聴猫芝居のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
元は仕事でスピンオフに接した作品、そこで「あれ、この作者、ネットのいじりかた上手すぎ?」と感じて本編を読んでみましたが……や、予想通りに上手すぎました。
現代日本です。ファンタジーではありません。学園ハーレム系ではないですが登場する女性キャラは多いです(主人公の相手はひとり)。少しずつ王道からは外しながら、ネットゲームをテーマにしてきっちり物語とキャラクターを作り上げています。
正直、ライトノベルの中でも文体の軽さは群を抜いていると思います(文体の軽重の議論は置いときますが)。個人の感覚としては、小説を読んでいるというよりは、それこそネットに公開されている個人の日記を読んでいる感覚に近かったです。
それでもきっちり小説としての面白さを感じたのは、ネットやゲームのカルチャーをしっかり盛り込んで、ネットスラングとかも含めてリズミカルに、勢いよく文章を紡ぎ、主人公のツッコミスキルも高いから、でしょうか。とかくテンポ良く読み進められます。
一応、ヤマにしたいのかバトルに近い要素もあるのですが、むしろそこは違和感を感じてしまうほど。いっそ、ほのぼの日常系廃人小説として振り切ってしまってくれた方が、一層好みかもしれません。
ただし。そっち系のカルチャーにイマイチの方が読んでも、きっと本作はさっぱりでしょうし、むしろ苛立ちすら感じるかもしれません。万人受けではないから★3にしようかとも思いましたが、そっち系のカルチャーにずっぽりのワシとしてはやはり楽しめたので★4で。後は、個人の嗜好ってことでで、ひとつ。 -
Posted by ブクログ
「都市伝説を集める」という設定で、MFの『101番目の百物語』などと印象がかぶりますが、今後どれくらい独自色を出せるかな、といった感じ。
内容自体は、時間の経過の描写が引っかかる以外は適度に勢いがあっておもしろいです。
追記
第18回電撃大賞 金賞受賞作。
(一部ネタバレ)
主人公・八坂出雲が、人の形を取った都市伝説"都市伝鬼"をに出会い、それらを成果としてノートに書き綴ることで「都市伝説を規定する」というおはなし。
ある大学の付属校に通う主人公。民俗学の権威で、尊敬する大学教室の研究室に入り浸っていたところ、その教授から「都市伝説をまとめないか」という誘いを受けることから物語は始まります。提案を受けた主人公は、4年後の大学ゼミの正式登録の際に完成させることを約束。そこからどんどん都市伝説(や妖怪など)が現れるようになります。
設定というか、あらすじを読んだ段階ではサイトウケンジ氏の『101番目の百物語』シリーズとほとんど同じでは?という印象。あれは都市伝説を「ロア」と称し、そのロアを行使することで新たなロアを得、百物語を完成させる、というストーリーですが、こちらのロアを「都市伝鬼」と置き換えただけでかなりの部分が一致、とまではいえませんが、似たような印象があります。もちろん、独自の展開や設定はありますので、次巻以降でどれだけそれを有効活用し、膨らませることが出来るかが鍵となると思います。
あと気になったことは、最初に登場したムラサキカガミのサキが、単に「4年というリミット装置」の役となってしまっていることでしょうか。
評価 4/5 次巻に期待。