛び出しルシアン母から「そういうのはちょっと……」と引かれてしまってからの挽回編の二本立てになっている。
後半はネトゲの楽しさをゲームのことをよく知らない親に知ってもらうために頑張る展開になっているのだが、その意味で現実とネトゲの両面的な本作の持ち味を綺麗に分割して構成している形だろう。
物語的には星四つ半相当と評価している。が、物語の締め -
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今回はヴァレンシュタイン・TMWとの協同によるレイドボス戦を描きながら、セッテさんにスポットを当てた物語となっている。
セッテさんの大コケは大いに楽しませていただいたが、それとは別に注目すべきは、ここに来てようやく再登場を果たし始めた一年生組だろう。
今回は生徒会の選挙ということでマスターに憧れていた高石涼香が再登場しているが、先の巻で再登場を果たしていたみかんなどはメインと言っていいレベルでガッツリ出演している。
この13巻からの物語は、もしかすると世代交代に焦点を当てていくのかもしれない。アレイキャッツの面々はある程度安定してきているので、別の方向から物語を展開していくのではないか -
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アニメ放映時に発売された11巻は、新職を実装する大型アップデートが実施されるも、クリティカルなバグによってキャラは凍結、頓珍漢な運営の対応によりサブキャラでプレーすることになって……という展開で物語られる物語である。
先の巻では新年度を迎え、新たな船出を迎えたネトゲ部が一年生の勧誘に奮起する物語であったが、今回は新しいクラスでの立ち位置に四苦八苦する流れになっている。リアルでもネトゲでも、この辺の物語は自分たちの立ち位置を再定義するようなニュアンスが強い。
色々思い悩みながらも、結局は自分らしさに立ち返っていくところなどは実に青春物語らしく、その悩ましさも含めて非常に爽快である。ネトゲと -
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新年度を迎えて、新入部員を獲得しようとあくせくする10巻である。物語は今回も現実とネトゲ上がリンクしながら展開し、新入部員が得られなければ廃部になると、結構な苦境に陥っている。それが最後の最後でウルトラCの解決策を繰り出して切り抜けるのだから、相変わらず正統派な物語だと深く感心させられた次第である。
シリーズ全体で考えると、今回は下級生の顔見せ回になるのだろう。部活に関与するようになるキャラは実質一人だけだが、それぞれ出てきたキャラにきちんと名前が付けられているところを見ても、今回だけで使い捨てすることは考えづらい。
これからどう展開していくのかにも期待が持てる顔見せ回であった。シリーズ -
購入済み
そだねって感じ
ネットゲームの世界とリアルの隔たりが薄くなっている連中が起こす物語、とでも言えば良いのかな?
ネットゲームの仲間とは、なんかリアルの仲間とは違う親近感を感じることはよくあった。
そんな普段は意識しない心の内面をよく捉えた作品だと思う。
ネットゲーム内で、結婚してくださいと初めて告白した時のことを思い出して、あーそんなこともあったなって、確かに本当はネカマじゃないだろうなぁって心のどこかで疑ってたとか、懐かしい気持ちが蘇ってきた。
最近はネットゲームも数多く、奥も深いものになってる。
でも、この物語の舞台となっているMMORPGは、なんとなく初期のネットゲーム、それもMajestyやU -
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バレンタインを目前に控えた主人公らであったが、イベントを機に改めてアコのプレイヤースキルの低さが浮き彫りとなって、という展開で描かれるバレンタイン回である。
物語世界を押し広げた前回からは続く流れではなく、本来の筋である「学生生活イベント+ネトゲイベント」という構成で展開されている。作者さんの得意とされるところだろう、さすがの手並みで、相変わらず面白いの一言である。
程よくお色気を加えつつ(この機に改めて指摘しておくが、表紙ほどにはその色は強くなく、あくまで程よくである)、一方で今回は成長物語としても充実している。物語の定型ではあるが、努力した上で得られる成功体験は、やはり快いものであっ -
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六巻は、クリスマスイベント(オンオフ含む)を軸に置いた物語である。
今回も掛け値なしに楽しめた。彼らの会話は、彼らが過ごしてきた日々の積み重ねが感じられるほどに洗練されていて、単なるオタクトークというより仲の良い部員同士の楽しい会話になっているし、物語も最後の美しさと、それをさらに落とす構成は素敵なものだ。
主人公の彼が、ややあざとく勘違いしているところもあるが、それも仕方がない。そもそもギルド全員が同じ学校ということが異常事態なのだから。
ハーレムチックな展開になりつつある本作は、秋山さんの言葉が印象深い。彼女持ちがモテる理由というのは、なるほどと感心させられた。
そんな風に語ら -
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今回はハウジング。ギルドのホームを持とうと金策に走る話である。
今回も楽しませていただいた。展開の楽しさとシーン単位での楽しさ、両面において隙がなく、相変わらずの面白さである。
終盤の展開も、それそれのらしさが出ていて、それがきちんと展開を捻る手立てになっている。お見事な手前である。
今回も文句なしに星五つ。良い読書をさせていただいた。もうすぐ出る次巻も楽しみにしたい。
※2016年5月21日の再読の感想を転載しておく。
今回は前回の攻城戦での散財を引きにしての金策と、金策の目的であるところのハウジングシステムが描かれている。
そうした意味で、物語は二重底と言うか、前半と後 -
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今回は攻城戦、大規模対人戦をメインに据えた物語である。
いや、熱かった。ひたすらに熱かった。現代社会を生きる我々が擬似的にファンタジーを体験できるもの、それがゲームなのだと改めて思い知らされた気分だ。
正しい意味でネットゲームを、あるいはオタクを取り扱った本シリーズは、名作といって過言でないだろう。
ゲーム的な意味では今作がこれまでで最高の出来だろう。物語も当然ながら面白かった。文句なしに星五つである。
※2016年5月20日の再読の感想を加えておく。
今回は秋のイベントたる文化祭をメインに据えた物語になっている。だが、その文化祭そのものはエピローグで少し触れるだけで(なんと -
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たかがネトゲ、されど……と言ったところだろうか。今回はネトゲ上での犯罪被害に遭うルシアン一味の物語である。
物語の展開が実にスムーズで、相変わらず、単純にストーリーとして面白い。あくまで現実寄りながら、読後感の良い展開を組んでくれているところもまた良いところだ。
ネトゲのコラボやネット犯罪など、話には聞いたことはあるが……という人に啓蒙するような内容も含み、質の高い一冊となっている。
あるあるネタもネトゲ一辺倒ではなくて、アコとの関係に悩む彼の姿などは、甘酸っぱさやほろ苦さを覚える人も少なくないだろう。青春してるなあ。
ネトゲをやってる人からすると、ご都合主義的なところも少なくない -
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作者さんもあとがきで触れておいでのように、もう一巻ですべて出しきった感のあるネトゲの嫁は~の二巻である。
本当によくできたシリーズだと思う。今回もクラスメイトを起点に、感情の変化を丁寧に描いていて、オタクの持つ感情をよく説明している。
中盤の「別ゲーこれくしょん」を次への伏線に使う手並みはお見事だし、いたずらに感情的な見せ場を用いず、それでいて最後の会話に深みを出させる展開のさせ方には感心するほかない。
ちょっと積んでしまっていたが、なかなか楽しい読書であった。文句なしに星五つである。
※2016年5月19日に再読したため、再読記録から感想を転載しておく。
再読の方がしっかりと -
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少し評価に迷ったが、星五つとした。人を選ぶが(ネット関連の基礎教養が要求される)、良い意味でらしいライトノベルである。
ミスリードが少し弱いが、それ以外は非常にスマート。登場人物もよく絞っているし、展開もスムーズである。一冊としてよくまとまった作品だ。
何より勢いが良い。会話のリズムもそうだが、展開のテンポ感も心地よく、一時間半ほどで止まることなく完読した。本当にライトノベルらしいライトノベルである。
綺麗にまとまっている分、続巻をどう展開させていくか興味深いところだ。期待して積んでおこうと思う。
※2016年5月16日に再読したため、その再読した上でのレビューも転載しておく。